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2015年2月

ふたり、あわせて200歳

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卒業生が活躍しているすがたを見ると、私たち教員も元気づけられますね。
今回はメディア学部卒業生で、シンガポールを中心に、カメラマン・WEBデザイナーとして活躍している得本真子さんを紹介します。先月、帰国して渋谷のギャラリーで写真展を開いていた得本さんを訪ねました。ちょっと遅くなりましたが、ご報告です。

 
 
今回の写真展「ふたり、あわせて200歳」では、得本さんのふるさとである、喜界島が舞台です。ゆたかな自然とゆったりとした時間の中で、すべてと調和しながら暮らすご家族の様子を「家族」をテーマに撮影しました。得本さんの視点で、家族のきずな、人間と自然とのきずな、こうしたことが鮮やかに表現されていたと感じました。今回の写真展の趣旨を得本さんの言葉から引用しましょう。
 
< 男女平均寿命が 84 歳と今年も世界一の長寿国となった日本ですが、鹿児島県奄美群島、喜界島に住むわた しの祖父母は、今年 103 歳と 97 歳を迎え、ふたりあわせて 200 歳になりました。
現在はシンガポールに住んでいますが、今年 4 年ぶりに帰った故郷でわたしが写真を通し て伝えたいことは「命のつながり」でることに気付き、姉と話をする中で「私たちは祖父 母孝行ができているのか」「家族だけに留まらず、広い目線で何かできることがあるのでは ないだろうか」という考えにいきつき、本展の開催を決めました。>
 
  [ 本展 プレスリリースより ]
 
 

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大学院メディアサイエンス専攻修士1年生・優秀ポスター発表賞の紹介

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メディア学部准教授  菊池 司  です。

今回のブログでは、2月20日付けの記事で紹介させて頂いた「大学院メディアサイエンス専攻修士1年生研究発表会(ポスターセッション)」で選ばれた、「優秀ポスター発表賞」の紹介をしたいと思います。

去る2月13日(金)に開催された「大学院メディアサイエンス研究 I 審査会」では、修士1年生の学生諸君がこの1年間で取り組んできた研究の成果をポスターセッション形式で発表し、先生方や先輩・後輩と今後の課題などに関してじっくりディスカッションを行いました。

20150219_03
図  ポスターセッションの様子


この際、メディア学部の教員は修士1年生の学生諸君とそれぞれディスカッションを行いながら、研究テーマの着眼点、研究内容、進捗状況、および発表態度などに関して審査を行い、「優秀なポスター発表である」と認められる発表に対して投票を行いました。

そして、ポスターセッション終了後に投票結果を集計し、「優秀ポスター発表賞」を懇親会にて表彰しました.

20150225_01
図 懇親会の様子


「優秀ポスター発表賞」として表彰された修士1年生の皆さんは、下記の通りです。

  • 遠藤 雅伸 さん
  • Abdullah Al-Khatib さん
  • 菅原 俊生 さん
  • 檜森 詞都華 さん
  • 高見 啓佑 さん
  • 合志 一仁 さん
  • 日置 優介 さん

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図  「優秀ポスター発表賞」に選ばれた修士1年生の皆さん

「優秀ポスター発表賞」に選ばれた修士1年生の皆さん、受賞おめでとうございました。
今後のさらなる活躍を期待しています!

なお、今回受賞した修士1年生の皆さんの中には、下記のようにすでに学会発表を行うほど研究の進んでいる人もいます。
今後のさらなる研究の発展が楽しみですね。

  • 日置優介,相川清明,”前面水平方向の音像定位における刺激音の周波数成分依存性",日本音響学会講演論文集,pp.791-792,2014-09-04.
  • 遠藤 雅伸, 三上 浩司, 近藤 邦雄,”ひとはなぜゲームを途中でやめるのか?-ゲームデザイン由来の理由-”,日本デジタルゲーム学会夏季研究発表大会予稿集,pp15-18,2014-08-24.
文責:菊池 司

おもしろメディア学 第75話 音はたった1つの数値から作れる?(その1) 

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みなさん、こんにちは、

 
コンピュータで音を作るって、何か、難しい数学が必要になると思っていませんか?音を作るって何をすれば良いかというと、要するに振り子の揺れのような規則的な波を作ってあげればいいわけです。
まず、1つ数値を用意します。

A_eq_i_3

こはaが虚数単位 i だということですね?この2乗、3乗、4乗を計算してみると次のようになります。

A234_2

実数部分だけ見てみると、0, -1, 0, 1 です。何か周期な変化が見られますね。
それでは、aとして次のような数値

A_45deg_2

を用意した場合はどうでしょうか?

A45_2345

aの2乗、3乗、~5乗までを求め、その実数部をとってみると、0.7, 0 -0.7, -1 -0.7 となります。先ほどより、少しなめらかな変化になりました。

それでは、次の値の場合はどうでしょうか?

A_30deg

この値の2乗、3乗などを求めてみると次のようになります。

Aa60_23456_2

実数部分をとってみると、0.8, 0.5, 0, -0.5, -0.8, -1となりだいぶなめらかな値の変化になりました。しかも、規則的な増減をしています。

ひょっとしたら、1つの値から波がつくれるのではないでしょうか?

 


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学生が「DA・TE・APPS!仙台アプリコンテスト」でUNITY賞を受賞!

