おもしろメディア学 第71話 どこから音が来てるの?
2015年2月 6日 (金) 投稿者: メディア技術コース
みなさん、こんにちは、
それでは、次の音を聞いてみてください。
なにか、音がうごきまわっているように聞こえませんか?実はこの音は左の音も右の音も音量一定の正弦波なのですが、右の音に位相変調という操作を加えて、わずかに毎回の波の繰り返しの開始位置をずらしているのです。波をみてみましょう。
図2 右の音に2秒周期の位相変調を加えた音
図2のように、左の音も右の音も強さは一定です。ですが、波のタイミングがすこしずつずれていきますから、左の音と右の音で、時々波の上下が逆さまになることがあます。一番下に左の音+右の音の図を示してあります。時々音量がゼロになっているところがありますが、これは左の音と右の音が上下逆さまであることを示しています。実は、耳は、音の到着が速い方から音が来たように感じるのです。たとえば、左の耳に早く音が届けば、音は左耳に近いわけですから納得できます。
これと同じ現象は、左の音と右の音でわずかに音の高さ(周波数)を変えた場合にも起こります。次の音を聞いてみてください。
これは、左右の音の周波数をわずか0.5ヘルツ変えたものです。音の波形を見てみましょう。
図3 左右で0.5ヘルツ周波数が違う音
左右で周波数がごくわずかに違っても、音の高さはだいたい同じに聞こえます。ですが、波の1周期の長さがわずかに違いますから、はじめは左右でほぼ同じタイミングで周期的変化を繰り返していますが、だんだん位置ずれしてきて、そのうち左右で上下反転したように振動するようになります。しばらくすると、またタイミングが合ってきます。一番下の図のように、ちょうど波が上下逆転している時間では左右の波を足したものがゼロになります。この音も左の音も右の音もそれぞれ一定の強さで出ていますが、音の来る方向が変わったように感じられます。この現象は「両耳ビート」と呼ばれることがあります。
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