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おもしろメディア学 第24話 音名のはなし【その2】:Aが「アー」でEが「エー」?

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前回の「音名のはなし」で、「ドレミ・・・」がイタリア語であることをお話ししました。日本語と英語による表記についても触れましたが、これらの言語のほかドイツ語もよく用いられます。基礎的な音楽理論や楽譜の読み方・書き方のルールをまとめた「楽典」と呼ばれる本には、音名の説明のところにドイツ語表記が載っています。このドイツ語の音名表記。実は少々やっかいです。それは、イタリア語や日本語、英語と違って、表記の仕方にいくつか例外があるからです。

ドイツ語表記の話に入る前にちょっと確認しましょう。イタリア語表記は皆さんが知っているように、普通に「ドレミ・・・」と読めばOKです。♯や♭の記号にもイタリア語の呼び方があるのですが、日本では「ド♯」「レ♭」と書いて、それぞれ♯と♭の部分を英語読みして「ド - シャープ」「レ - フラット」と呼ぶことが多いようです。日本語表記は前回説明したように「ハニホ・・・」でしたね。♯は「嬰」(えい)、♭は「変」という漢字で表され、これらを前に置いて「嬰ハ」「変ニ」のように表記します。英語表記も文字と記号の組み合わせで「C♯」「D♭」といったように、♯と♭の記号をアルファベットにつければ良いです。

さて、いよいよドイツ語表記を見ていきましょう。最初は、♯も♭もつかない「ドレミ・・・」からです。


                   [表1]音名のドイツ語表記:幹音

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上の表では英語と同じようにアルファベットが並んでいますが、英語表記との違いがいくつかあります。よく見ると「A」の次が「B」ではなく「H」になっていますね。また、発音も異なります。特に「A」と「E」は要注意です。「A」は「エー」ではなく「アー」、「E」は「イー」ではなく「エー」と発音するのです。ここで「エーッ!」と思ったあなた。ここで「E」のアルファベットを思い浮かべてください。それで「アー、そうなんだ」と納得したら「A」の発音も覚えてしまいましょう。このダジャレに、皆さんが「ゲー」(G)と思ったり「ハー」(H)とため息をつきませんように。。。

なお、「シ」を「H」と表記するのには諸説ありますが、西洋音楽の長い歴史の中で「シ♭」の「B」(のちほど説明します)との区別をつけるためであることは確かなようです。もともと♭は、アルファベットの「b」からつくられた記号なのですが、当初はその記号をもつ「シ♭」のほうに大文字の「B」、「シ」のほうに小文字の「b」を割り当て、やがて混同を避けるために「b」に似ている「h」で表記するようになったという説があります。また、アルファベットの「G」の次の「H」を「シ」に割り当てたという説もあります。記号一つとっても、いろいろな歴史が垣間見れて面白いですね。

ちょっと話がそれましたが、次は♯系の音名を見てみましょう。


               [表2]音名のドイツ語表記:派生音(♯系)

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先ほどの表のアルファベットすべてに「is」がついています。単に「is」がつくだけなので、表記はそれほど難しくありませんね。発音のほうは、実際に声に出して練習すると、わりと簡単に覚えられると思います。

最後は♭系の音名です。

               [表3]音名のドイツ語表記:派生音(♭系)

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♯系は「is」でしたが、♭系は「es」がつきます。ただ、♯系のようにすべての音名が規則的に変化するわけではないので注意が必要です。上の表の赤字で示した部分を見てください。「ミ♭」と「ラ♭」は、どちらも「s」しかついていません。「ミ♭」「ラ♭」に「es」をつけると、それぞれ「Ees」(エエス)、「Aes」(アエス)となって発音しづらいので、あいだの「e」を入れずに短く「Es」「As」としたのでしょう。また、「シ♭」の「B」は先述のとおり、♭のもとになったアルファベット「b」の大文字が使われたことに由来します。当時は「シ」の音の高さをどのようにとるか不確定だったのですが、低めにするのが主流だったようで、そのため♭させる「シ」、つまり「シ♭」のほうに大文字の「B」を割り当てたとされています。

音名のドイツ語表記の話は以上デス(Des)。次回の「音名のはなし」では、人の名前から音楽をつくる話をしましょう。そこでも「B」が登場します。お楽しみに!


(執筆:伊藤 謙一郎)

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