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 メディア学部 教員の岸本です。
 仙台地域の震災復興・経済発展をテーマとしたアプリコンテスト「DA・TE・APPS! 2015」において、メディア学部2年の2名(中野 芙羽奈さん、村上 和希さん)制作の『おにぎりコロコロ』がUNITY賞(準優勝相当)を受賞しました。

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▲2月14日、仙台市内の会場の様子

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▲UNITY賞受賞の様子(写真の右2人)

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「世界に羽ばたくメディア学部の国際交流 その2 世界から受け入れている留学生

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1月11日に、「世界に羽ばたくメディア学部の国際交流」という記事を書きました。
この記事では、海外の大学との交流状況を紹介しました。この記事では、海外から来ている留学生の受け入れの一例として、私と三上先生が担当しているコンテンツプロデューシングプロジェクトとコンテンツプロダクションテクノロジープロジェクトが2007年から受け入れてきた留学生について紹介します。
下図には、政界各国から本学に来ている留学生の数と国名が書かれています。我々のプロジェクトで受け入れている学生は、短期、長期の研究生やインターン学生と大学院生(修士、博士)に分けられます。10か国以上から60名近い留学生を受け入れています。

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Fractal Food と自然がつくるかたち(授業紹介:CG制作の基礎)

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数年前からスーパーマーケットでも見ることができるようになったRomanesco(ロマネスコ)は、写真のようにブロッコリーのようで、少し違いますね。

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これをよく見ると、全体と部分が同じような形にみえます。つぼみの部分の配列がフラクタル(Fractal)の特徴である部分と全体が自己相似になっていることが分かります。写真をみると、中央の断面とその一部を切り取った断面がよく似ていることが分かります。

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幾何学に興味がある人は、これを描くためにどうしたらいいかを考えていただきたいです。

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日本音響学会とはどのような学会か? 

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みなさん、こんにちは、

 
4年生の卒業研究発表会も無事終わりました。さて、4年生は何をしているのでしょう?4月から始まる社会人1年生の準備に忙しい人もいるでしょう。卒業旅行に行くグループもあるでしょう。実はそれだけではありません。3月は学会シーズンです。卒業研究の成果を発表するのです。
いろいろな学会があります。全国大会と呼ばれる規模の大きい発表会もありますし、特定の分野の研究者が集まって、時間をかけて発表と質疑応答を行う研究会と呼ばれる発表会もあります。ここでは、各種の音の研究発表が集まる日本音響学会についてご紹介しましょう。1936年に発足した音響学会は来年80周年を迎えます。音響の分野は広く、音声認識、音声合成,聴覚心理・生理, 騒音・振動,建築音響,電気音響,音楽音響,超音波,水中音響、などのほか、音響教育、音響化学,アコースティックイメージングなどの分野も含みます。聴覚心理には視聴覚の分野も含まれます。メディア学部に関係が深い分野は、音声認識、音声合成、音声対話、音声検索、聴覚心理、音楽音響です。
3月の学会は、全国大会に分類されるもので、音響学会の場合は「研究発表会」と呼ばれています。発表にはポスターでの発表と口頭発表の2種類があります。口頭発表での1件の発表時間は12分の発表と3分の質疑応答の併せて15分です。発表プログラムは既に掲載されています。
 
 
今回、「音と音声によるインタラクション」研究室からは、音声対話、聴覚心理の分野での発表があります。

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コンピュータグラフィックスの研究紹介:「隠線・隠面消去(1972年)」

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本学大学院客員教授 西田友是先生は、学生時代からコンピュータグラフィックスの研究をしています。この記事では、初期のCG研究テーマの一つであった隠線・隠面消去について紹介します。
1070年代のコンピュータグラフィックスの研究は、現在多くの人が利用している液晶モニタのような描画機器はごく一部の研究室にある程度でした。このため、線を描いて、立体形状を表したり、文字を重ね書きして、濃淡を表示したりすることが行われていました。
隠線、隠面の処理はその基本的な手法といえます。見えないところを見つけるということを人は意識したことはほとんどないと思います。視線と物体との関係で一番近いところを見ていて、そこの後ろはみえていないのですから。
ところが、コンピュータで図形を描くときに、3次元情報である頂点、稜線、面などをもとに、2次元図形を描いていくのです。このとき、これらの情報は数値であり、図形ではありません。人が物体をみるとき、数値を見ているわけではありません。

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「メディア学部はどんなところか? 私はそこで何を学んだか?」

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皆さんこんにちは。

2年生前期から3年生後期まで、4学期にわたって「キャリアデザインⅠ」から「キャリアデザインⅣ」という必修授業があります。そこでは社会人になるための準備としてさまざまなことを学びます。学生自らが主体的に取り組むアクティブラーニングの形式です。

今日は、3年後期のキャリアデザインⅣで行っている「ショートプレゼンテーション」を紹介します。就職活動が実質的に始まる11月から12月にかけて、各学生が、自分をアピールするための1分間の発表を行うという授業です。

メディア学部はカバーする分野が広いです。そのため、就活の面接では、企業の面接官に「メディア学部って何を勉強するところですか」と聞かれることが非常に多いです。実は以前、そのときにちゃんと答えられない学生が多いという問題がありました。

であれば、その質問に対する答えを各自に強制的に準備させてしまおう、ということでこの「ショートプレゼンテーション」という取り組みを用意しました。

テーマはつぎのとおりです。

「メディア学部はどんなところか? 私はそこで何を学んだか?」

各自、もし面接でこのような質問が来た時にどう答えるか想定して、1分間のセリフを用意します。発表形式にするために、セリフと一緒に見せるスライドも作ります。本当の面接ではスライドは使えませんが、自分の考えやアピール点を整理させるためにも、スライド資料準備をさせています。もちろん、スライド資料を課題として提出させるという意味もあります。

必修科目ですから、3年生全員がこれに参加します。発表会は、約15クラスでの「予選」と、そこで選ばれた30名程度の「決勝」の2段階です。決勝は、全員が500名収容の大教室に集まり、スーツ姿の発表者がステージ上で次々と1分間プレゼンを行います。

