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雨氷のビジュアルシミュレーション研究がIEVC2014でベストペーパー賞を受賞

2014年11月 3日 (月) 投稿者: メディア技術コース

2014年10月7日~10日にタイ・サムイ島で開催されたIEVC2014(The Fourth International Workshop on Image Electronics and Visual Computing)において、メディア学部の石川知一助教が筆頭著者として発表した以下の論文がBest Paper Awardを受賞しました。

Visual Simulation of Glazed Frost Considering the Supercooled State
(過冷却状態を考慮した雨氷のビジュアルシミュレーション)

これは、IEVC2014での54件の口頭発表、28件のポスター発表から選定された3件のうちの1件です。

Dsc_7314s

枝に着いた雨氷のCG表示結果を発表する様子

Dsc_7708s

表彰式

雨氷とは、空から降る雨粒が、液体のまま0℃以下に冷える「過冷却状態」で物に触れた時に氷となったものです。雨粒の数・大きさ、気温、物体(木の枝)の温度、着氷時の付着力などさまざまな要因を考慮し、流体方程式と熱伝導方程式に従って雨氷の形成をシミュレートしました。

この発表は下の参考文献を見てもわかるとおり、石川助教のほか7名もの共著者がいます。Googleのビデオ会議を利用し、以下の組織に所属するメンバーで議論をし、メールで実験データや論文や発表スライドを頻繁にやりとりして研究内容を高めた結果です。

  • 東京工科大学メディア学部(石川知一・渡辺大地・柿本正憲・近藤邦雄)
  • コロンビア大学(Yonghao Yue)
  • 和歌山大学(岩崎 慶)
  • 北海道大学(土橋宜典)
  • UEIリサーチ/広島修道大学(西田友是, 東京工科大学客員教授)

このように多くの組織が共同で発表するのは決して珍しいことではありません。インターネットが普及してからは、あらゆる研究分野で国際的な共同研究が非常に多くなっています。レベルの高い学会で発表される研究は、ほとんどが複数機関での共同研究になっています。

本学メディア学部あるいは大学院では、外部組織との共同研究をこれからも一層推進し、技術の発展に貢献することを目指します。

参考文献:

T. Ishikawa, Y. Yue, T. Watanabe, K. Iwasaki , Y. Dobashi, M. Kakimoto, K. Kondo, T. Nishita, “Visual Simulation of Glazed Frost Considering the Supercooled State,” Proc. IEVC2014, 2B-3, October 2014.

Awardcertificateievc2014

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ビジュアルシミュレーション研究の紹介

(メディア学部 柿本 正憲)

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