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昨今話題のデジタル教科書

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デジタル教科書という言葉を皆さんは良く耳にしませんか。今年になって、にわかに、このデジタル教科書が話題になっています。



この機運の盛り上がりの背景の一つには、政府や民間の動きがあります。昨年末に、前総務大臣の原口大臣が発表した「原口ビジョン」の中で、2015年までにデジタル教科書を全小中学生に配備することが提唱されました。この政府の方針に並行して、民間では、産学協同のコンソーシアム「デジタル教科書教材協議会(DiTT)」が設立さました。設立シンポジウムでは発起人の一人の孫正義ソフトバンク社長が講演を行い、教育の変革のためにデジタル教科書を速やかに普及させ、新しい教育方法を確立することの必要性を強調しました。





さらに、背景の二つ目として、この教科書の実現を可能にするようなタブレットマシンの登場、とりわけアップル社のiPadの急速な浸透があげられると思います。タブレットマシンは、薄型の平らな板状のコンピュータで、携帯性に優れています。また、操作は画面上を指でタッチして行うきわめて直観的な仕様となっていることが大きな魅力です。「本」感覚で持って出て、電車のなかでも気軽に「立ち読み」もできると思わせる代物で、これなら教科書としても使えると素直に実感できる端末です。



私が松永先生や飯沼先生と協力して運営している卒業研究プロジェクトのインストラクショナルメディア・プロジェクトは、ICTによる学習支援をテーマにコンテンツやシステムを考案することが主なアクティビティーですが、今年すでにiPad上での閲覧を想定した電子絵本や電子教材の開発が始まっています。来年以降はデジタル教科書も重要なテーマの一つになると思います。もしこのタイプの教科書を今後制作するとしたらこんな風にしたいといういくつかのポイントを以下に挙げておきたいと思います。



1.既存の教科書メディアを超えた個人学習の支援: まず、教科書単体として何ができるかを想像してみます。当然、音声、動画等による学習支援、すぐに解答や解説がかえってくる練習問題やすぐに採点結果が出る模擬試験問題などの機能や教科書にノートを書き込んだり、様々な種類の線を引いたり、しおりをはさんでおく機能が必要です。また、教科書に自分で加筆をしたり、不要な部分を削除したり、順序を変更したりといった編集機能を活用して、自分だけのパーソナル教科書を作る機能もあるといいと思います。また、どの教科書のどのページをいつどのくらい閲覧したかといった履歴情報を参照できるといいかもしれません。



2.ネットワークの端末としての学習支援: これからの教科書は、単体としてよりもむしろ、別の端末と連携したり、ネットワーク上のやコンテンツやシステムと連動することで、その真価を発揮するものと確信します。ここにどの位面白い工夫を実現できるかが勝負です。まず、教室のほかの学友や先生との共同作業を支援する機能が、盛りだくさんに用意されているといいですね。電子黒板上に各人の作業状況や作業結果などを送信したり、逆に、ひとつの電子黒板やモニタをクラスの仲間と共有して、各端末から共同で問題を解いたり、作品を制作したりできる共有機能は不可欠でしょう。次に、デジタル教科書を用いた授業での教授活動や学習活動の支援を考えると、たとえば、先生が25ページの15行目を見てほしいと思えば、クラス全員の教科書が自動的にその箇所に移動したり、あるグラフや図を見せたいときには先生から指定するとそこが拡大したり動きだしたり、さらには、先生がアンダーラインを引いたり、指さすと、それに対応した動きがそれぞれの端末でおきたりする、同期機能があれば授業の効果は倍増でしょう。また、各人の教科書への書き込みや線引きを含めた詳細な学習履歴をサーバに保管する記録機能があれば、ほかの学友や過去の先輩たちの教科書への書き込みを閲覧し、自身の学習と他者の学習とを比較して、自身の学習を意識的に振り返ることの促しとなるでしょう。一方、先生サイドでは、担当している児童や生徒の学習の進捗状況を多角的に把握し、解析して、次の授業に活用することもできると思います。



上にあげたのは、想定される機能のほんの一例です。むしろ、若い皆さんなら、もっと面白い仕掛けや創意にあふれた使用方法を着想できるはずです。デジタル教科書、さらにはバーチャル教室といった先進的メディアの将来に思いを馳せ、大いに意見を交換していきましょう。皆さんからの提案を心待ちにしています!!

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