その場で学生と教員が、決勝発表者全員に点数をつけます。評価基準では、内容はもちろんですが、スライド棒読みではなく聴く人に向かって語りかけているかも重要ポイントです。集計結果によって、最優秀1名と優秀発表者15名を選出し、「学長賞」が与えられます。

昨年度の最優秀者の発表の動画を紹介します。

http://youtu.be/jBlngviS13Y

これは1人の学生の具体的な見方ですので、メディア学部の一部の側面です。以下、今年度の決勝発表者の資料の中から、メディア学部を説明するスライドの抜粋もいくつか紹介します。

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たった1分間の発表のために資料を準備させ、リハーサル1回、予選1回、決勝1回と、3回分の授業時間を使います。その中で、お互いに教え合ったり他の人の発表を参考にしたりして、3年間近い大学生活を振り返り、就活での面接に備えています。

(メディア学部 柿本正憲)

大学院メディアサイエンス専攻修士1年生・研究発表会(ポスターセッション)を開催

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メディア学部准教授  菊池 司  です。

今回のブログでは、2015年2月13日(金)に開催された大学院メディアサイエンス専攻修士1年次生の「メディアサイエンス研究 I 審査会」について紹介したいと思います。

「メディアサイエンス研究 I 審査会」と書くとなにやらわけのわからない難しい審査が行われる会のように思えるかもしれませんが、簡単に言うと「大学院修士1年生の皆さんが、大学院に進学してからこの1年間でどのような研究に取り組み、どのような成果を上げてきたか、今後残されている課題は何か、その課題に対してこれからの1年間でどのように取り組むつもりなのか」を発表し、先生方や先輩・後輩とディスカッションをしようという会です。

このような趣旨の会ですから、今年度からの試みとして「ポスターセッション」形式での発表とし、より多くの人と長い時間じっくりとディスカッションをできるようにしました。

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図.ポスターセッションの様子

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おもしろメディア学 第74話 1×1=?(その3)

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今回は、前回の「面白メディア学入門:1×1=?(その2)」で紹介した要素積をもう少し現実的な内容に拡張し、実務上の考え方ないし実務上の処理の流れと、システム設計上の対応について考えてみよう。

 

5 ある人の201512日から1月5日までのスーパーにおける買い物の履歴について、以下は、この人の、各商品の購入数量と購入時の単価が各日付別に記録された交換代数形式のデータである。この人の日付別・商品別の購入額について計算せよ。

購入数量データ

= 5<リンゴ,,Y2015M01D02>

+ 3<リンゴ,,Y2015M01D03>

+ 5<リンゴ,,Y2015M01D05>

+ 1<メロン,,Y2015M01D05>

+ 5<ミカン,,Y2015M01D05>

購入単価データ

= 300<リンゴ,単価,Y2015M01D02>

+ 1500<メロン,単価,Y2015M01D02>

+ 100<ミカン,単価,Y2015M01D02>

+ 300<リンゴ,単価,Y2015M01D03>

+ 1500<メロン,単価,Y2015M01D03>

+ 100<ミカン,単価,Y2015M01D03>

+ 200<リンゴ,単価,Y2015M01D04>

+ 1000<メロン,単価,Y2015M01D04>

+ 100<ミカン,単価,Y2015M01D04>

+ 500<リンゴ,単価,Y2015M01D05>

+ 2000<メロン,単価,Y2015M01D05>

+ 300<ミカン,単価,Y2015M01D05>

 

もともとAADLでは、交換代数型のデータは4つの基底で実装されていると紹介してきた。ここで、もう一度その基底構成を復習しておくと、

< name, unit, time, subject>

誰が(subject )、何を(name)、いつ(time)、どれだけ(unit)を表しており、今回は、nameunittime3つの基底からなる属性の構成で紹介する。前回までは、何を(name)、どれだけ(unit)2つの基底でデータの属性を説明し、今回新たに時系列の属性(time)が加わったわけである。

上記のデータ例では、購入数量データについては、この人の購入実績のある品目・曜日のデータのみ記録されている。一方、購入単価データについては、2日から5日に至る、全ての品目(今回の例では、リンゴ、メロン、ミカンの3種類)の単価が記録されている。さて、上記の問の日付別・商品別の購入額の計算は、実はAADLでは非常に簡単である。前回のように、この購入額の計算が意味を持つもの、すなわち、

単価×数量→金額

を確認し、購入数量データ、購入単価データの単位(unit)基底それぞれ

個→円

単価→円

に振替変換した上で、各交換代数データを掛け算すればよい。その結果は以下のとおりである。

購入数量データ×購入単価データ

= 購入金額データ

= 5<リンゴ,,Y2015M01D02>×300<リンゴ,,Y2015M01D02>

+ 3<リンゴ,,Y2015M01D03>×300<リンゴ,,Y2015M01D03>

+ 5<リンゴ,,Y2015M01D05>×500<リンゴ,,Y2015M01D05>

+ 1<メロン,,Y2015M01D05>×2000<メロン,,Y2015M01D05>

+ 5<ミカン,,Y2015M01D05>×300<ミカン,,Y2015M01D05>

= 1500<リンゴ,,Y2015M01D02>

+ 900<リンゴ,,Y2015M01D03>

+ 2500<リンゴ,,Y2015M01D05>

+ 2000<メロン,,Y2015M01D05>

+ 1500<ミカン,,Y2015M01D05>

 

何の変哲もない計算のように見えるが、「同一品目・同一日の購入数量データと単価データが自動的に選択されている」計算になっている点に注意されたい。まず、この人の買い物は1235日の3日間に限られているが、単価データはスーパーが開店している他の日(4)の分も存在する。しかしこの人の購入実績のある235日の3日間だけ、そして実際に購入した品目だけ計算が行われている。つまり、AADLでは原則として同一基底を持つデータの間でしか計算を実行しない。そして、同じ品目同士だけ計算するのはもちろん、同じリンゴでも、当然のことながら、2日の購入は2日の単価で、3日の購入は3日の単価で計算が実行されている。

