勢いに乗ずる
2011年7月 2日 (土) 投稿者: media_staff
智慧ありといえども勢いに乗ずるに如かず
6月30日(水)の産經新聞朝刊「産経抄」で、ある話を知りました。昭和7年の1月場所の直前におきた、相撲協会の大異変のことです。これが、希代の大横綱「双葉山」を生むきっかけになったというのです。
力士の待遇改善を訴えて、天竜や大ノ里といった力士が、相撲協会に反旗をひるがえした。彼らが立て籠った、中華料理店の名前「春秋園」から「春秋園事件」と言われているそうです。この「反乱力士」の要望は、結局受け入れられる事もなく、双方の交渉は決裂。結果、大半の有力力士が、相撲協会を脱退することになりました。
この直後に強行された1月場所の番付は、残留力士をかき集めた「つぎはぎ」番付だった。当時新十両だった「双葉山」は、これで突然に幕内に繰り上げとなった。スタッッフの集団解雇による異例の大出世。これをきっかけに、双葉山は強い上位力士にもまれながら、大横綱へと成長をとげていきます。この「異変」を大チャンスととらえて大出世をしたわけですね。
今年の名古屋場所の番付。ちょうどこの時と同様に、異例な「つぎはぎ」だらけだそうです。八百長問題で数多くの力士が消えたのは悲しい事です。しかし代わりに5人が十両から幕内に、13人が幕下から十両へ昇進したそうです。辛酸をなめた力士がいる一方で、ひとつのチャンスを手にした若手力士がいる。世紀の大横綱、双葉山がそうだったように、これから、この「新しい流れ」を自分のものとして活躍する力士が現れるのかもしれません。
今年もきびしさが続く経済産業界。就職活動に苦戦する学生さんも全国的に多いようです。しかし、いつかこのような「チャンス」が到来しないとも限りません。良い意味で、大きく将来を変えて行くような「異変」や「チャンス」が、いつかやってきます。あるいは、ひとつひとつの企業をよく見れば、このような「チャンス」は既に起こっているのかもしれませんね。就職活動に望む学生さんには、なにかこうした「新しい流れ」を待ち、あるいは見つけてほしい。そしてうまいタイミングで、自分にあった良い仕事を勝ち取ってほしいと思います。
冒頭の言葉は、「孟子」の「公孫丑篇(こうそんちゅうへん)」にある言葉です。
< 智慧ありといえども勢いに乗ずるに如かず >
素晴らしい知恵があったとしても、勢いに乗ずるほうが優っている。ねばりづよくチャンスを待ち、チャンス到来と見るや、一気にたたみかけていく、これが成功のコツなのです。就職活動中のみなさんも、良い機会も見逃さず、粘り強くねらって、大きなチャンスをつかみましょう。
東京工科大学では、就職戦線に関する詳細な情報を集めて、学生に紹介してくれる「キャリア・サポートセンター(キャリサポ)」があります。今年からは、さらに新しく「就職支援サービスシステム」も稼働開始。ちいさな変化が大きなチャンスにつながるのが就職活動です。ぜひ、キャリサポと支援システムを多いに活用してください。
「在学生向け」カテゴリの記事
- チュラロンコン大学からのインターン学生との再会(2019.03.14)
- あにめたまご2019「文化庁若手アニメータ等人材育成事業」(2019.03.12)
- タイの提携校、キンモンクット大学トンブリに短期訪問しませんか?(2019.03.11)
- 学会紹介:ADADA Japan学術大会と情報処理学会EC2019(2019.03.09)
- 大学院授業:プロシージャルアニメーション特論の紹介(2019.03.08)
「社会」カテゴリの記事
- あにめたまご2019「文化庁若手アニメータ等人材育成事業」(2019.03.12)
- ランニングマシンもインタラクティブな時代に(2019.03.02)
- 「2018年の日本の広告費」発表。インターネット広告費は5年連続で2ケタ成長!(メディア学部 藤崎実)(2019.03.01)
- メディア学部植前尚貴さんが「八王子学生CMコンテスト」で最優秀賞。受賞式レポート!(メディア学部 藤崎実)(2019.02.15)
- 軽部学長とともにメディア学部植前尚貴くんが大学コンソーシアム八王子主催設立10週年記念シンポジウムに参加(2019.02.08)
「雑感」カテゴリの記事
- ランニングマシンもインタラクティブな時代に(2019.03.02)
- 映画鑑賞(2019.02.21)
- 転ばぬ先の....(2019.02.19)
- 論文を書くためのソフトウェア(2019.02.18)
- 3学年合同で最終発表してみた(2019.02.17)