おもしろメディア学 第6話 サッカーの目に見えない情報を可視化すると?
2014年6月20日 (金) 投稿者: media_staff
現在,世界中で大いに盛り上がっているサッカーW杯.皆さんの中にも,眠い目を擦りながら観戦しているという人も多いのではないでしょうか?
さてこのサッカーというスポーツは,近年特に選手の体力面での強化とスピードアップ化,さらには戦術の複雑さなどが絡み合い,絶え間なくボールが動き,スリリングな展開が多くなった反面,“デコイラン”などのスペースを作るための動きや,テレビカメラには映らないようなところでの選手間の駆け引きなど,一見しただけでは分かりにくい事が多くなったのも事実だと思います.
そこで,このような「目には見えない情報」を可視化する最新技術が,サッカー観戦の分野にも登場し始めています.そのひとつが,「MESSI」(メッシ http://ascii.jp/elem/000/000/905/905021/ )です.まさに,あの有名な選手の名前ですね(笑).「メッシ」は「Monitoring
Evolution with Soccer Satnav Innovation」(M.E.S.S.I.)の略で,イタリアのベンチャー企業が開発したサッカー選手のモニタリングサービスです.この技術をさらに拡張し,スマートフォンなどで誰もが手軽に選手の動きやその軌跡などをリアルタイムで観察できるようになれば,誰もがサッカーチームの監督や解説者になれる日が来るかもしれませんね.
サッカーの「目には見えない情報」を可視化しているもうひとつの例は,このサイト(http://data.huffingtonpost.com/2014/world-cup-japan)に示されているような「インフォグラフィックス」です.「インフォグラフィックス」とは,グラフ,マップ,チャート,図説,および表組みなどの形式で情報をビジュアル化し,見る人にわかりやすく伝えようとする情報表現手法のひとつです.伝えたい情報を,事細かに,正確に,そして丁寧に伝えようとすると,かえってまったく見る気のしない堅苦しいビジュアルに仕上がることがよくありますが,”これはなんだろう?””なんか面白そう”と見る側に身近に感じてもらえるための「魅力的な情報の可視化・イラスト化」に関するデザイン手法を検討することで,とても魅力的なグラフィック作品となることもあります.
メディア学部では,上記のような最新技術を授業で学び,研究活動として開発する機会に恵まれています.
スマートフォンやタブレット端末でのアプリ開発に関しては,「プロジェクト演習Creative Application」という授業でしっかり学び,開発プロセスを体験します(http://blog.media.teu.ac.jp/2014/06/creative-applic.html).
また,1年次後期科目「視覚情報デザインの基礎」では,インフォグラフィックスを制作するためのグラフィックデザインの基礎や制作プロセスに関して学び,4年生の研究プロジェクトにおいては,さらにデザイン工学的にインフォグラフィックスを分析・制作していきます(インフォグラフィックスに関しては,次のサイトに概要をまとめています
人間生活の様々な場面に深く関わりを持つ「メディア学・メディア技術」に興味を持ったら,是非東京工科大学メディア学部に見学に来てください.
(菊池 司)
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