メディアとしての身体、そして、ダンス
2010年12月21日 (火) 投稿者: media_staff
思いを伝えるメディアとして、皆さんは、なにをお使いになりますか。
メール、会話、手紙、など、いろいろだと思います。
きょうは、思いを伝えるメディアとしての身体について書きたいと
思います。人は、思いを伝えるとき、どんなしぐさをするでしょうか。
言葉にしなくても、動作だけで思いは伝えることができます。
そうした動作を芸術的に発展させると、ダンスになります。
ダンスは最古の芸術といわれています。そもそも、神様にささげられ
たものでした。神様への感謝、願いなどが、ダンスに託されていたの
です。
現在でも、そうした、神様にささげるダンスはあります。が,ここ
では、主に、バレエについて書きたいと思います。バレエは、
ヨーロッパで生まれ、ロシアで発展し、現在では世界各地で踊られて
いるダンスです。
バレエといわれて、みなさんは、なにを連想なさいますか。
トウシューズ、白鳥の湖、などでしょうか。そうしたバレエは
クラシックバレエと呼ばれています。厳格なメソッド、訓練に
基づいて、正確で華麗な踊りが展開します。ストーリーとしては、
王子さまと王女さまのおとぎばなしといった、たわいのないものが
よく使われています。
これに対して、現代の振付家が新たに創作したバレエを、
モダンバレエと呼びます。モダンバレエでは、クラシックバレエの
メソッドに基づきながら、より自由な振り付け、表現が行われます。
モダンバレエではあまりおとぎばなしは使われません。現代人に
とって切実なテーマが選ばれます。むくわれない愛情、他者との
あつれき、圧政と抵抗運動、病気や死、環境破壊など、いろいろな
物語が展開するのです。それが、ダンサーの身体というメディアを
通じて観客に提示されます。非常に美しい音楽とステップ、
フォーメーションによって。
モダンバレエをみたことがないかたは、そんな、現代的なテーマが
バレエになるのかと疑問に思われるかもしれません。
しかし、なるのです。しかも、非常に美しく、おもしろいかたちで。
また、バレエによるコミュニケーションには、言葉の壁はありま
せん。つまり、ロシア人やフランス人や、その他の国のダンサーが、
なにをいいたいか、ロシア語やフランス語がわからなくても、わかるの
です。
ここまでお読みになって、バレエに興味をお持ちになったかたは、
ぜひ、劇場へおいでください。新しいメディアとコミュニケーションに
出会えることでしょう。
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