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おもしろメディア学 第70話 何人いるの? 

2015年1月28日 (水) 投稿者: メディア技術コース

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みなさん、こんにちは、

 
山にハイキングに行って、山に向かって「ヤッホー」と呼びかけると、しばらくしてから「ヤッホー」と「やまびこ」が戻ってきます。実は部屋の中でも「やまびこ」は戻ってきているはずなのです。なぜなら、自分の声は壁やガラス窓にぶつかって跳ね返ってくるからです。でも、「やまびこ」のように2つも3つも声は聞こえません。四角い部屋ならば壁は天井や床も併せて6面あります。いくつかの壁にぶつかったり、対面する壁の間の反射を繰り返したりすると、「やまびこ」にあたるものはたくさん戻ってきているはずなのです。これは、「やまびこ」というより「ワーン」と響いた感じに聞こえ、「残響」と呼ばれています。
さて、それでは、どのくらい時間があいて声が戻ってくると「やまびこ」になるのでしょう?まず、次の音を上から順にきいてみてください。
 

音1

音2

音3

音4

音5

どうでしょうか?音1は二つの声が分かれて聞こえ「やまびこ」のようです。音5は一人の人の声に聞こえると思います。
 
それでは、種明かしをしましょう。
 

音1から音5は次の図のようにして作られています。

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               図 1つの音声のコピーを作り、ずらして足し合わせる
 
音声を1つ用意し、その時間をちょっとずらしたコピーを作ります。この2つを足し合わせると出来上がりです。音1は時間を100ミリセカンド(0.1秒)ずらしています。音2は50ミリセカンド、音3は30ミリセカンド、音4は20ミリセカンド、音5は10ミリセカンドずらして足し合わせています。
みなさんは、どのくらいずらすと2つの音声が分かれてきこえますか?これが、「やまびこ」と「残響」の境界線です。興味深いのは音5は1つの音声ではなく、10ミリセカンドずらした2つの音声を足し合わせたものであることです。つまり、人の耳は、このくらいずれた音が同時に入ってきても1つのものだと解釈するのです。
 
 

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