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デザイン進化のシミュレーション

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デザイン解には唯一無二の正解というものはありません。デザイン解の導出とは、複数個の解を示すことであったり、境界は曖昧ながらも解の範囲が示すことであったりします。最終的に決定されたデザインも、実はその背景にはいくつかの候補があるということです。ということは、デザイン解は局所的最適解(local optimal solution)とか境界が曖昧なファジィ集合(fuzzy set)のようなものかもしれません。

 それならば、デザイン解を探索・導出する手段・方法の一つとして、ソフトコンピューティング(soft computing)を活用する方法が考えられます。例えば進化的計算(evolutionary computation)の考え方もデザイニングのために役立ちそうです。

 永続的に使われるプロダクトはやがてユーザーに愛され時代環境に適したデザインへと収束していきます。つまり生活に必須のものになります。このことに進化的計算を活用すると、デザインの変化・収束の様子を予測するためのシステム構築ができる可能性はあります。

 ここでは、対象をプロダクトにすると少し堅苦しいので、シンプルなキャラクタ形状を題材にしたシステムを構築し、シミュレーションした結果を下の図に示します。このシミュレーションは重力の違う2つの星に降り立った四足歩行生物が、それぞれの星の重力に適した形態へと進化する様子を観察したものです。四足歩行生物は八頭の集団で示しました。それぞれの星に降り立つ前にはいろいろな形状であった八頭ですが、重力環境に適合するように進化しながら、やがて最終的には重力が大の星の四足歩行生物は全体に「ずんぐり型」へ、重力が小の星の四足歩行生物は全体に「ひょろなが型」へと進化・収束しました。

 

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このシステムは新規性の高いプロダクトデザインの変化動向予測に適用できるかもしれません。そのためには評価関数の選定が決め手になります。この選定力が優秀なデザイナーのセンスに相当するものなのかも知れません。
執筆:萩原祐志

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