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おもしろメディア学 第8話 「テレビという技術」シリーズ 〜テープは遠くなりにけり・その2〜

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■テープは縮小する■  前回は、テレビ局用VTR第一世代・2インチVTR誕生と小型化のお話をしました。  さて、2インチ小型VTR取材ならまかせてくれと思っていた私ですが、東京に転勤(1981年)したとたん環境ががらっと変わっていました。1インチテープの登場です。

 2インチ小型VTRの欠点は、テープ1巻の収録時間が短いことでした。新しい1インチ小型VTRは、1巻60分です。しかも、2本のリールの配置が絶妙です。いままで、ふたつ並んだリールがVTRの外形寸法を決定していました。それがなんと新型は、2本のリールを二段重ねにし、回転軸は同じ中心軸を2重に利用する形になっているのです。横幅は画期的に小さくなり(ほとんど真四角)、機動性も著しく向上しました。
 ロケスタイルは、台車に乗せたVTRとCCU一体型カメラです。台車には、ロケクルーごとに工夫した手作り棚がセットされ、音声機材も含めコンパクトに収納できます。かくして、ロケ中、周りから奇異の目で見られることも少なくなりました。
 「1インチ最高!」と思ったのもつかの間、ビデオロケの決定打「ベータカム」が登場します。テープ幅は、1/2インチ。かつて家庭用でも使われたベータ規格のカセットハーフ(ケース)を押し込む、「VTR一体型カメラ」です。ここまで来れば、取材の機動性はかつての16ミリフィルムカメラと同等。収録時間は1本20分と短いのですが、カセットを入れ替えるだけなのでカンタンです。(お笑い番組で、盛り上がったところに邪魔が入るギャグのパターン「テープ交換です」というのは、この20分でカセット交換必要から来ています)
 かくして、世界中どこの国でもいかなる秘境でも、ビデオ取材の自由度は拡大しました。これで、「VTRロケの進化も頂点」に達したと安心して取材に走り回るうち、私には天からとんだ「災厄」がふりかかるのです。「ハイビジョン」という名の。1991年のことでした。
 というわけで、次回の話をちょっとだけ予告すると。ハイビジョン初期の番組開発を命じられた私は、上に書いた「そこでまず登場したのが、2インチVTRの小型化です」のあたりから、デジャブのように体験(苦労)を繰り返すことになるのです。では、次回をお楽しみに。
(宇佐美亘)

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