デザインとファジィ
2014年12月18日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース
11月29日のブログで、デザイン解には唯一無二の正解というものはなく、デザイン解は局所的最適解(local optimal solution)とか境界が曖昧なファジィ集合(fuzzy
set)のようなものということを書きました。そして、局所的最適解を探索する方法として、進化的計算(evolutionary computation)の考え方もデザイニングのために役立つことを紹介しました。
今回はファジィに関して少し書いてみます。デザイン解の探索・導出は創造行為ですが、これを推論(inference)としてとらえれば、各種の推論モデルもデザイニングに役立ちそうです。デザイン解はファジィ集合のようなものなので、特にファジィ推論あたりはデザイニングに活用できる可能性が高いです。
プロダクトデザインの形状に焦点を絞り、形状の創造行為に必要な知識をプロダクションルール(production rule)として集め、デザインに関する曖昧さを踏まえ、これらのルールをファジィプロダクションルール(fuzzy production rules)で記述すると、形状に関するファジィ推論システム(fuzzy inference system)を構築することができます。
この画像は机周りのプロダクトを題材としたファジィ推論システムのシミュレーション結果の事例を示したものです。このシステムでは、要求イメージを主成分分析(principal component analysis)で2軸に絞り込み、直交するこの2軸の座標値を入力することで、その位置、つまり要求に応じたデザイン事例が画面上に表示されます。この考え方は、プロダクトデザインにかぎらず、デザイン分野はもちろん多方面への展開が期待できるものです。
執筆:萩原祐志
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