オープンキャンパスで水口哲也氏と対談「未来のゲームはどこに向かうのか?」
2011年6月22日 (水) 投稿者: media_staff
佐々木先生の記事にあるように,6月26日のオープンキャンパスに知人であるキューエンタテインメント(株)の水口哲也さんが来訪されます.私はその対談役を仰せつかっています.
水口さんとの出会いは今年のGlobal Game Jamという世界同時開催の48時間ゲーム開発プロジェクト.東京工科大学でも私がオーガナイザーになり,会場の一つとして東京工科大学会場を運営しました.このイベントの様子は,ご存じ東京工科大学のUstream放送サークルBanyakの協力を得て全世界に向けて放送していました.その様子を見た水口さんが,もともと取材予定だったNHKのチームとともに,」「世界ゲーム革命」の番組取材として急きょ現場に行きたいということでお会いしました.
私と話す中で,未来のゲームの考え方やそれ向けた人材育成の方針などに,非常に賛同いただき,それから様々な交流がスタートして今日に至っています.
そんな水口さんを迎えて「未来のゲームはどこに向かうのか?」という題材で対談することは非常にわくわくする出来事です.
ビデオゲームの歴史といってもどれを起源と考えるかは諸説あります.米国の研究者により生み出され,インベーダゲームなどのアーケードゲームがブームになり,そして大ヒット家庭用ゲーム機である任天堂のファミコンの誕生を迎えます.今日に至るまで,アーケードゲームや家庭用ゲーム機は進化の一途をたどってきました.コンピュータの処理能力の向上により表現力は飛躍的に高まり,それに伴いゲームの表現も高度化しました.アーケードゲームは新しい筺体が出るたびにまさに進化しました.家庭用ゲーム機は数世代の進化を遂げ,ポータブルゲーム機も生み出され数世代にわたり進化を続けました.
これらの進化の間,日本は常に「主役」でした.しかし2006年ごろから世界のゲーム市場の勢力図が徐々に変わった来ました.欧米のゲーム開発会社は多くの経験や知識をつぎ込み高性能なゲームエンジンを開発,発展させてきました.極端に高度化したHD環境のゲーム開発において,短期間で品質の高いゲームが作れるということで広く海外で利用されるようになりました.もちろん,表現力の独自性などでは日本のゲームに一日の長があることも多いです.しかしハリウッドなど高度なCG映像制作技術を背後にもつ欧米にもその部分には一日の長があります.かくしてハイエンドなゲーム開発は,欧米の徹底的な攻勢の前に厳しい状況があるといえます.しかし,日本の独自性は大きな武器であり,それらを駆使した新しいゲームに日本の未来があるともいえます.
一方,スマートフォンやソーシャルネットワークを媒体にしたゲーム開発も大きなうねりとなりました.ここでも,日本は独自の携帯文化があったために,世界の流れとは異なった潮流を迎えました.90年代から00年代にかけて世界を席巻したケータイ技術は黒船アップルとAndoroidの手により様変わりしました.日本でもソーシャルゲームやスマートフォン向けのゲームを主力に開発,サービスする会社が台頭し株式市場に上場するようになりました.
こんな中で,アーケードゲームから,家庭用ゲーム機さらに最新のデバイスである「Kinect」とあらゆるプラットフォームでゲームを開発してきた水口さんと「未来のゲーム」についてお話しするのは光栄以外の何物でもありません.その場に参加できる皆さんは,きっと大いなるメッセージを受け取ると思います.
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