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おもしろメディア学 第64話 1+1=?(その2)

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前回の筆者のブログ、『面白メディア学』の「1+1=?」では、実務上の意味を考えながら、どう足し算したらよいのか、紹介した。

 2 テレビが1台、自動車が1台あります。合わせて何台ありますか?

これをAADL(代数的会計記述言語:Algebraic Accounting Description Language)で表すと、

1<テレビ, > + 1<自動車, >

「テレビ」と「自動車」で、種類の違う品目同士で足し算しようとしているから計算できないという話であった。

それでは、「テレビ」と「自動車」を「工業製品」という共通の分類品目に変換したらどうであろうか。

1<テレビ, > + 1<自動車, >

1<工業製品, > + 1<工業製品, >2<工業製品, >

もちろん、AADL上では上記のような計算が可能である。しかし、上記の計算にも、どこか違和感を覚えるに違いない。

「工業製品」は共通の分類品目には違いないが、あまりに広い概念である。この点に直感的な違和感が生まれる。もう少し実務的な話をすると、「工業製品」には、ここであげた「テレビ」と「自動車」以外にも、例えば、「ネジ」、「釘」などの小さな部品から、「工作機械」、「半導体製造装置」などの産業用機械や、「船舶」、「航空機」などの輸送機械まで、ありとあらゆる「工業製品」が含まれている。これらの工業製品の単位にも、「個」から、「台」、「隻」など個々の製品に適した特有のものがあり、ひとくくりの単位で計ることは適当ではない。

では「テレビ」と「自動車」をどのように集計するかというと、「数量単位」ではなく「価値」で計るのである。生産された「工業製品」は、販売という経済活動として計ることもできる。すなわち、1台100万円という価格のテレビの1台の価値額は100万円であり、1台100万円という価格の自動車の1台の価値額は100万円である。価値額(100万円)を単位としてこれらの「工業製品」を合計する手続きをAADLで表記すると、

1<テレビ, 100万円> + 1<自動車, 100万円>

1<工業製品, 100万円> + 1<工業製品, 100万円>2<工業製品, 100万円>

となって、日常の感覚に違和感のない足し算ができるのである。

筆者のブログを読んでいただいている読者諸君であれば、「価値額」を単位とすれば、すなわち経済活動であれば、「リンゴ」も「自動車」も、世の中で取引されるすべての「社会的情報」は、これが計測できれば同じ俎上で計算できることに気づかれたのではないだろうか。「リンゴ」は「農産品」であるので、「自動車」との共通分類品目は何にしたらよいであろうか。わが国国内で生産されるすべての価値の合計は(正確には付加価値額)GDP(国内総生産)という指標で推計されている。そこで、

1<リンゴ, 100万円> + 1<自動車, 100万円>

1< GDP, 100万円> + 1< GDP, 100万円>2< GDP, 100万円>

とすればよい。

1個100万円もするリンゴと、1台100万円する自動車を、それぞれ1個、1台だけ生産する国のGDPは200万円ということを上記の式は表している。もちろん、1個100円のリンゴを10000個生産した価値でも同様である。次回は、

100円×10000個

のような、かけ算をAADLで考えてみよう。

(メディア学部 榊俊吾)

 

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