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「ProcessingによるCGとメディアアート」(講談社) が出版される

2018年12月11日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部メディアコンテンツコースのの近藤邦雄です.
「ProcessingによるCGとメディアアート」(講談社) が出版されました.
メディア学部では,演習や講義で,Processingを利用してプログラミング演習,CG制作の演習などを行っています.codeをダウンロードして実行できるために,学生の皆さんにはさまざまな講義や演習の理解を深めるために参考書として最適です.
本書の執筆者は,情報工学,芸術科学・芸術工学などを学び,現在,さまざまな大学でプログラミングやコンピュータグラフィックス,メディアアート・デザインなどの先端的な教育を行っている方です.メディア学部では,柿本教授,菊池教授,および,非常勤講師の田所先生,さらには,デザイン学部の松村教授が執筆をしています.本書の3部構成を理解したうえで,各章の執筆者が行っている講義や演習内容を分かりやすく簡潔にまとめていただきました.講師や演習で利用しているcodeを,本書のために見直し,コメントを入れて読者の理解を助けるように工夫しています.
大学生や高校生が論理的な思考を身につけ,プログラミング能力が向上し,メディアコンテンツ,デザイン・アート作品の制作に興味を持つだけでなく,この書籍をきっかけに世界に発信することができるような独創的なコンテンツができることを期待しています.

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卒業研究「プロダクトデザイン」は提案物の最終的表現の段階へ

2018年12月10日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

齢を重ねるほど時間経過を早く感じますが、今年も12月、というわけで今年度の卒業研究「プロダクトデザイン」も終盤に近づきました。

すでにご報告の通りですが、卒研メンバーは全員、採択案が決まり、提案物の最終的表現の段階へと進んでいます。今は3Dモデリングシステムで詳細形状を詰めながら、3Dプリンタでも出力し、具現物としての確認も行う段階に入っています。

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各人ともPCに向かう時には個々の作業に集中しますが、ゼミではPC画面やプリント物を提示し、最後まで意見交換を行います。この卒業研究は、メディア学部におけるプロダクトデザイン提案なので特にデザイン解導出に至る飛躍なきプロセスを重視しています。自己満足での提案は研究としては認められないというルールで進めています。卒研生はデザイン学部の学生とは違いますので、各自のスキルに特徴があります。調査が得意なひと、スケッチが得意なひと、アイデアが豊富なひと、PC操作が得意なひと、いろいろな人が集まっています。今は3DモデラーなどのPC操作スキルが得意なひとが苦手なひとに助言している光景をよくみかけます。助言しあっている心地よい光景です。今年度も全員、無事に終了・卒業できると思います。

メディア学部 萩原祐志

経済現象の可視化と指標化(2)

2018年12月 9日 (日) 投稿者: メディア社会コース

前回のブログでは、一国の所得や資産の分配の不均一性を視覚的に捉える、ローレンツ曲線について紹介しました。しかし、ローレンツ曲線では、その不均一性の存在や、拡大が一目瞭然であっても、それが一体どの程度なのか、定量的に把握することは困難であるという問題がありました。このため、社会において、所得分配をどの程度是正したら良いのか、経済政策を具体的に論じることができません。そこで、今回は、ローレンツ曲線をもとに、分配の不均一性を定量的に捕捉する、ジニ係数という指標化の方法について紹介しましょう。

まず、ローレンツ曲線のグラフを描きます。そして、45度線とローレンツ曲線で囲まれる半月状の面積が、45度線と横軸で囲まれる直角2等辺三角形の面積に占める割合を計算し、その値が0から1の間を取るように定量的に定義したものがジニ係数です。ローレンツ曲線の構成上の特性から、ジニ係数は0に近いほど平等性は高く、一方、値が上昇して1に近くなるほど不平等性が高くなるように作られています(3)


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OECDの統計から、1970年代以降の欧米諸国のジニ係数の推移を見てみましょう。長期的な趨勢としては、各国とも市場原理を重視した結果、所得分配の不均一性が高まっています。しかし、米、英、日で高水準に推移する一方、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーの北欧諸国では0.1ポイント強低い水準に維持されている点に注意が必要です。これは、各国の社会/財政制度が如実に反映された結果と言えるでしょう(4)


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前回と今回の二回にわたって、ローレンツ曲線とジニ係数の、それぞれ可視化と指標化としての優れた特性について見てきました。いずれも非常にうまく考えられていることがわかったかと思います。しかし、欠点もあります。この問題に点に関しては、次回紹介しましょう。

 

(榊 俊吾)

 

経済現象の可視化と指標化(1)

2018年12月 8日 (土) 投稿者: メディア社会コース

筆者の前回のブログで、今年度の社会経済システム学会で経済現象の指標化を議論するセッションについて紹介をしました。その報告の一つである、ローレンツ曲線は、一国の所得や資産の分配の不均一性、換言すれば平等性を可視化するべく考えられたグラフです。

まず、その作り方について簡単に紹介しましょう。横軸に所得の低い階級から高い階級に階層別(等人口比)に並べ、縦軸に各所得階級の占める所得割合を累積して作成されます。この構成により、もし、全ての階級で所得割合が同一であれば、この累積度数分布は45度線上に沿って積み上げられたものになり、一方高所得階級に所得が集中するほど、下方向への凸性が強く表れることになるわけです(1)


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2は、総務省「全国消費実態調査」より作成した、わが国の、19842014のローレンツ曲線です。ローレンツ曲線をみると、確かにわが国では所得分布の格差が拡大していることが視覚的に捉えられる一方、それが一体どの程度なのか、定量的に把握することは困難です。では、どうしたら良いか。次回はこの問題について考えてみましょう。


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(榊 俊吾)

2018年度社会経済システム学会全国大会に参加して

2018年12月 7日 (金) 投稿者: メディア社会コース

さる1027()28()、静岡大学浜松キャンパスで2018年度社会経済システム学会第37回全国大会が開催されました。会場となった静岡大学工学部は、その前身の浜松高等工業時代の19261225日に、高柳健次郎博士が、世界初のブラウン管テレビ受像に成功したことで有名です(公益財団法人高柳健次郎財団ホームページより)

当日の開催プログラムは下記の学会ホームページを参照してください。

http://jasess.jp/wp/wp-content/uploads/c-u/2018/dcbc05271616be073de342963a56cd8d.pdf

筆者は、分科会I「経済システム1」の座長を務めました。当日の報告は下記の2件でした。

 累進課税制度とローレンツ曲線上の接線の傾きに関する一考察

 経済複雑性指標に関する研究動向レビュー

上記報告は、いずれも経済指標に関するテーマです。指標化は、経済データを様々に加工し、数字の背後にある経済特性を明らかにしようとする手法です。

第一報告は、ローレンツ曲線および、これを基に指標化したジニ係数は、社会における所得や資産分配の不均一性(不平等性)を計測するもので、本学で筆者の担当する講義でも、実際に表計算ソフトで作成しながら紹介している項目です。第二報告では、現代経済社会を規定する重要な要因でありながら、直接計測することの難しい知識やノウハウを、ネットワーク手法を利用して評価した、先端的な研究動向をレビューしたものでした。

いずれの報告も若い研究者による意欲的なもので、会場における質疑でも、今後の研究に大きな示唆を与える有意義な議論が行われました。今後の経済社会における極めて重要な論点を扱ったテーマであり、今後の進展が期待されます。

 

(榊 俊吾)

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