Twitterというメディア(2):リツイートの効用
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Twitterの最大の特徴はリツイート(retweet)機能であろう。リツイートする/されることにより、つぶやきは単なる独り言ではなくなり、その情報が広範囲に伝搬していくのである。この機能があったからこそ、Twitterはここまで流行ったと言っても過言ではない。
さて、基本的なTwitterでのつぶやきの見え方について前回書いたとおりだ。基本的に、Twitterにログインした時に見ることができる各自のタイムラインに表示される物は、自分がつぶやいたものと、自分がフォローしている人がつぶやいた物が表示される。
しかし、たまに自分がフォローしていない人のつぶやきが、自分のタイムラインに現ることに気がつくかもしれない。これがリツイートされた結果である。よく見てみると、つぶやいた人のユーザ名の横に、矢印がループしているマークがありそのさらに右側に「〜〜〜から」とかかれている。この「〜〜〜」の部分には自分がフォローしている人のユーザ名が出ているはずである。
簡単に言ってしまえば、リツイートとは、誰かがつぶやいた内容を別のユーザが再びつぶやくことである。ただし、Twitter本体に実装されている公式リツイート機能を使うと、そのつぶやきは元の人がつぶやいているかのごとく他の人に伝わる。このため、知らない人のつぶやきが突然現れたように見えるのである。図5はtut_mediaがつぶやいた内容をユーザFがリツイートした状況を示している。
tut_mediaのことをフォローしていない、ユーザBのタイムラインに、tut_mediaのつぶやきが出てくる。しかも、これは、ユーザFのつぶやきとしてではなく、tut_mediaのつぶやきとして出てくる(よく見れば、ユーザFがリツイートしたことは分かる)。
また、リツイートされて自分のタイムラインに出てきたつぶやきをさらにリツイートすることも可能である(図6)。元のユーザをフォローしている必要はない。この図では、ユーザFがリツイートすることによってユーザBに見えるようになったtut_mediaのつぶやきをユーザBがさらにリツイートすることによって、ユーザCにもtut_mediaのつぶやきが見えるようになっている。
このように、おもしろいと思われたつぶやきが次々とリツイートされていくことによって、口コミ的に情報が伝わるのである。また、よくリツイートされてくる記事があれば、ユーザはそのうち、直接フォローするようになるかもしれない。図で言えばユーザCが直接tut_mediaをフォローすることになるきっかけがユーザF、ユーザBによって作られることになる。
さて、ここまでで何度か「公式」という表現を使ってきたが、公式なリツイート機能以外に、非公式な物もある。これにはユーザが自発的に行う場合と、Twitter専用クライアントの機能による場合がある。
自分がフォローしている人の中に、RTあるいはQTという文字列をつけてつぶやいているのを見たことがあるかもしれない。これは、それぞれReTweet、QuatedTweetの略である。単にリツイートしたいだけでなく、もとのつぶやきにコメントをつけたい場合に使われ、引用付きリツイートとも呼ばれる。非公式リツイートは、つぶやいたユーザのつぶやきとして、フォロワーのタイムラインに出現する(図7)。
これらのリツイート機能を踏まえた上えで、あらゆるつぶやきは、つぶやいた本人のフォロワーだけが読んでいるわけでは無いことに注意したい。どこで誰が読んでいるかは分からない(よくSNSにあるような誰が読んだか分かる足跡機能はTwitterにはない)。
また、リツイート以外からでも、そのつぶやきを見ている場合もある。検索によってつぶやきにたどり着くことがあるからだ。ただし、Twitter本体の検索機能は、速度優先のためか、それほど強力ではない。このため、つぶやきに含まれる単語を検索語として用いても、つぶやき自体が見つからない場合もある。
Twitter内の内容を検索する場合でも、Googleを使った方が効率的に検索できる。Googleにはアップデート検索という機能があり、これによりTwitter内のつぶやきをTwitter自体の検索よりも効果的に見つけることができる。Googleで検索を普通にかけた後、左側にある「もっと見る」をクリックすると、したに、特殊な検索が選べるようになり、ここから「アップデート」を選ぶと、Twitterからの検索が出きるようになる。
Twitterの検索を便利にする仕組みとして、ハッシュタグというものがあるが、これはまたの機会に紹介しよう。
次回以降の予定内容:
Twitterというメディア(3):ハッシュタグとリストの効果
Twitterというメディア(4):まとめサイトと炎上と黒歴史
Twitterというメディア(5):どのようにTwitterを利用するか
追記:本ブログの各記事の下にある「ツイート」「リツイート」ボタンはtweetmeme.comのサービスを通して行われる非公式リツイートである。
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