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おもしろメディア学 第38話 ヘリウム音声

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みなさん、こんにちは、

 
メディア学部では「音声音響メディア処理論 」という授業を行っています。先日の授業では「ヘリウム音声」のお話をしました。
空気中の音の速さは1秒に340メートルということは、どこかで聞いたことがあると思います。いつも340メートルという値を聞いていると、つい、音速は一定と思いがちです。実際は、音速 cは次の式で決まります。
 
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ここで、気体定数は8.314という一定値です。

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比熱比(ガンマと呼び、ここではgと書きましょう)と、M分子量は気体により異なります。
良く見ると、温度が関係していますね。絶対温度は摂氏の温度に273を足した温度です。
 
さて、ここまでわかると空気の音速が計算できそうです。

空気では、g=1.4、M=0.029です。15℃では絶対温度はT=288になります。式を電卓で計算してみると音速は毎秒c=340.0メートルが得られます。

 
ところで、みなさんの中にはダイビングの経験のある方もいらっしゃると思います。水中深く潜水すると水圧が上がりますから、空気の圧力も上げなくてはなりません。しかし、通常の空気は酸素の他に窒素が含まれています。通常窒素は無害ですが、気圧が上がると体に悪影響が出てきます。そこで、潜水するときには圧縮空気ではなく、窒素の代わりにヘリウムという気体を使います。ヘリウムというのは風船につかう「軽い」気体です。
さて、ここで何故軽いに「」をつけたかわかりますか?実は、このヘリウムを使うことで思わぬ影響が出るのです。上に書いた式で、ヘリウムでの音速を求めてみましょう。ヘリウムではg=1.667になります。分子量Mは軽く、0.004となります。さて、これらの値を上の式に入れて、音速を計算してみてください。
なんと、音速は毎秒c=999.0メートルになります。空気中での音速の3倍くらい高速です。これが、問題なんですね。楽器の出す音の高さは音速と楽器の大きさの比率で決まります。人の声も楽器と同じなのです。そうなると、音速が3倍になると、人の声が3倍高くなることになってしまうのです!!声の高さだけでなくすべての音の特徴が3倍高くなりますから、言葉もよくわからなくなってしまうのです。これが有名な「ヘリウム音声」です。
 

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