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言語メディアの研究室が新しく加わりました

2021年4月20日 (火) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、はじめまして。2021年4月より東京工科大学メディア学部に講師として着任しました松吉俊と申します。どうぞよろしくお願いします。

メディア学部の3つのコースのうち、メディア技術コースに属しています。2021年度FS2クラスの担任(アドバイザー教員)も担当しています。

私は、人間が話したり書いたりする「ことば」にとても興味を持っており、コンピューターを使いながら「ことば」について研究しています。コンピューターを使いながらことば・言語について研究する分野を計算言語学(Computational Linguistics; CL)といいます。これは、文系である言語学の1分野です。一方、コンピューターを使って文章を知的に自動処理する方法を研究している分野が理系である情報工学にあり、自然言語処理(Natural Language Processing; NLP)と呼ばれています。計算言語学も自然言語処理も「コンピューターを使って文章・テキストを扱う」ことで研究をしているので、ほぼ同じものだと思ってもらって差し支えないと思います。本学部で私が担当する授業やプロジェクト演習では、計算言語学・自然言語処理で利用される役に立つ技術を皆さんにお伝えしたいと思っています。

メディア学部に入学した皆さん、もしくは、入学を志望する皆さんの多くは、ゲーム、アニメ、映像制作、インタフェースデザインなどに興味があるのではないでしょうか。ことばや文章は、音や画像とともに基本的なメディア(情報媒体)の1つです。これらの分野の研究・制作においても文章を、時に大量の文章を扱う必要があることも少なくありません (例えば、過去のたくさんの作品の内容を参照する場合など)。文章を知的に自動処理する自然言語処理技術を修得しそれを応用すれば、制作における人間の労力を大幅に減らしたり、エージェントやインタフェースの言語でのやり取りを(完璧とは言わないまでも)より賢くできます。例えば、具体的な研究テーマとして、「小説テキストの自動解析」、「キャラクター性を感じる台詞の自動生成」、「比喩や言葉遊びの意味解析・自動生成」、「受け手に合わせた説明文の自動生成」などが挙げられます。言語処理・言語メディアやその応用に興味がありましたら、ぜひご相談ください。

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(4月2日にダンボールで一杯の研究室で自撮り写真を撮りました。)

これからどうぞよろしくお願いします。

 

(文責: 松吉俊)

プロジェクト演習履修者が優秀賞受賞『八王子市日本遺産紹介 教育デジタルコンテンツ作品』コンテスト

2021年4月19日 (月) 投稿者: メディア技術コース

健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえスマートフォンやスマートウォッチなどのメディアを活用して自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

2020年の去年から新しく始めたプロジェクト演習『スマホ動画制作による地域メディアデザイン』

https://kyo-web.teu.ac.jp/syllabus/2021/MS_P022739_ja_JP.html

では、

『地域社会に赴き、該当テーマにおけるステークホルダーたちとのコミュニケーションを通じて地域課題の様々な状況について問題意識を養成し、課題解決案を策定するとともに、動画コンテンツの制作における企画から完成までの制作過程を横断的に学ぶとともに、それらの成果を地方創生に活かす。また、課題理解のために、地域社会における該当テーマのステークホルダーたちとのコミュニケーションをはかるとともに、実際のグループワークにおいて各自の担当を担いながら建設的な意見交換により、よりよいコンテンツ制作に貢献する。』

という趣旨の基、プロジェクト演習を実施しました。

2020年の後期には八王子市のCMコンテストへの応募を予定していましたが、コロナ禍の影響でコンテストが急遽中止となってしまい、プロジェクト演習の目標を失いかけていました。

しかし、なんと

【募集】八王子市日本遺産紹介 教育デジタルコンテンツ作品を募集します

八王子市教育委員会(後援:大学コンソーシアム八王子)では、八王子市が都内で初めて日本遺産ストーリーに認定された「霊気満山 高尾山 ~人々の祈りが紡ぐ桑都物語~」をテーマに、学園都市八王子の特色を活かし、学生ならではの視点で、八王子の日本遺産ストーリーを紹介する教育デジタルコンテンツ作品を募集します。

https://gakuen-hachioji.jp/nihonisan/

と2020年限りの10分程度の動画制作のコンテストが急遽開催されることとなりましたので、このコンテストへの応募をすることに方針転換しました。

それから半年間の演習および自宅制作を経て、10分間の動画制作を無事に完了し、応募しました。そして、メディア学部3年生の荒井譲さんの作品が優秀賞を受賞し、3月19日(金)の15時の表彰式では、荒井さんは表彰状を授与され、併せて10万円の賞金もいただけました。

https://www.city.hachioji.tokyo.jp/shisei/001/001/009/001/p023092_d/fil/030317nihonnisannsutorisy.pdf

荒井さんによると『今回、優秀賞をとることができてとても嬉しいです。画像だけで10分程度の映像に仕上げるのは難しかったですが、ナレーションやBGM、テロップなどを工夫していくことで、子供たちに八王子について楽しく学んでもらえる作品に仕上げられたと思います。』とのことでした。

こういった1回しかないチャンスをモノにするには努力と才能と運ということになりますがとても良い経験になったと思います。

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新学期授業スタート!

