おもしろメディア学 第9話 未来を変える教育シリアスゲーム
2014年7月11日 (金) 投稿者: インタラクティブメディアコース
メディア学部教員の岸本好弘です。
東京工科大学メディア学部が他大学に先駆けて「総合ゲーム教育」に取り組み始めて今年で10年目となります。今では世界有数のゲーム教育・研究機関となりました。
その中でも今回は、高校生の皆さんにはあまり馴染みがないかもしれない「シリアスゲーム」について紹介します。
「シリアスゲーム」とは、アクションや謎解きを楽しむだけでなく、何らかの社会問題の解決をテーマとするコンピュータゲームのことです。「社会問題」というと難しそうですが、楽しく遊んでいるうちに数式や英文法が覚えられたら、「ちょっと得した!」と思いませんか? こうした教育分野をはじめ、辛いリハビリをゲームのように楽しく挑戦できるものに変える医療・福祉分野、また公共政策の分野でも欧米には既に多くの事例があり、日本でも今後の展開が期待されています。
それでは、2012年以降私たちが制作した三つのテーマのシリアス教育ゲームを紹介しましょう。
1. 数学的思考力ゲーム
ベネッセ・ホールディングスの「Global Mathプロジェクト」で制作したゲームです。
Global Mathというのは、世界中の数学ゲームを無料でプレイできるウェブ上のプラットフォームで、プロトタイプの段階から参加した私たちは、2012年春に4タイトル、2013年春に6タイトルを制作しました。写真の2作品はいずれもコンテストで高い評価を得たもので、『Block Artist』は右上に表示された図形に合わせてブロックを爆破していく爽快感のあるゲーム、『Paint Paint』は自分のセンスで図形を塗り分けていくアーティスティックなゲームです。でも、どこが「数学ゲーム」なのか? Global Mathでは、単純な計算や数式の暗記ではなく、論理的な思考をゲームのテーマとしているのです。ぜひ試してみてください。
数学的思考力ゲーム①『Block Artist』
数学的思考力ゲーム②『Paint Paint』
↓↓2タイトルとも以下にアクセスするとプレイできます。
http://www2.teu.ac.jp/media/~kishimotoy/gmsgj/sgj/index.html
2. 英語学習ゲーム
2014年2月の「シリアスゲームジャムGame Jam for Happy English」では、《英語学
習》をテーマに5作品を制作しました。このイベントは本学部が主催して株式会社グリーの協力を得て行ったものです。写真の『Riddles in Pieces』(制作:チームRIP)は英文法が学べる脱出アドベンチャーゲームで、謎解きのワクワク感は勿論、美しいグラフィックや軽快なアクションで楽しく遊んでいるうちに英文法の基礎が身につく、素晴らしい学習ゲームに仕上がっています。
英語学習ゲーム『Riddles in Pieces』
↓↓このゲームは以下にアクセスするとプレイできます。
http://www2.teu.ac.jp/media/~kishimotoy/gmsgj/sgj/index.html
3. 宇宙のゲーム
2010年6月に地球に帰還してブームを巻き起こした「はやぶさ」を覚えていますか?
「JAXA OPEN API 2013 Project」に参加した本学部は11のゲームや電子工作を制作しました。これはJAXA(宇宙航空研究開発機構)から直接提供された「はやぶさ」や「小惑星イトカワ」に関するデータを使い、子どもたちに宇宙に関心を持ってもらうため楽しいゲームに仕立てたものです。写真の『イトカワ星人の観察』は小惑星イトカワに住んでいる架空のイトカワ星人の目線に立って、地球から飛んでくる「はやぶさ」の軌道を辿るというダイナミックな発想のゲームです。東京お台場の日本科学未来館で行われたイベントでは、子どもたちは勿論、お父さんお母さん世代からも好評を得ました。
宇宙のゲーム『イトカワ星人の観察』
以上の三つのテーマの作品を含めた本学部制作のゲームを7月21日(祝)オープンキャンパスにて多数展示する予定です。
「研究を通じてゲームの未来を変える」「ゲームの力で未来を変える」
東京工科大学メディア学部のゲーム教育にあなたも触れてみてください。
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