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東北支援EAST LOOP、LOVE&SENSEフェアトレード 株式会社福市 代表取締役  高津玉枝氏が「社会問題とメディア」で講演

2012年6月12日 (火) 投稿者: media_staff

2012年6月8日に東京工科大学メディア学部の講義「社会問題とメディア」で発展途上国の手作りの品を適正な価格で取引する、フェアトレード商品を取り扱う会社「福市(ふくいち)」の代表取締役である高津玉枝氏による講演が行われた。



講演ではフェアトレードや、東日本大震災支援プロジェクトの話しをされた。グローバル化により、よりよい商品をより安く求めることが可能になった一方で、南北格差、環境、貧困など問題は広がっている。貨幣経済の普及により、発展途上国の村では自給自足の生活を営むことが困難になることが多い。高津氏は、現金を得て貧困から抜け出すために、子供の人身売買を行っていた村など様々なケースを見てきた。豊かさが当たり前になってしまった私達の生活は、知らず知らずに誰かに負担をかけているのかもしれない、そんな疑問を持つようになると、何か出来ることをしたいと強く思うようになった。そんな思いでフェアトレードを中心とした商品を扱う会社「福市」を設立。LOVE&SENSEというブランドも立ち上げ、今では大手百貨店で商品を出荷するまでになった。



そんな中、東日本大震災が起こる。高津氏は4月には被災地に入った。しごとを通じて人としての尊厳を取り戻してほしい、少しでも被災者が自分で働いて得たお金を手にすることが出来る場を提供したいと考え、復興支援プロジェクトEAST LOOPを始動した。女性たちが編み物の手芸品をつくり商品として売るというプロジェクトだ。被災者の手芸品を買うと、代金の半分が作り手の収入になる。プロジェクトを立ち上げた時は、様々な非難も浴びた。被災地での課題は途上国での課題と同じだと考える高津氏の考えに、反発した人もいた。しかしプロジェクトが軌道に乗るとFacebookなどソーシャルメディアでプロジェクトの評判が立ち、主要メディアにも取り上げられるようにもなる。現在、EAST LOOPの商品によって被災者の人たちに、もたらされた金額は1500万円以上になった。2012年1月に経済産業省のソーシャルビジネス・ケースブックに紹介されるまでに発展し、6月には平成24年度「東日本大震災復興ソーシャルビジネス創出促進事業費補助金(ソーシャルビジネスノウハウ移転・支援事業)」の採択が決定した。



講演後、学生からは、「フェアトレードの目指す理想とは何なのでしょうか?」などと言った質問があがった。高津氏は「資本主義の限界を感じますし、環境問題を含めて課題はたくさんありますが、第一ステージとしてフェアトレードの存在や社会の問題をより多くの人に知ってもらうことから始めるのが、私の使命だと思っています。」と答えて下さった。







講義紹介ビデオ



*本ビデオは東京工科大学で開発されたPVCTを活用しています。



高津玉枝 (たかつ たまえ)株式会社福市 代表取締役



90年代半ばに安いものばかり消費されることに疑問を感じる。フェアトレードの概念に出会う。2000年にインドのフェアトレード生産者の団体を訪問。オックスファムのフェアトレード商品に出会う。日本にもオックスファムを設立したく活動を開始、2003年オックスファムジャパンを立ち上げに寄与。現在理事。2006年11月フェアトレードを中心とした事業を行う会社 株式会社福市を設立。2008年表参道ヒルズにてフェアトレードのセレクトショップ「LOVE&SENSE」を展開。2010年 伊勢丹新宿店、高島屋大阪店イベントスペースにて出店。2011年フェアトレードの考えで復興支援プロジェクトEAST LOOPを立ち上げる。2011年7月より百貨店などで被災地の人たちが作った手編みのハートのブローチの販売スタート。



東日本大震災支援プロジェクトEAST LOOP



http://www.facebook.com/EASTLOOP



http://www.east-loop.jp/



 



Love&Sense



http://www.love-sense.jp/



 



 

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