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お宝を探すには?~経済分析のはなし

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お宝を探すには?と言っても、古今東西、人の欲望をつかんで離さない、金銀財宝、埋蔵金を探しに旅に出ようという冒険物語ではない。巷に溢れる様々な情報から、いろいろな知見を得ようという話である。

筆者は以前このメディア学部のブログで、『社会の足跡をたどる』(“あしあと”とルビを振るべきであった)という記事を書いた。わがメディア学部の卒業研究でも、国の統計情報のような網羅性、代表性の高いものではないが、実際に街に出て、お店の立地、コンセプト、商品のディスプレイ、値段、訪れる客の年齢・性別・同伴者、さらにはそうした人たちの店内での動き、店員の対応など、人々の現実の活動という実態を調査する事例を紹介した。あれから4年近くが経過したが、今では『ビッグデータ』という言葉で、ネット上に記録・蓄積されている現実の活動からビジネスチャンスを探ろうとする動きが喧伝されるようになった。こうした情報が莫大なお金を生むかもしれないからである。

ネット上、あるいは街にあふれる多種多様な情報ソースから、何らかの知見を得ようとするためには、こうした情報を計測・収集し、分析可能な標準的な形に加工しなければならない。官公庁統計や各種調査機関等の公表しているマーケット情報など、分析の容易な数値情報としてすでに提供されているものもあれば、ツイッター、フェイスブック、あるいはこのようなブログなど、言葉で発信されているテキスト情報もある。

言葉で発信された情報は、人それぞれ表現方法も多様である。例えば、スマートフォンの新製品に対する感想も、良い、悪いなどの直接的な評価から、使いやすい、かわいい、かっこういい、など多様な表現が使われているであろう。文字通り、発信者の主観、多様な見解の表明だからである。しかし、発話表現そのままでは多様過ぎて分析しにくい。

そこで、発信者の多様な表現を、何らかの共通するカテゴリーに分類してみよう。もちろんカテゴリ分けは一通りではない。例えば、使いやすいなどの表現は製品の機能性に関する評価であるし、かわいいなどの表現はデザインに関する評価として解釈できる。かっこういいは、デザインなのか、機能なのか、この単語だけ見ているとわからない。発話の文脈から発信者がどちらの話をしているのか、解釈することになる。機能性、デザインなどの項目で一通りカテゴリー分類ができれば、それぞれの頻度を数えて使用者にとっての重要度を反映する『数値指標』を作成することができるであろう。

さらに、発信者の文脈からは、他社製品との比較もあるだろうし、価格との関係(値段の割に良いという相対評価)で評価されたものもあろう。このように文脈をたどっていけば、マーケティング情報としての活用は分析者の腕次第で無限である。そして、このスマートフォンを製造・販売する企業にとってこうした消費者(実際の仕様者)の声は、死活的に重要である。現製品に対する高評価の点を前面に出した広告を打てば新しい顧客を獲得できる可能性が高まり、芳しくない項目については次の製品企画・開発のためのヒントになるからである。

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