2021年4月18日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん、こんにちは。メディア学部助教の兼松です。

いよいよ2021年度の授業がスタートしましたね.
昨年度前期は授業スタート時期も遅れた上,メディア学部は基本遠隔のみの授業.後期は対面と遠隔の併用,そして今年度前期は基本対面ながらも,一部の授業や夜間に実施することが多いプロジェクト演習では演習ごとに対面であったり遠隔であったりと,まだまだ学生の皆さんには複雑で大変な形が続いています.
新入生にとっては,どれも初めての授業を自分で調べて履修スケジュールをたてなければなりませんし,2年生のみなさんにとっても学期ごとに授業の受け方などが変わって苦労している方も多いと思います.
感染防止のためにもご理解・ご協力頂ければ幸いです.
そしてこの週末が明けると履修登録期間になります.定められた期間内に必ず登録しなければなりませんので,よく確認してください.

さて,今年度私が担当している授業としては,情報リテラシー演習(1年生)と基礎演習II(2年生),そしてプロジェクト演習シナリオアナリシスの,それぞれ第1回が先週の内にありました.

基礎演習IIの中で私が担当しているテーマ(サウンド・エキスペリエンス)は,昨年度と実施方法があまり変わっていませんので比較的スムーズに実施できたかなと思っています.
ただ,学生のみなさんの様子は少し昨年度とは違っていました.
サウンド・エキスペリエンスでは授業のほとんどの時間で,学生の皆さんが協力しあって課題をこなすことになります.その際,学生の皆さんはmeetを使って相談することになりますが,さすが昨年度の「遠隔でコミュニケーション・作業をすることをいきなり強いられた1年」を新入生として乗り越えてきたみなさんですね.昨年度よりも目立ったトラブルもなく,みなさんかなりスムーズに課題をこなしていたように思います.

大変な時期が続きますが,メデイア学部生として様々なメディアや関連技術を使いこなすスペシャリストになってほしいと思います.

(文責:兼松祥央)

たくさん映画を見ましょう

2021年4月17日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

これまで私はこのブログで「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介してきましたが、過去にこんな記事を書きました。

「シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その2」

http://blog.media.teu.ac.jp/2020/09/post-0d02b3.html

『大変興味深いことなのですが、シナリオを書こうとする学生の中には「主人公が最後に死ぬ話を書きたいです」と言ってくる人が定期的に現れます。もちろん毎回別な人です。ところが、いざ具体的な内容を教えてもらうと「主人公が最後に死ぬ」という、構想だけが強すぎるせいか、唐突に「主人公が死ぬ」とか、特に必然性もないが「主人公が死ぬ」という内容だったりします。』

この記事で触れた、プロジェクト演習シナリオアナリシスに定期的に現れる「主人公が最後に死ぬ話を書きたいです」と言ってくる学生さんたちには、ある共通点があります。それは

「他の人とは違った特徴をもった作品に仕上げなければ注目してもらえない、と考えた」

・・・というものです。毎回別な学生さんなので、多少言い方が違ったりするので、「ありきたりの作品にはしたくなかった」「既存作品のパクりだと言われたくないから」など、ニュアンスに若干の差はあるのですが、端的にいうなら「新規性」「独自性」をなんとか出したいという、とても積極的な創作姿勢に基づいた思考です。そしてそれ自体は決して間違ったことではないです。

ただ「他の人とは違った特徴をもった作品」のシナリオを書くためには、他の人の作品をたくさん知って「他の人がまだ取り扱っていないことがなんなのか」を見極められるようになる必要はあります。

その点で言えば、安易に「主人公が最後に死ぬ」だけのシナリオを考えてしまうのは、既存作品のリサーチ不足から「主人公が最後に死ぬ作品は、他の人がまだ取り扱っていないに違いない」という思い込んだに等しく、「他の人とは違った特徴をもった作品」の見極めができていない、と自ら言っているようなものです。

前述した過去の記事では映画「グラディエーター」を取り上げていますが、妻子のかたきを討つために「主人公は最後に死ぬ」という点だけで見れば、それほど新しい発想ではありませんが、現代にはもはや存在しない、奴隷同然の剣闘士(グラディエーター)が、その時代の最高権力者を相手に、当時の、ありとあらゆる手段を用いて本懐を遂げるまでを描き切るとなれば、そのシナリオは「他の人とは違った特徴をもった作品」として認識されるに至ります。

シナリオライターになるためには「たくさん映画を見ましょう」というアドバイスはよく耳にしますし、ただ漫然と見るだけでは全く意味がありませんが、少しでも、意識的に既存作品との差別化されたポイントを見つけ出そうとして見ていたなら、それはシナリオライターにとって、間違いなく重要な知識となります。

そういう意味では、「他の人とは違った特徴をもった作品」のシナリオライターを目指す皆さんは「たくさん映画を見ましょう」

(文責:兼松祥央)

