「すべてはゲームになる 人生をゲームデザインしよう!」 第7回 メディアサイエンス専攻 大学院特別講義
2014年7月13日 (日) 投稿者: コンテンツ創作コース
2014年7月11日に「すべてはゲームになる 人生をゲームデザインしよう!」と題して、簗瀨洋平氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン リード・ゲームデザイン・リサーチャー)に大学院特別講義をしていただきました。
簗瀨さんは、ソニー・コンピューターエンタテインメント、ゲームリパブリック、スクウェア・エニックスなどを経てユニティ・テクノロジーズジャパンに在籍しています。長年ハイエンドゲームの開発に携わってきています。代表的な参加プロジェクトは「ワンダと巨像」「FolksSoul」「魔人と失われた王国」などです。現在はHCI(ヒューマン・コンピューター・インタラクション)やVRなどの分野で研究を行っています。「誰でも神プレイできるシューティングゲーム」でWISS2013対話発表賞を受賞しています。
事前にお送りいただいた講演概要は次の通りです。
「ゲームってなんでしょう?ゲームは面白いインタラクティブコンテンツですが「面白い」ものは世の中にたくさんありますよね。他のインタラクティブコンテンツとはどう違うでしょう?
おもちゃとゲームはどう違うと思いますか? そんな基本的な話から始め、・何がゲームをゲームとして成り立たせるか?・「面白い」の段階・現実を面白くする・専門をゲームに活かすなどの話をしていきます。」
まず、自己紹介などから、今の仕事のひとつに「hiyoshi‐jump」を紹介していただいた。
https://www.youtube.com/watch?v=SQ2tCMXOd_w
講義内容の概要は、次のようでした。
(1)おもちゃとゲームの違い
ロジェ・カイヨワ著「遊びと人間」には「遊びとは何か」が書いてあると紹介があり、「遊び」について考えるきっかけとして、ボールを一つ取り出して、「これを使った遊びに何があるか」との問い。
「投げる、蹴る、座る、、、、そして、キャッチボール、人を増やす、間に物を入れる、距離を離すなど少し難しい課題になります。人はあそびを通じてクリアできることを考えてチャレンジしています。そしてこれを続けて楽しんでいるのです。遊びを続けるためになんとなくできそうなことを考え、行動し、その行動の結果を確認することを繰りかえしていくことが大切なことです。
学生のコメントその1:遊び、おもちゃ、ゲームの違い? ロジェ・カイヨワ もう一度読むか。
学生のコメントその2:ボール1つでこんなに「遊び」の定義、考えたことなかったな。
(2)ゲームデザインについて
講演中には、Unity Web Player を使って、 PhysicalTruckRaceを体験しながら、そのデザインの工夫や課題などについて、学生の意見や質問を聞きながらお話しいただきました。
学生のゲーム結果:スコア102
(3)デジタルゲームから学べること
デジタルゲームとは、誰でもルールに従い、工夫して目標を目指せるようにコントロールされた遊びと述べられました。このようなデジタルゲームから学べることについて説明が行われました。
1.分かりやすいインタフェース,2.自然なチュートリアル、3.人を楽しませる、驚かせる仕組みがたいせつであることを応用例「誰でも神プレイできるシューティングゲーム:WISS2013対話発表賞受賞」などを取り上げて明らかにしていただきました。
(4)人生のゲームデザイン
人生のゲームデザインにおける目標は? 効果測定は?、報酬は?を考えてみること、そして、自分の人生を楽しくすることが大切であることを示されました。ボール遊びでもいろいろなルールができるように、遊びにはクリエイティブが大切です。無限のリソース、無限のキャラクター、そして、「自分というターゲットに向けて適切にデザインされたゲームが楽しくないわけがない」と強調されました。
教員のコメント:
実にわかりやすく,奥の深いゲームデザイン講義でした.現在開発中の学生にとっては,重要な知見になったと思います.「リアルな素材がないとゲームは面白く感じない」と思い込んでいる学生に是非聞いてもらいたい講義でした。
執筆:渡辺大地、近藤邦雄
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