こうした計算をプログラミングする際、同じ品目、同じ日付の条件マッチングという面倒な手続きに煩わされた経験のある方も多いであろう。前回紹介したように、これらのデータ間の条件分岐を自動的に行なってくれるのがAADLである。すべて同じ基底を持つデータの間でのみ掛け算が定義され、これが実装されたAADLの「要素積」は、特殊な演算であるが実務上は常識的で、しかも極めて単純なロジックでの実装を提供できる(というより今見たように単なる掛け算である)

さて、今回のデータ事例に「誰が (subject )」を加えた、交換代数本来の4項基底でデータ管理を行えば、このスーパーの顧客別購入履歴リストを作成することができる。この場合も、基底の振替変換をうまく行えば、今回の例のように自動的に編集できる。試しに考えてみてほしい。

(メディア学部 榊俊吾)

おもしろメディア学 第73話 1×1=?(その2)

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前回の「面白メディア学入門」では、AADL(Algebraic Accounting Description Language)を通じて、掛け算の意味と方法についてデータ編集という実務における文脈のもとに紹介した。AADLにおける掛け算の実装は、同じ基底同士の交換代数の間で、かつ単位など掛け算として意味のある交換代数同士で定義される、という内容であった。今回は、AADLでこのように掛け算を定義すると、システム設計上どのような効果が期待できるかという内容について紹介しよう。

 

問4 以下のように果物の購入数量データと購入単価データがあるとき、果物それぞれの購入金額を求めよ。

購入数量データ

= 5<リンゴ,>+ 1<メロン,>+ 5<ミカン,>

購入単価データ

= 300<リンゴ,単価>+ 1500<メロン,単価>+ 100<ミカン,単価>

 

データ管理を行うとき、実務上は、共通の意味を持ったまとまりで管理すると、ミスを防ぎやすくなるだけでなく、いろいろな場面で利用しやすい。上記の問では、購入数量と購入単価それぞれについてデータをひとまとまりにして管理している。

AADLでは、リンゴ、メロン、ミカンなどの果物の各購入数量、各購入単価などを一つの交換代数形式の要素で表し、それを形式和でつないで一まとまりのデータファイルを作成できる。別の機会に詳述するが、AADLでは交換代数形式のデータファイルは、CSV形式で入出力できるようになっている。上の例では、購入数量データと購入単価データをそれぞれCSVファイルとして作成することができる。

さて、問4のように果物の購入数量データファイルと購入単価データファイルが交換代数形式で利用できるとしよう。このとき、購入金額は、前回の「面白メディア学入門:1×1=?」で見た通り、この計算が意味を持つもの、すなわち、

単価×数量→金額

を確認し、購入数量データ、購入単価データの単位(unit)基底それぞれ

個→円

単価→円

に振替変換した上で、各交換代数データを掛け算する。このとき、AADLでは同じ基底を持つ交換代数元同士の間でのみ掛け算を行うように実装されている。基底変換後の購入数量データと購入単価データはそれぞれ、

購入数量データ

= 5<リンゴ, >+ 1<メロン, >+ 5<ミカン, >

購入単価データ

= 300<リンゴ, >+ 1500<メロン, >+ 100<ミカン, >

であるので、それぞれ、リンゴ同士、メロン同士、ミカン同士の間でだけ掛け算が定義され、リンゴの購入数量とメロンの購入単価などの基底の異なる交換代数同士の間の計算は行われない。AADL上で実装されたこのような掛け算を「要素積」と呼ぶ。計算結果は以下のとおりである。

購入数量データ×購入単価データ

= 購入金額データ

= 5<リンゴ, >×300<リンゴ, >

+ 1<メロン, >×1500<メロン, >

+ 5<ミカン, >×100<ミカン, >

= 1500<リンゴ, > + 1500<メロン, > + 500<ミカン, >

この、同じ基底を持つ交換代数同士の間でだけ掛け算が定義されているという点がポイントである。このようなデータ管理システムのプログラムを書くときに、購入数量データと購入単価データの間で果物の名前をマッチングするロジックを作る必要がないからである。同じ果物同士の購入数量と購入単価を掛け算して購入金額を求めるという、実務上は常識的とも言える考えが、AADL上では特段のロジックを書くこともなく、要素積で実装できる。実務感覚でコードが書けるAADLの強みの一つがここにある。次回は、もう少し現実的な例で、この要素積の威力を見ていこう。

(メディア学部 榊俊吾)

メディアコンテンツコースの学生の学会における活躍

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学会とメディアコンテンツコースの研究教育活動との関係
 メディアコンテンツコースでは、コンテンツ作品を制作するための新しい手法、技術、システムを研究しています。
情報処理学会、画像電子学会などの工学系の学会には、主に、技術的な内容を発表しています。デジタルコンテンツクリエーション研究会では、技術的な内容に加えて、制作手法の研究発表なども発表しています。芸術科学会、映像情報メディア学会、日本図学会では、CG技術のほかに、コンテンツ制作に関係する融合領域の研究を発表しています。
日本デジタルゲーム学会では、ゲームデザインやインタラクティブコンテンツ制作に関する研究を発表しています。日本デザイン学会では、プロダクトデザイン、インタラクティブアート、コンピュータグラフィクス映像などの発表をしています。
さらに、音楽関係、マスコミ、展示デザインなど大変幅広いジャンルの研究に触れながら、メディアコンテンツコースの教育と最先端の研究を行います。
学会発表の事例紹介
メディアコンテンツコースの研究教育に関係する昨年度のブログ記事の一部を紹介します。国内学会とともに国際会議でもたくさん発表しています。
■コンピュータグラフィックス、アニメーション関係学会紹介:
日本図学会と秋季大会における大学院生の研究発表  2014.12.11
SIGGRAPHAsiaにおけるメディアサイエンス専攻の大学院生のポスター発表  2014.12.07
オーロラのCGシミュレーション研究が情報処理学会論文誌で特選論文に 2014.09.06
「魔女の宅急便」のモデルになった街でコンピュータグラフィックスの研究発表 2014.07.25

