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「増え続けるサイバー攻撃」にシリアスゲームで対抗!

2014年10月26日 (日) 投稿者: インタラクティブメディアコース

 メディア学部教員の岸本好弘です。
 
 これまで私は数学や英語の学習に役立つシリアスゲームについて紹介してきましたが、今回はコンピュータネットワークでのサイバー攻撃に対する防御行為「サイバーセキュリティ」という新たな分野へのシリアスゲームの展開についてお話します。
 
 増え続けるサイバー攻撃に対し、我が国の情報セキュリティ体制は、質的にも量的にも不十分だと言われています。現在約26.5万人の技術者が従事しているものの、さらに8万人の増員が必要とされています。(内閣官房情報セキュリティセンター(NISC))こうした現状に対し、シリアスゲームが本来持っている「社会問題解決力」を活用することで貢献しようと研究を行っています。
 
 その取り組みの一つとして、10月10、11日に開催された「情報セキュリティワークショップin越後湯沢」にて、 日本大学と合同で、学生の制作した「サイバーセキュリティ学習ゲーム」の展示を行いました。
 
▼展示ブースの様子

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 情報セキュリティワークショップin越後湯沢 公式サイトURL
▼越後湯沢の景色

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 これに先立って、今年6月に日本大学と合同開催した「第2回シリアスゲームジャム」において、「サイバーセキュリティ学習」をテーマに掲げ、3本のゲームを試作しました。今回展示したのはそのうちの2作品です。
 
▼『めーるぼくじょう物語』のゲーム画面

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▼『Security Growth』のゲーム画面

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 この度のワークショップはセキュリティ関係の専門家が集うもので、東京ゲームショウなどのようにゲームに関心の有る人ばかりのイベントとは異なります。そのため、展示したゲームを説明する上で、「どこが面白いか?」ではなく、「どういう目的で使用するのか?」に重点を置くという普段とは違った工夫が求められました。
 
 それでも二日間で100名以上の方々に試遊していただき、たくさんの感想やコメントをいただきました。日々変化するウィルスへの対策方法や、実際にシリアスゲームを利用する上での課題など、今後の制作に役立つお話を伺うことができ、更に、シリアスゲームという試みに対しても「ぜひ利用したい」と肯定的な評価をいただくことができました。
 
 
■展示スタッフ:大塚義弥(4年) 感想

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 今回は警察関係者や一般企業の方々にシリアスゲームを説明するということで、相手に合わせた言葉で伝えるという力を養うことができたと思います。また、日大の方々との合同展示を通して各々のゲーム開発の違いを実感することができました。
 僕たちは普段「何が面白いのか」というプレイヤーを楽しませることを重視していますが、日大はシリアスゲームの専門ということで「何を学ばせるのか」というプレイヤーの成長に重きを置いて開発をされていました。今後の作品作りに繋がる良い経験だったと思います。
 
 
■教員:岸本好弘 感想
 
 シリアスゲームは、いろいろな問題に直面している人たちの要望を満たして初めて社会に役立った、ということになります。シリアスゲーム研究で著名な日大・古市先生との産学官合同プロジェクトに今後も積極的に取り組み、実績を上げていきたいと思っています。
 
 
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