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700年前のビジネス書

2011年6月 1日 (水) 投稿者: media_staff










メディア学部で、映像コンテンツの授業を担当している佐々木です。こんにちは。このところ、700年も前に書かれた「徒然草」を読み返しています。自分が年をとったせいか、作者吉田兼好との距離が年々近くなってきた気がするのです。


「枕草子」などと並んで日本最古のブログとも言われる随筆「徒然草」ですが、見方によっては現代のビジネス啓蒙書と考えても何の違和感もないのです。宮仕えのサラリーマンの悲哀とか、変わったキャラの人の話とかも出てきます。男女問題とか、死生観だとか、今も昔も変わらない人間模様を、するどく風刺する文章は、時にするどく、そして時に暖かい。


昨日も、こんなはっとさせられる話を見つけました。この段を呼んでいると、なんだか、自分のお祖父さんに叱られているような、気がしてきます。


徒然草・第188段より



<あるひとが、我が子に「法師となって学問して説教で生計を立てるように」と言ったそうです。その子は親の言いつけどおり説教師になるために、まず乗馬を習いました。(馬で招待された時のため)その次には法事のあとで酒などを進められたとき、芸がないのは興ざめなので歌を習いました。やがてその歌も玄人の域に近づいたそうです。しかし、その間、説教を勉強するはずの時間もないまま、ついに年を取ってしまいました。



若い間は、あらゆる分野に関して大成し、また芸能も習得し学問もしようと、遠大な計画を心に抱くものです。ところが、その一方で自分の人生は先が長いと、のんきに考え、なすべきことを怠り、目の前の雑事にばかり気を取られて月日を送ってしまうのが人間。だから何一つ達成できたもののないまま、年老いてしまう。だから、やると決めたことはためらわずにどんどんやるべきだ。>



うわー。



私なんかもう、52歳です。もう若くもないので、なおさら頑張らなくちゃいけませんね。雑用にとりまぎれて、言い訳しているうちに時間ばかりが過ぎていくようではいけませんね。兼好先生の、言うとおり。反省反省。さっそく頑張っていきたいと思います。



そう言えば、映画監督の巨匠ハワード・ホースも、このように言っていました。



「すぐやれ。自分でやれ。徹底的にやれ」。



これから、前途洋々たる、メディア学部の学生のみなさん、一日一日を大切に充実させて、自分の夢を実現してくださいね。やると決めた勉強、研究はどんどんやりましょうね。今日から6月。新しい気持ちでトライしましょう。



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