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おもしろメディア学 第45話 クラリネットは何故丸っこい音色? 

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みなさん、こんにちは、

今日は、楽器の音色のお話です。
クラリネットは「丸っこい」感じの音色がします。バイオリンとは違った感じですよね。今日は、そのわけをお話ししましょう。楽器の音にはいろいろな音の成分が含まれています。音の高さに関係した最も周波数(振動数)の低い成分は基音と呼ばれています。楽器の音はそれ以外にいろいろな成分を含んでいるのです。それらは、基音の周波数の整数倍の周波数を持つ振動で、倍音(高調波)と呼ばれています。音色は各倍音がどれくらいの比率で含まれているかに依存するのです。
それでは、クラリネットの周波数成分を見てみましょう。

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                    図1 クラリネットの音の周波数成分分布

 

左から等間隔で音の成分が並んでいます。左の端が基音です。おや、良く見ると、2番目が無いように見えますね。基音の周波数の2倍のところに音がありません。3倍音以上は等間隔で並んでいます。

何故でしょう?

 

これは、楽器の構造によるのです。図2を見てください。

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               図2 管の中の空気の振動

 

左が閉じられた管の中では、空気がこの図のように振動します。(a)の図は、管の一番奥の空気の圧力が上がったり下がったりする最も基本的な振動です。右端は開いていて、空気が自由に出入りしますから、圧力はいつも大気圧と同じです。図の上部にあるように、圧力の高い部分と低い部分の組が1回分の振動にあたり、これが、音の波の長さ(波長)にあたります。(a)では、管の長さの4倍が音の波長になります。音は空気中を秒速340メートルで飛びます。340メートルにいくつ波長が入るかが1秒間の振動数にあたるわけです。(a)が一番波長が長い振動になりますから、これが基音の振動にあたります。

実は、空気はこれ以外の振動もします。それが図2の(b)です。この場合は波長が(a)の場合の3分の1になります。そうすると、振動数は3倍になりますね。それで基音の3倍の周波数の音である3倍音が出るわけです。さて、2倍音はどうなってしまったのでしょうか?実は、構造上2倍音が出ないのです。図を見て考えてみてください。偶数倍音を含まないと丸っこい音色になります。クラリネットの音色が丸っこいのはこのためだったんですね。

 

それでは、弦楽器の場合を考えてみましょう。図3を見てください。

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               図3 弦の振動

 

図3では(a)が基音の振動になります。(b)では、基音の波長の半分の振動となっていて、2倍音が出るのがわかります。(c)が3倍音の振動になります。つまり、弦楽器では2倍音も3倍音も出るわけです。このように、楽器の音色は楽器の構造に依存するのです。

 

相川 清明

 

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