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学部4年生によるアート作品が国際学会で展示されました

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 みなさん、こんにちは。

 本日は、卒業研究「ミュージック・アナリシス&クリエイション」プロジェクトに所属している学生の活躍をご紹介します。

 少し前のことになりますが、2014年11月に秋葉原で開催された、アートとデザインの国際会議「ADADA International 2014」に、成田拓弘君が制作したアート作品「Tokyo Sound Communication」が展示作品のひとつとして選定され、発表が行われました。

                     <発表時の様子>

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 このアート作品は、複数の演奏者によって表現されます。一般的に音楽の演奏には楽譜が用いられますが、ここでは時間の経過とともに変化するコンピュータ・グラフィクスの表示が楽譜の代わりとなります。演奏者はこの映像を見ながら、自由に発想を広げて即興的に演奏します。

                   <作品のシステムの概略図>

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メディアコンテンツコースに関連する学会活動紹介

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(1)メディアコンテンツコースの教育研究目的
  メディアコンテンツコースでは、デジタル映像、CGアニメーション、ゲーム、Webコンテンツ、音楽などのコンテンツ制作を学び、新たなメディアコンテンツを創造・制作・発信できる能力を持った人材を育成することを目的としています。
(2)学会一覧
上記の目的のために、次のようなメディアコンテンツ制作技術、制作手法を研究分野としているさまざまな学会で活動しています。学会には研究テーマを限定した発表会を行っている研究会があります。ここでは、メディアコンテンツコースに関連の強い研究会を挙げています。

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未来社会をデザインするビジョナリーの卵が研究発表:大学院メディアサイエンス専攻

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平成26年度メディアサイエンス専攻修士2年次生の修士論文審査会が2月12日(木)に行われました。
メディアサイエンス専攻は先端的なメディア・コンテンツを作りだす力を持ち、明るい未来社会をデザインするビジョナリーの輩出を目指します。2年間という期間で、さまざまな先端的な研究を調査するとともに、新しいアイデアで社会を切り開くコンテンツ、技術、サービスを研究した成果を発表しました。

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今後、学会で発表予定である研究もあることから、研究発表の大まかな内容をここでは紹介します。

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二日間で学習ゲームを制作する「シリアスゲームジャム」に学生たちが参加!

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 メディア学部 教員の岸本です。
 今私が指導している二つの「春休みスペシャルプロジェクト」のうち今回は、二日間でシリアスゲームを制作するイベント「シリアスゲームジャム」に挑戦する学生たちを紹介します。

 「ゲームジャム」とは、或るテーマの下に集ったメンバーが短期間に集中してゲーム制作に取り組むイベントです。娯楽用のゲームではなく社会に役立つという目的を持った「シリアスゲームジャム」は、日本国内では2014年に初めて開催されました。「英語学習」「サイバーセキュリティ」をテーマとした第1回、第2回の実績を踏まえ、第3回シリアスゲームジャムは「小中学生にインターネットの安全な使い方を学んでもらう」ことをテーマに、来たる2月21、22日の二日間、都内会場にて開催されます。「サイバー犯罪魔王に立ち向かう勇者を鍛え、ゲームの力で世界を救え!」を旗印に、サイバーセキュリティ専門家の知識と、ゲーム開発者・学生らの技術と発想力を結集する熱い二日間になるはずです。本学からは学生14名が制作メンバーとして参加、更に3名がスタッフとしてイベントを支えます。

 当日制作されるゲーム企画は次の5タイトルに決まりました!

Serichan

▲サイバーセキュリティの擬人化“セリちゃん“

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コンテストに向け、春休みも数学ゲームを制作中!

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 メディア学部 教員の岸本です。
 大学は今春休みですが、毎日のように登校し、熱心に作業をしている学生たちがいます。私が指導している二つの「春休みスペシャルプロジェクト」のうち、今回は「グローバルマス2014年度コンテスト」に挑戦する学生たちの取り組みを紹介します。

 ㈱ベネッセホールディングス主催の「グローバルマスコンテスト」は、単なる算数ドリルではない「数学的思考力を身につける学習ゲーム」を制作するコンテストで、さまざまな大学・専門学校のチームが参加を表明しています。本学は昨年度も参加して複数の賞を受けました。本年度は1年生から4年生までの自主参加25名による10チームが挑戦することになりました。春休みは、1年間の技術習得の成果を試せる実践の場。3月6日の応募締切を目標に、1月下旬から全員が一つの部屋に集まって、互いに刺激し合いながら作業を進めています。

Gmlogo

▲プロジェクトのロゴ

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▲参加学生の集合写真

▼Global Math- グローバルマス

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大学院メディアサイエンス専攻の研究発表会のお知らせ

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大学4年間の学修の総まとめが卒業研究ですが、その先には大学院があります。本学は 大学院バイオ・情報メディア研究科があり、そのなかにメディアサイエンス専攻があります。メディア学部で学んだことをさらに深めるために多くの学生が大学院で研究をしています。その成果を発表する審査会が次のように行われます。

2年生は大学院2年間の総まとめを発表します。学会などでも発表した成果を含めて、毎年とても充実した発表が行われます。
1年生は、研究テーマを決めて、文献調査をしていたりした成果をもとに、議論をたくさん行うためにポスター発表という形式で行います。教員だけでなく、学生も気軽に質問をすることができます。
この発表時に受けるたくさんの質問やコメントをもとに、2年生の研究を進めることができます。多くの方の参加をお待ちしています。

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平成26年度 メディアサイエンス専攻修士2年次生の修士論文審査会

実施日:2月12日(木)
開始時間:午前9時
教室:片柳研究所 KE304
教職員、学生のみなさんは、学内Webでプログラムを確認してください。

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学会ってなに?

