メディア学部の寺澤です。
ネットワークメディアプロジェクト(寺澤研究室)は2026年1月29日に2025年度卒業研究の最終発表会を行いました。11名の最終発表と1名の中間発表を行いました。最終発表したテーマは半数以上の6件がAIを直接利用するテーマとなりました。いくつか3月の学会発表を控えているものもあります。また、これらも含め多くのテーマで、研究の過程で作るシステム等の開発にAIを活用する事例が多くみられました。
従来はプログラムを作る以前に、必要な開発環境を整備することに苦戦する学生が多かったのですが、AIの利用で2025年度はそれは全くありませんでした。最低週1回は全体および個別のミーティングを行っているのですが、研究の進め方についてAIに相談している学生もいました。また、コーディングにAIを利用する場面もみられました。開発環境自体がAIを使ったコーディングを前提としているものもあります。これは一見学生が単に楽をしているように見えるかもしれませんが、そうではありません。また、すべてAIに作らせているわけでもありません。
AIに指示する際には、どのような仕組みをどう実現したいのかを明確に指示しないと、自身の研究の特徴を表現できません。また、生成されたコードが想定通りに動くのかのテストは必ず学生自身にテストケースを作成して実施してもらい、ミーティングではコード内容の説明も求めています。人間である他人が書いたプログラムを読むのも苦労するものですが、学生たちはAIが生成したコードの解読に手間取っていました。
一方、「それなりに動く」段階に早く到達できたことで、これまでより研究の内容を深めることができました。「ここまでできたのなら、これもやってみよう」と、優先順位を下げていたことまで実現できるようになりました。研究の本質的なことに割ける時間が増えたのです。
研究の道具も変化しています。ソフトウェアが中心の開発の場合、研究室に用意しているPCではなく、学生自身が持っているノートPCのみで開発が行われることが多くなりました。これは、数年前からの傾向でもありますが、各種のクラウドサービスを利用したり、開発をGoogle Colabで行ったり、生成AIをAPIで利用したりということが一般化し、また、ノートPCの性能がそのような作業のためには十分高いため研究室のPCがあまり必要なくなっているのです。作ったシステムの実行環境としても需要が少なくなっています。研究室の今のPCは割と最近買い替えたものですが、今後は研究室のPC更新はかなり縮小してもよさそうです。その代わりサービスの利用料の支払いが増えています。私の老眼対策として、モニタは大型の良いものに買い替えています(笑)。各自のノートPCをモニタにつないでもらってミーティングしています。
言い換えれば、研究室まで来なくても進められるテーマが増えたということになります。そのため、学生にとって、研究室に対面で集まり他の学生の研究の進捗発表を聞いたり、自分の研究内容の説明をしたり、あるいは助け合ったりというミーティングの重要性がより高まりました。
なお、卒業論文や発表スライドはもちろん学生が自力で作成しています。添削をしていますからこれは確かです。
(メディア学部 寺澤卓也)