« とってもユニークな「リアルRPG卒研室説明会」を次世代ゲーミフィケーション研究室が開催! | トップページ | スラバヤ工科大学博士課程学生の4か月間の研究交流 »

大学院メディアサイエンス専攻特別講義: 手塚眞客員教授の講演「日本のアニメ制作と将来」

|

 大学院メディアサイエンス専攻特別講義で、手塚眞先生に次のように「日本のアニメ制作と将来」と題して、日本のアニメの制作に関係する技術と考え方を、具体的な画像やアニメを使って紹介していただきました。

Tezuka

Img_2080

まずはじめに「表現」において「知性」と「感情」の大切さと、「表現のためのテクニック」における「技術」と「演出」の大切さについて説明されました。このために、誇張と省略が大切であることについても強調されました。

Tezuka2

つぎに、日本のアニメの特徴や、テレビにおけるアニメの制作のためにできるだけ少ないコマ数で表現して、効率的な表現を開発したことを黒板に説明の図を描きながら紹介していただきました。「1秒間に24枚も描くことから2枚でも動いて見せる工夫が行われ、これが日本のアニメの特徴の一つにもなり、リミテッドアニメとして呼ばれるようになりました。50年前に鉄腕アトムが放映されたとき、すこし動きがぎこちないという技術でもわくわくできる演出があったのです。
たとえば、アトムの体は動かなくても、周りにピカピカした様子をいれることによってアトムは驚いたようにみえます。さらに、音もつくと一段と驚いたように感じます。 このようにサウンド効果や音楽はとても大切であることが分かります」と話されました。

Img_2075

また、「背景を動かすことによって、動きを効果的に迫力を表すことができます」と説明していただきながら、黒板に
説明の図を描いて示していただきました。巧みに動かすということから、動かさなくても人に伝えることができるようになり、演出技術が巧みになってきたことが日本のアニメの特質であることが分かりました。
Img_2076
このような技術は海外から見たときに遅れてしまったものかどうかにもついて話をしていただきました。
「現在放映されている「かぐや姫」のアニメでは、背景などが省略されており、単純化した表現になっており、その場面を伝えやすくなっています。これは、日本の昔の手法を利用した原点帰りのこころみであり、ディジタルを感じさせない挑戦でもあります。」
また、このようなアニメの制作方法についても触れられました。「日本のアニメの多くは、マンガの原作があります。そこには誇張と省略の表現がたくさん使われており、ある意味、記号に近いようなこともあります。たとえば、驚いたようにするには、額に汗を描くというようなことも行われます。」 このような話をしながら、黒板に「汗」を描きつつ、「アトムはロボットだから本当は汗はかきませんが」などと話され、学生たちを笑わせていました。
このような話に続いて、「どこまで顔を単純化できるか?」ということについて説明されました。「スマイリーフェイス」の口の線の違いで、笑顔、怒った顔など表現できることを示していただきました。このような単純なものでも感情表現ができるということで、履修者にも描いてもらうことをしました。教員2名も一緒に書いてみましたが、手塚先生いわく「先生方が一番ダメだ。」という辛口のコメントをいただいてしまいました。
最後に学生から質問に対して、次のようにアニメの未来についてコメントをしていただきました。
「映画館でも興行成績はアニメがいいという現状です。日本には日本の表現があるので、効果的に演出することが大切です。いままで、出版社、テレビ局、メーカー、プロダクションが出資して一緒にアニメを作っってきました。それによってアニメのマーケットが育ってきました。
漫画の原作を抜きにして、新たにオリジナルとしてアニメの制作をすることができる時代になってきています。
マンガで扱っている分野はさまざまですが、いまのアニメの分野はファンタジーが多いです。これからは物語の内容を広げていく時代であり、若い皆さんが、可能性を試せるときであると思います。」
さらに、特別講演のあとに、メディア専門演習の履修者が制作中の映像に対して、コメントをいただくことができました。学部学生にとって、たいへん貴重な時間になりました。今後の制作へのアドバイスをたくさんいただきましたので、1月には完成版の映像を発表する機会を作りたいと考えています。

Img_2083

Img_2085

■メディアサイエンス専攻 特別講義の実施状況と今後の計画
■第1回 10 月 18 日
講  師:美馬秀樹 東京大学大学院工学系研究科 特任准教授
講義タイトル:知の構造化、見える化とビッグデータ・アナリティクス
■第2回  11 月 22 日
講 師: 岡本拓也 氏
(ソーシャルベンチャーパートナーズ東京 代表、NPO 法人カタリバ理事兼事 務局長)
講義タイトル:
「創発的なコミュニティの力で社会課題の解決に挑む?対話とコラボレーションが生み出す新たな価値?」
■第 3 回 11 月 29 日
講   師:   加藤綾子氏   東京大学大学院情報学環助教
講義タイトル:進化・変動するレコード産業をいかに実証的に捉えるか
■第 4 回  開講日:12 月 6 日
講  師:  高津玉枝 氏 フェアトレード会社代表取締役
■第 5 回 12月13日
講  師:本学客員教授  手塚眞 氏   ヴィジュアリスト  ネオンテトラ代表取締役
講義タイトル:アニメ制作の現状・キャラクター制作について
■第 6 回  1月20日開講予定
講  師:本学客員教授  手塚眞 氏  ヴィジュアリスト  ネオンテトラ代表取締役
■第7 回  日程調整中
講  師:本学大学院客員教授 西田 友是氏 (東京大学名誉教授、広島修道大学、UEIリサーチ所長)

授業紹介」カテゴリの記事

« とってもユニークな「リアルRPG卒研室説明会」を次世代ゲーミフィケーション研究室が開催! | トップページ | スラバヤ工科大学博士課程学生の4か月間の研究交流 »