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皆さんこんにちは。

大学の役割は教育と研究の二つです。メディア学部では、入学した新入生は、3年生までは「教育を受ける」ことになります。4年生は「研究(卒業研究)を行う」ことになります。これは他学部、他大学の多くの学部と同様です。

今日は、入学したら3年後に必ず行う「研究」の話のうち、世の中にたくさんある「学会」について紹介します。

簡単に言うと、学会は研究者が成果(論文)を発表する場です。研究成果の条件は主に2つあって、新規性(まだ誰も発見や解決をしていないこと)と有用性(役に立つこと)です。投稿された論文にそれら条件を満たしている成果が書かれている、と認める機関が学会で、認めた論文を掲載するのが学会誌や論文誌です。

認める作業はもちろん人間が行います。審査員は研究内容を理解する必要があります。だから、同じ分野のライバルでもある研究者仲間が審査(論文の査読)するしかありません。英語でpeer reviewと呼ばれ、直訳すると「仲間による審査」です。

もちろん、審査なしで発表できる機会(会議)もあります。学会主催の会議には、小は十数人から、大きなものでは数千人や1万人以上の研究者仲間が集まります。そして10~20分程度の各発表に対して質疑を行います。学生でもノーベル賞受賞者でも、学会発表の場では研究者仲間として対等に議論します。発表者はその議論を踏まえて研究を進め、その後論文投稿して審査を受けます。

このように、学会は、同じ分野の研究者仲間が所属する組織で、お互いに研究を高め合い審査し合うという役割があります。

日本学術会議の「学会名鑑」には国内1997の学会が登録されており、それだけ多くの研究分野があるということです。さらに学会の中は、より細かい分野に分かれて「研究会」が組織されるのが通例です。例えば、私が会員になっている情報処理学会(会員約2万人)には38の研究会があり、その中で私は「グラフィクスとCAD研究会」の会議(研究発表会)によく参加します。

会員になるのは簡単で、その分野に興味があるから会員になりたいと申し込み、承認を受けます。よほどのことがない限りは承認されます。年会費を数千円から1万円程度払う必要があります。

学会は組織ですから、会長は必ずいますし、中のいろんな部門の委員長や委員など、役職を受け持つ会員もたくさんいます。しかし、会社と違い、研究者である会員が引き受ける役職はすべてボランティアです。組織の長というより、取りまとめ役です。大学の教員は研究者ですから、そのような学会ボランティアをやることも多いのです。次回以降、メディア学部の先生方がどんな学会に関わっているか、さまざまな分野の学会を紹介します。

メディア学部では、4年生で優秀な卒業研究を行った学生には、積極的に学会の会議での発表をさせます。学部生のうちに審査のある国際会議に通った例もあります。その後大学院に進学すると、論文誌に投稿したり国際学会で発表したりするなど、研究成果もより高くなります。

メディア学部の学生がどんな学会で発表したか、発表に対してどんな賞をもらったかなども次回以降の記事で紹介します。入学する皆さんは、頑張れば、そしてちょっと運が良ければ、4年後にはその分野の専門家として研究発表できます。もしかしたらノーベル賞級の研究者と対等に議論できるかもしれません。

(メディア学部 柿本正憲)

おもしろメディア学 第72話 Twitterはなぜ炎上しやすいのか?

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最近のインターネットでよく起きる「炎上」について考えてみましょう。
Wikipediaでは炎上について、
『田代光輝は炎上を「サイト管理者の想定を大幅に超え、非難・批判・誹謗・中傷などのコメントやトラックバックが殺到することである(サイト管理者や利用者が企図したものは「釣り」と呼ばれる)」と定義している。』と記載しています。
近年ではサイト管理者ではなく、特定のSNSアカウントに対して同様の避難・批判などが起きることも炎上と呼ぶようであり、こちらも大きな問題となっています。
最近増えてきた炎上の傾向としては、自らが犯罪ないし反社会的な行為をSNS上に投稿してしまうというものが挙げられます。大学生が「飲酒運転した」と書いてみたり、バイト先のコンビニで冷蔵庫に入った写真をアップロードするなどの行為はここ数年の間に多く見られるようになってきました。
このような投稿からはじまる炎上は主にTwitterで見られており、Facebookなどの他のSNSではあまり表に挙がってきません。これはなぜでしょうか?
一般的にSNSは人間関係をインターネット上で育成するシステムですので、SNSといえば友達同士がつながったものと考えがちです。また、Facebookなどでは、基本的にそのような友達同士がつながっていることが一般的であり、外部には情報を公開していない人も多いようです。
しかし、Twitterのアカウントではフォロー・フォロワーというタイムライン上の人間関係はそれぞれの人が自分で管理できますが、実際の投稿はRetweetという方法で直接の人間関係からおおきく広げることができるようになっています。
このような人間関係の強さを「紐帯の強さ」と呼ぶことがあります。
この観点で考えるとTwitterは「紐帯」すなわち「人間関係」の強さとしては弱い関係を築くのに適したシステムです。しかし、高校生や大学生が一般に利用しているLineや世界最大のSNSのであるFacebookは逆に強い関係を構築するためのシステムです。また、高校生の世界観からすると「強い紐帯」である非常に関係性の深い仲間との交流が主であるとも考えられます。
TwitterではSNSの基本である自分と関係がある人のみならず、多くの人に投稿を見られてしまう可能性があるのですが、その危険性が十分に理解されていないということが挙げられます。
この差に気が付かずに、同じインターネット上のサービスだとして、Twitterを利用してしまうと思わぬ炎上の素を提供することになっているのだと言えるでしょう。
Twitterに限らないのですが、インターネットを利用したサービスでは自分の発言が自分の管理できない広さに広がることを想定することが大切になります。
(メディア学部 羽田久一)

