卒業研究紹介~ビブラートはいくつまで数えられるか?
2011年2月25日 (金) 投稿者: media_staff
ビブラートは音の高さを周期的に変化させる唱法あるいは奏法です。豊かな響きとなるので歌唱やバイオリンなど音の高さを連続的に変化できる場合によく用いられます。歌唱の場合、1秒間に6~10回程度声の高さが3%くらい変化します。さて、私たちの耳はビブラートで音の高さが変化していることを聞き取れるわけですが、1秒間に30回も音の高さの変化があるとSF映画のビヨヨヨという光線銃の音のようになってしまって個々の音の高さの変化を聞き取れなくなってしまいます。そこで、東京工科大学の視聴覚心理とディジタル効果音卒業研究プロジェクトでは、ビブラートが聞き取れる限界を調べてみました。そうすると、周期が160ミリ秒(0.16秒)以上あれば、何回でもビブラート回数を聞き取れますが、周期が80ミリ秒(0.08秒)以下ではビブラート回数の聞き取りが悪くなることがわかりました。しかし、面白いことに2回まではかなり速い変化でも聞き取れるのです。なぜでしょうね?