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その20

2021年4月16日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
今回紹介するのはこの映画です。

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『マスク(1994)』

【監督】
チャールズ・ラッセル

【脚本】
マイク・ワープ

【参考URL】
https://movies.yahoo.co.jp/movie/22113/

【あらすじ】

エッジシティの銀行に勤めるスタンリーは、愛犬のマイロと暮らし、アニメを見ることぐらいしか楽しみのない、平凡で冴えない男だった。そんな彼はある日、一人の女性に一目惚れする。

その相手は地元ギャングの経営するナイトクラブの歌姫「ティナ」で、その出会いは、よりにもよってギャングのドリアンが銀行強盗の下見につきあわされている最中、という最悪のタイミングだった。

そんなことなどお構いなしでスタンリーはティナへの想いをふくらませて帰宅する途中、
河辺で怪しげな仮面を見つけ、吸い寄せられるようにそれを顔につけてしまう。

次の瞬間スタンリーは、緑の肌をした怪人「マスク」に変貌。およそ人間とは思えぬ動きと、ふだん見ていたアニメさながらの奇抜な能力で、夜の街に繰り出して大暴れする。

翌朝、我に返ったスタンリーは仮面の力が恐ろしくなり、ティナに近づくために、もう一度だけその力を使ったら、仮面を捨てる決意をした。

かくして再び怪人マスクへと返信したスタンリーは、ティナのいるナイトクラブへ向かったが、ドリアンがいよいよ銀行強盗の決行中だったので、マスクの力でなんなく大金を横取りしてからクラブ入りし、情熱的なダンスでティナを魅了した。

後日、スタンリーはティナを呼び出すと、彼女に「怪人マスクに合わせてあげる」と約束し、ためらいながらも変身して正体を明かした。しかし、銀行強盗の一件で怪人マスクに恨みを抱くドリアンの手によって、仮面は奪われてしまう。

仮面の力を手に入れ、大暴走を始めたドリアンを止めるべく、再びナイトクラブに向かったスタンリーは、マスクのない非力なままでも勇敢にも立ち向かい、愛犬マイロとティナの力を借りてドリアンから仮面を引き剥がした。

この活躍によりドリアンは警察に逮捕され、スタンリーとティナは晴れて結ばれることになった。もはや仮面のちからに頼らなくていいと気づいたスタンリーは、仮面を再び河へ投げ入れ、手放したのだった。

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「マスク」は、アメリカン・コミックスを原作とした1994年の映画です。SFXを駆使した映像技術を用いて、実写とカートゥーンアニメを組み合わせた演出がなされており、特にタイトルにもなっている怪人「マスク」が大暴れする様は、現実的要素と非現実的要素を織り交ぜた、印象に残るインパクトのあるシーンに仕上がっています。

この作品でシナリオライターとしてどこに注目すべきか、というと「マスクの非現実的な特殊能力の数々を現実的なシーンにうまく盛り込んでいる」という点です。

マスクはアカデミー賞の視覚効果賞にもノミネートされていますので、特殊能力の描写に優れていることは言うまでもないのですが、それらはあくまで最終的に完成した映像上のことであって、シナリオの段階では単なる文字情報でしかなかったのですから、そこをうまく記述するには、相応のテクニックが必要です。

シナリオライターと呼ばれる職業は、どんな作品でも文字で執筆できる、と考えられがちで、たしかにそういった万能なシナリオライターが高く評価される部分もありますが、それでも個人ごとに得手不得手はありますし、例えば実写のシナリオライターとアニメのシナリオライターとでは、得意とする執筆内容に大きく違いがあります。

もしかすると、アニメのシナリオライターなら、宇宙も地球も、現実も非現実も執筆できるから、自由で楽だと思われる方も、いるかもしれませんが、非現実な描写や、現実であっても簡単に行き来できない宇宙の描写を、文字だけで人に伝えてイメージさせることは、とても難しく、自由ではあっても決して楽なことではありません。

映画「マスク」。の中では、怪人マスクに変身した主人公はまさに無敵で、銃で撃たれようが爆弾で爆破されようが無傷でピンピンしています。しかし、そんなキャラクターが描かれる世界の、怪人マスク以外の住人たちは、至って普通の人間であり、銃で撃たれれば死ぬし、爆弾が爆発しても死んでしまいます。ギャグ漫画のように、次のシーンで何事もなく生きていたりはしないのです。

作中では、必ずしも銃や爆弾のような派手で攻撃的な手段に限らず、さまざまな力を発揮してピンチをくぐり抜けるシーンがあり、中には「歌と踊りでその場にいる人間を楽しくさせてしまい、集まった警官たちすらもダンスに興じてしまう」なんてこともあって、あえて現実的な描写手段も絡めるなどして、違和感を抱かせない工夫が見られます。

昨今、CG技術の発達によって、映画「マスク」が制作された時代よりも、非現実的な要素を描写することが容易になっている時代ではありますが、安易にそういった要素をシナリオに記述しても、効果的には機能しません。

シナリオライターを目指す人であれば、映画「マスク」を見て、どんなタイミングで、何度くらい、どのくらいの長さで、非現実てきな要素のシーンを用いているか調べるだけでも、かなり勉強になると思います。是非一度見てみてください。

(文責:兼松祥央)

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