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おもしろメディア学 第63話 スマートフォンアプリやWebサイトの評価法(その1)

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若い世代の皆さんはスマートフォンアプリを数多く使っていると思います。普段なにげなく使っているアプリの使い勝手(操作性、ユーザビリティ)が良いとか悪いとか漠然と感じることがあります。これを具体的に評価することは、使う側にとっても作る側にとっても重要になります。特にメディア学部の卒業生は制作や開発の現場に就職することも多いので、専門家としての知識としてもスキルとしても重要です。そして、ユーザビリティ分析手法で代表的なのが、ヤコブ・ニールセン博士の10ヒューリスティック評価法です。

ヤコブ・ニールセン博士は、5人のユーザでテストすれば、ユーザビリティの問題の大半(約85%)が発見できるという、公式を導き出しています。ユーザ・テストは5~6人の小規模なテストを行うことが標準になっています。これは何万人もの人が使うアプリのユーザビリティをたった5人である程度評価できるということで、ある意味画期的です。ただし、ニールセンの公式には盲点があります。それは、発見できる問題は15%ですから残り15%は発見されないこともあります。そしてその中に重要な問題が潜んでいる可能性があるのです。ここに限界もしくは欠点がありますが、簡便な評価法なので、現場ではよく使用されています。

 

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図 スマートフォンでキャプチャした画像 ( http://www.teu.ac.jp/sp/ )


1.システム状態の視認性を高める

2.実環境に合ったシステムを構築する

3.ユーザにコントロールの自由度を与える

4.一貫性と標準化を保つ

5.エラーの発生を防止する

6.直感的な操作法で覚えなくても観ればわかるようなデザインをする

7.上級者向けに柔軟性をもった操作や効率の良いカスタマイズ可能な操作を実現する

8.適切な情報量かつ最小限で美しいデザインにする

9.適切なエラーメッセージとユーザに与え、対策法の提示する

10.わかりやすいヘルプマニュアルを用意する

 では、「1.システム状態の視認性を高める」とはどういうことでしょうか?特定のウェブサイトにアクセスしたとき、反応が悪くて困ったことはありませんか?また多数のページがあって迷子になったことはありませんか?今、システム側であるウェブサイトがどういう状態にあるかを常にユーザに知らせているかは重要です。例えばWindowsの砂時計アイコンはあなたにちょっと待ってねというシステムの意思表示です。ウェブサイトのパンくずリストは「今あなたはここにいます」というお知らせです。ダウンロードの進捗表示バーは今何パーセント終わって後どれくらいかかるかを知らせてくれます。大学のスマホサイト(図)を見ると、トップページでは新着用の画像が大きく、全体を読むにはスクロールが必要で改善の余地がありそうです。

 次に「2.実環境に合ったシステムを構築する」とはどういうことでしょうか?ユーザになじみのある言葉や習慣で情報を提示しているか、ということです。例えば、Windowsやマックのゴミ箱やAmazonや楽天などの「買い物かご」や左矢印は戻る、右矢印は進む、など特に説明がなくても使用されている意味や機能を理解できます。タイル型のインタフェースでアイコンと文字で説明されてて直感的に操作できそうです。

 さらに「3.ユーザにコントロールの自由度を与える」とは、常にユーザがシステムの動作をコントロールできる状態にあるか、ということです。例えば、ブラウザの戻るボタンや中断ボタン、画像のサムネイルをクリックすると画像が拡大表示される、とかユーザの意思に従ってウェブブラウザを操作できます。少しリンクをタップしてみると、必要に応じていつでもトップページに戻れたり、いつでもメニューが呼び出せたり、サイト内の移動の自由度は高いと思われます。

つづく

メディア学部 千種康民

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