卒論発表会

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先日、卒研プロジェクト「コミュニケーションアナリシスプロジェクト」の卒論発表会がありました。ここでは、卒研プロジェクトに所属する4年生(卒研生)が、執筆した卒業論文について発表します。卒業論文は、一年間かけて取り組んできた卒業研究をまとめたものです。この卒論発表会では、卒研生1人あたりの持ち時間が15分(発表12分、質疑応答3分)ありましたが、先生方から厳しいコメントや興味深い質問もあり、質疑応答は白熱していました。朝の10時から始まり,18名分の発表が終わった時には18時を過ぎていました。下記の写真は、卒研生が発表している様子です。

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コミュニケーションアナリシスプロジェクトでは、私達の日常で生じるコミュニケーションの全てが研究対象になります。そのため,研究のテーマは様々です。今年の卒論発表会でも、「漫才とコントの比較」や「LINEの既読機能やスタンプの影響」をはじめ、「多人数で対話している時の話者交替」や「漫画の描き文字における多言語比較」など、幅広い研究成果が発表され、既に学会で発表できるくらい質の高い発表もありました。卒業研究で特に優れた成果を挙げた学生は、3月に東京大学で行われる学会(人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会)で発表する予定です。

メディア学部では、色々な分野の卒業研究に取り組むことができます。
1年間かけて研究し、その成果を卒業論文にまとめるまでの道程は大変ですが、大学生活を締め括るのに相応しい達成感を得ることができます。入学を目指している皆さんも、大学4年生になったら自分の興味がある分野を見つけて1年間しっかり卒業研究に取り組んでください。必ずその時に努力したこと、頑張ったことが社会人になった時に経験として生きるはずです。

文責: 寺岡

地域活性化のためのコンテンツデザイン(その1)

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こんにちは、メディア学部助教の松橋です。
その時々のヒット商品を番付を決めるものに日経MJヒット商品番付というものがあります。2014年上期の横綱は、東が「格安スマホ」、西が「ア ナと雪の女王」。2014年下期の横綱は、東が「インバウンド消費」、西が「妖怪ウォッチ」。
この横綱の中で、もしかしたら、なじみの薄い「インバウンド消費」について、今回は取り上げたいと思います。皆さん、インバウンド消費をご存じでしょうか。
インバウンド消費とは、訪日外国人旅行者が国内でモノを買ったり、宿泊したりすることで生じる消費のことです。妖怪ウォッチもグッズの売り切れ続出、映画の大ヒット、海外進出で多くの経済効果を生んでいますが、インバウンド消費はそれ以上の経済効果を国内にもたらすものです。

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おもしろメディア学 第71話 どこから音が来てるの? 

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みなさん、こんにちは、

 
コンサートに行くと、ステージにはオーケストラが美しく並び、いろいろな方向からいろいろな楽器の音が聞こえてきます。ステレオヘッドホンで音楽を聞くと、コンサートのように、いろいろな方向からいろいろな楽器の音が聞こえてきます。みなさんの中にも、パソコンでもオーディオ機器でも、左の音量を上げると音は左から聞こえ、右の音量を上げると音は右から聞こえることを体験している人もいることと思います。
例えば、ヘッドホンをお持ちの方は次の音を聞いてみてください。
 
音が左右に動いているように聞こえると思います。音の強さの変化を見てみましょう。

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               図1 左右の音を交互に増減。合わせると音量一定です。

 

左の音も右の音も、元は一定の周波数(音の高さ)の正弦波と呼ばれる正確に同じ振動を繰り返す音です。図では真っ青にみえていますが、本当はその中に1秒に220回もの波が入っているのです。あまりたくさん入っているので細かい変化が見えなくなってしまっています。その波の繰り返しの振れ幅を周期的に変化させているのです。

音の到来方向を左右する要因は左右の音量の違いがすべてと思われがちですが、実は、左右の音量を変えなくても音の到来方向が変わることがあるのです。さてそれは…

 

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読みやすいプログラムを書く授業

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皆さんこんにちは。

メディア学部では、基礎的な素養の一つとしてコンピュータ・プログラミングを勉強します。プログラマやIT技術者になる人以外でも、論理的な考え方を鍛えるために、プログラミングの勉強は役に立ちます。

今日は、私が担当している選択科目のプロジェクト演習「リファクタリング」を紹介します。受講者10数名の少人数授業です。

大学では、情報系はもちろん、理工学系の多くの学部でプログラミングの授業・演習があります。授業は理論の説明が中心で、演習は、何かのテーマのプログラムを一から作ってみることを行います。

ところが、実際企業でプログラマーをやっていた経験だと、これらの大学の授業で十分カバーしていない重要なノウハウがあります。それがリファクタリングです。大きなテーマの講義の中の2,3回の授業で紹介されることはあっても、リファクタリングを1学期分の演習として実践する授業はほかには見当たりません。

リファクタリングは、おおざっぱに言うと「人が読みやすいプログラムを書く」ことです。

そんなの当り前でしょ、と思われるかもしれません。でも実際にはこれがなかなか実践できないものなのです。プログラムを書いて機能追加をやったことのある人なら、だんだん長くなって読みづらくなった経験が必ずあるはずです。

