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NICOGRAPH 2014 にて「雪煙のビジュアルシミュレーション」に関する研究成果を発表

2014年10月21日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部准教授の菊池 司です.

今回のブログでは,我々の研究グループが2014年11月3日・4日に愛知工業大学八草キャンパスにおいて開催される「NICOGRAPH 2014」にて研究発表を行う予定の「雪煙のCGシミュレーション」に関して,学会開催前に一足早く簡単にご紹介したいと思います.

我々の研究グループによる「雪崩による雪煙のビジュアルシミュレーション」では,雪崩によって引き起こされる雪煙のビジュアルシミュレーション法を提案します.

この論文で提案する手法は,山の斜面をポリゴンモデルで生成し,雪崩発生源から雪塊を表す雪パーティクルを落下させ,雪パーティクルと斜面ポリゴンとの衝突を検知し,衝突点からナビエ・ストークス方程式による雪煙拡散速度場を生成します.そして,生成された速度場に沿って運動する雪煙の密度をボリュームレンダリングすることによって,雪崩による雪煙のビジュアルシミュレーションを行うというものです.

この手法により,山斜面の斜度の違いなどによって引き起こされる雪煙の違いも表現可能となっています.

下に示すのは,本研究によって生成されたフルCG画像の例です.

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上に示すような雪煙を伴う雪崩は「泡雪崩(ほうなだれ)」とも呼ばれ,多雪地で気温が低く,多量の降雪を伴う吹雪の時かその直後の積雪が安定しないときに発生しやすいと言われています.
そのため,主に厳冬期の山間部で発生し,通常の雪崩のような雪塊の落下とは異なり雪崩を構成する雪煙が最大で時速200 km 以上の速度で流下することが知られています.その衝撃力は数百KPa(キロパスカル)に達し,大きな被害をもたらします.そのため,泡雪崩が発生すると,あまり雪が堆積しないにも関わらず,衝撃によって周囲のものがことごとく破壊されているか吹き飛ばされているという状況が発生した例もあります .

このように,雪煙を伴う泡雪崩は,実際の撮影には多大なる危険と困難を伴うため,CGによるビジュアルシミュレーションによって再現することが有益なのは言うまでもありませんし,エンターテインメント分野での利用のみならずハザードビジネスや災害対策にも有益であると考えられます.

本研究のCGシミュレーションに関する詳細は,「NICOGRAPH 2014」にて発表いたします.NICOGRAPH 2014 は学会会員でなくても聴講可能ですので,ご興味のある方でご都合が合う方は,是非 NICOGRAPH 2014 にご参加ください.

なお,11月4日の「特別講演」では,あの「トリック」や「20世紀少年」,「SPEC」など数多くのヒット作でメガホンをとられた堤幸彦監督が登壇され,数々の映画のメイキングなどをご紹介いただけるようです!

CG・映像・コンピュータビジョン・インタラクティブコンテンツなどに関する研究成果発表と同時に,エインターテインメント業界のトップを走る方の実際のお話を聴講できるのも,NICOGRAPH 2014 ならではの面白いところですね.

まさに,メディア学とエンターテインメント業界が肩を寄せ合っていることがよくわかります.

メディア学部准教授  菊池 司

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