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演習紹介(ネットワーク構築)

2014年8月25日 (月) 投稿者: ソーシャルメディアサービスコース

皆さんは「コンピュータネットワーク」を知っていますか?

「インターネット」は世界中の様々な場所で利用されているコンピュータネットワークを相互に接続したものと言うことができます。ネットワークのネットワークです。では、コンピュータネットワークとは何でしょうか?これは、複数のコンピュータを接続してお互いに通信できるようにしたものです。コンピュータはケーブルや電波を使って接続機器や中継機器と呼ばれる装置に接続することで通信できるようになります。スマートフォンや携帯電話も様々な形でインターネットに接続できるのはご存知の通りです。

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細かい話はまた別の記事に書くことにしますが、大学では今や情報系に限らず、コンピュータやインターネットのことを学びます。情報系の学部ではより深く、それ以外の学部では教養として一定レベルのことを勉強します。メディア学部は情報系の学部といってよい側面を持っていますので、コンピュータやネットワークに関する講義科目がいくつかあります。必修のものもあります。

講義では仕組みや理論を習いますが、ネットワークの中で起きていることは、普通、目に見えませんから、なかなか分かりにくいこともあります。そこで、ネットワークが実際にどうやって動いているのか、どう機能しているのかを、実際に作って動かしてみようというのが私の担当している「ネットワーク構築」という演習テーマです。メディア専門演習のうちの1テーマです。

このテーマでは実際のネットワークで使われているのと同じ専門の接続機器や中継装置を使ってコンピュータネットワークを構築します。この作業を通して、 ネットワークの成り立ちを理解するのが目的です。応用として、 Webサーバ構築と運用、ログ解析、通信の様子の観測、 Javaによるネットワークプログラミングなどにより、 ネットワークに対する理解を深めます。

また、一部の作業のためにLinuxを使用します。Linuxとはオープンソースのオペレーティングシステム(OS)の一つで、普段はWindowsが動いているタイプのパソコンにインストール(導入)して使うことができます。Linuxは多くのIT企業や、皆さんもよく利用しているようなネット上のサービスを展開している会社でも導入が進んでいます。

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まず、講義で学修した知識をフルに動員してネットワークの設計を行います。しかし、すぐには想定したようにはネットワークは動作してくれません。初めて使う機器の操作方法や設定方法も学ばなければなりません。コンピュータネットワークを作り上げるのは容易ではないのです。この演習ではグループを作って小さなネットワークを作ることから始めますが、最初からトラブルが続出します。しかし、そのトラブルの元を探り、解決策を考えて試してみることによって理解が深まり、スキルも向上するのです。

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小さなネットワークではできることは限られます。そこで、次に、グループ同士が協力して少し大きなネットワークを作ります。これがまた大変です。初めからどんどんつないでしまうと、動かしてみて思ったように動いてくれない時にどこに問題があるのかを見つけるのが難しくなってしまいます。そこで、部分部分の動作を確認しながら徐々にネットワークを大きくしていきます。演習の最終回には複雑なネットワークを作りますが、その準備のために1つ前の回をすべて費やして臨んでも、最終回は時間内に終えられないこともあります。それでも、課題のうち何ができて何ができなかったのか、問題はどこにあったのか考察してレポートを作成してもらうことになります。

このように予想できないことの連続で受講生の皆さんは苦労しますが、それだけに自分たちで問題を解決してネットワークが動き出した時の達成感は強いようです。ネットワークの技術は現代のメディア社会の基盤になっています。受講者の中からネットワークエンジニアを目指す人が出てきてくれるのもうれしいことです。(寺澤 卓也)

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