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おもしろメディア学 第71話 どこから音が来てるの? 

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みなさん、こんにちは、

 
コンサートに行くと、ステージにはオーケストラが美しく並び、いろいろな方向からいろいろな楽器の音が聞こえてきます。ステレオヘッドホンで音楽を聞くと、コンサートのように、いろいろな方向からいろいろな楽器の音が聞こえてきます。みなさんの中にも、パソコンでもオーディオ機器でも、左の音量を上げると音は左から聞こえ、右の音量を上げると音は右から聞こえることを体験している人もいることと思います。
例えば、ヘッドホンをお持ちの方は次の音を聞いてみてください。
 
音が左右に動いているように聞こえると思います。音の強さの変化を見てみましょう。

Kyodohenka

               図1 左右の音を交互に増減。合わせると音量一定です。

 

左の音も右の音も、元は一定の周波数(音の高さ)の正弦波と呼ばれる正確に同じ振動を繰り返す音です。図では真っ青にみえていますが、本当はその中に1秒に220回もの波が入っているのです。あまりたくさん入っているので細かい変化が見えなくなってしまっています。その波の繰り返しの振れ幅を周期的に変化させているのです。

音の到来方向を左右する要因は左右の音量の違いがすべてと思われがちですが、実は、左右の音量を変えなくても音の到来方向が変わることがあるのです。さてそれは…

 

それでは、次の音を聞いてみてください。

 

さまよう音1

 

なにか、音がうごきまわっているように聞こえませんか?実はこの音は左の音も右の音も音量一定の正弦波なのですが、右の音に位相変調という操作を加えて、わずかに毎回の波の繰り返しの開始位置をずらしているのです。波をみてみましょう。

Isouhencho

               図2 右の音に2秒周期の位相変調を加えた音

 

図2のように、左の音も右の音も強さは一定です。ですが、波のタイミングがすこしずつずれていきますから、左の音と右の音で、時々波の上下が逆さまになることがあます。一番下に左の音+右の音の図を示してあります。時々音量がゼロになっているところがありますが、これは左の音と右の音が上下逆さまであることを示しています。実は、耳は、音の到着が速い方から音が来たように感じるのです。たとえば、左の耳に早く音が届けば、音は左耳に近いわけですから納得できます。

これと同じ現象は、左の音と右の音でわずかに音の高さ(周波数)を変えた場合にも起こります。次の音を聞いてみてください。

 

さまよう音2

 

これは、左右の音の周波数をわずか0.5ヘルツ変えたものです。音の波形を見てみましょう。

Unari

               図3 左右で0.5ヘルツ周波数が違う音

 

左右で周波数がごくわずかに違っても、音の高さはだいたい同じに聞こえます。ですが、波の1周期の長さがわずかに違いますから、はじめは左右でほぼ同じタイミングで周期的変化を繰り返していますが、だんだん位置ずれしてきて、そのうち左右で上下反転したように振動するようになります。しばらくすると、またタイミングが合ってきます。一番下の図のように、ちょうど波が上下逆転している時間では左右の波を足したものがゼロになります。この音も左の音も右の音もそれぞれ一定の強さで出ていますが、音の来る方向が変わったように感じられます。この現象は「両耳ビート」と呼ばれることがあります。

 

相川 清明

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