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おもしろメディア学 第44話 CGライク映像コンテスト(仮)その2 各部門賞案

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もし仮に、リアリティの高いCGだと思わせて実は手描きや実写、という作品があれば人々を驚かすことができるのでは……、そしてその技術・技能を競うコンテストがあったら面白い、という話を前回しました。今日はその妄想の続きです。

一般にコンテストは、いくつかの審査部門があります。それぞれの基準で優秀作を選ぶことで、多彩な作品が集まります。「CGライク映像コンテスト」でも各部門を考えてみました。

ティーポット部門

CG研究の世界で、黎明期の1970年代からテストデータとして使われていたユタ・ティーポット(あるいはニューウェル・ティーポット)と呼ばれる形状モデルがあります。新しいCG手法の研究発表ではティーポットの表示結果を示すのが定番で、現在でもしばしば用いられます。このティーポットを手描きや実写で描く作品部門です。表面の光り方をCG風に仕上げるのがポイントです。

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ティーポットの表示例(もちろんこれはCG)

コーネルボックス部門

よりリアリティの高いCG描画技術として大域照明(グローバル・イルミネーション)があります。簡単にいうと間接照明で照らされた物体を正しく描画することです。コーネルボックスは、大域照明アルゴリズム(処理手順)の表示テストに使われる定番のモデルです。立方体の部屋の内部を正面から見るシンプルな構図で、中に物体モデルを置き照明を設定してCG描画結果を示します。公式データは中の物体や光源なども正確に決められていますが、研究者が使うときには結構自由に配置・設定を変えています。壁や床の照り返しがその物体に当たります。間接照明の厳密な計算は現在でもかなり時間がかかります。条件によっては、同じ画像を作成するのにCGより手描きの方が速いという結果が出る可能性もあり、そうなるとある意味痛快です。コーネルボックスの中に置く物体モデルを替えれば、さまざまなバリエーションが考えられます。

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コーネルボックスに5個の物体モデルのを配置した表示例

動植物部門

植物の形や動物の毛など、生物を表現する研究は1980年代から盛んになり、現在でも大きなテーマの一つです。形状が複雑なので、手描きはちょっと大変そうですが、単純なキャラクターを描くことで「CGらしさ」を演出できるかもしれません。また、ティーポットのようによく使われるウサギの形状モデル、「スタンフォード・バニー」を題材にする手もあります。

キャラクターといえばやはり人間、と思われるでしょう。それはまた次回に。(続く)

(メディア学部 柿本正憲)

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