「リファクタリング」演習(シラバスはこちら)では、各回一人の学生が自分の書いた既存プログラムを持ってきて題材にします。スライドスクリーンにプログラムを編集する画面を出し、教員や他の受講生が、ここをこう直せばいい、という議論をします。実際に直しては実行し、また別の問題点を見つけてはどう直すか議論して実行し、ということを繰り返します。この間、そのプログラムの動作・機能はけっして変えません(それがリファクタリングの鉄則です)。

授業が終わるころには、題材のプログラムは間違いなく読みやすいものに変わっています。

実は本格的なリファクタリングとは言えないのですが、よくある変更は、各種の「名前」です。プログラムを書く際には、自分で名前をつけなければいけないものがたくさんあります。ある一連の機能(関数)の名称を適切にすることや、データを格納する「変数」にそのデータにふさわしい名前をつけることは、プログラムを読みやすくする最重要課題です。場合によっては一つの名前の議論だけで10分以上も費やすこともあります。

余談ですが、ある天才プログラマは「変数名一つ考えるのに半日費やすこともありますよ」と言っています。

このような議論を集中的にやりながらプログラムを読みやすい構造に変えていきます。授業後は教員も学生もヘロヘロになります。でも、これは私にとっては会社にいたころのコード・レビューそのものです。きっと受講生には実践的な力がつくと信じています。

(メディア学部 柿本正憲)

隣の先生(研C-301)

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メディア学部では、助教の先生方は一つの部屋を相部屋で利用しており、通称「助教部屋」と呼ばれています。今回は、助教部屋の一つ研C-301について紹介します。

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まず、上記の写真でドアの上に貼られている物は何か分かりますか?一見、金属製の胸像のような印象を受けますが、これは3Dプリンタで作製した胸像をスプレーで着色した物であり、合成樹脂からできています。ちなみに胸像のモデルは私です。これは、研C-301を私と共同利用している助教の先生が、お試しに作った物です。

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上記の写真は、研C-301にある三台の3DプリンタとCNC(コンピュータ制御の削り出し機)です。これらの機器は、その助教の先生が研究用に使用されています。例えば、タブレットとスマートフォンを連携させて3D空間を二つの画面で立体的かつ動的に表示するシステム(VISTouch)を研究開発されたのですが、スマートフォンの位置をタブレット上で認識するために、スマートフォンを特殊なケースに入れて使用する必要があります。このケースを上記の3Dプリンタで実際に作成しているのです。そして、2014年に行われたMashup Awards 10にて、その先生の作品(VISTouch)が優秀賞に輝きました。下記がそのトロフィーです。

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同室を共同で利用している私としては、このような機器が稼動していると、騒音に悩まされる時もありますが、最先端の研究作品を制作過程から間近で見ることができるというのはとても貴重な経験です。そして、このように制作過程から見ていた作品が大会で表彰されると感慨も一入で、専門分野は違えども同じ研究者として刺激を受けています。

このブログの読者の方でメディア学部に入学した方がいれば、研
C301の前を一度は通りかかってみてください。ひょっとしたら新しい研究が生まれる音が聞こえるかもしれません。


(文責:寺岡)

 

NICOGRAPH 2014 にて「ベストプレゼンテーション賞」を受賞

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メディア学部准教授の菊池 司です.

2014年11月3日・4日に愛知工業大学八草キャンパスにおいて開催された「NICOGRAPH 2014」にて,我々の研究グループによる研究発表「雪崩による雪煙のビジュアルシミュレーション」が「ベストプレゼンテーション賞」を受賞しました.

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本研究では,雪崩によって引き起こされる雪煙のビジュアルシミュレーション法を提案しました.

提案手法は,山の斜面をポリゴンモデルで生成し,雪崩発生源から雪塊を表す雪パーティクルを落下させ,雪パーティクルと斜面ポリゴンとの衝突を検知し,衝突点からナビエ・ストークス方程式による雪煙拡散速度場を生成します.そして,生成された速度場に沿って運動する雪煙の密度をボリュームレンダリングすることによって,雪崩による雪煙のビジュアルシミュレーションを行うというものです.

この手法により,山斜面の斜度の違いなどによって引き起こされる雪煙の違いも表現可能となっています.

下に示すのは,本研究によって生成されたフル CG 画像の例です.

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近年 CG 技術の発展は目覚しいものがあり,様々なところで CG 映像を目にする機会が増えています(エンターテインメント分野だけでなく,教育,医療などの現場でも CG 技術が用いられています).
そのため,多くの人は「CG って,もう研究とか開発するようなことはないでしょ?もう充分いろいろなことをリアルに表現できるでしょ?」と感じるかもしれません.

しかし,私たちの身の周りにはまだまだ CG では表現できないことがたくさんあります.
日常生活のなかの何気ない出来事,現象のひとつひとつに,研究のシーズやヒントが隠されています.

そのような CG 研究を行ってみたい人は,是非東京工科大学メディア学部に来て,我々と一緒に研究をしましょう!

メディア学部  菊池 司

キャンパス紹介:雪のきれいな冬景色

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1月30日に八王子で雪が降りました。その時のキャンパスは写真のように真っ白でした。講義棟の間には、大きな木々やブロンズ像などがあります。それらが雪をかぶってきれいに見えます。

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メディア学部の学生が先進印刷技術展 2015に出展

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 こんにちは、メディア学部助教の松橋です。

 大学の研究では研究成果の実社会への応用が求められています。メディア学部のソーシャルコンテンツデザイン(担当:千代倉弘明、飯沼瑞穂、松橋崇史)に所属する4年生の矢部裕太君は、自身が取り組むシャドーボックスの制作技術を紹介するCG動画制作を用い、シャドーボックスの振興 への効果を評価する研究を行っています。

 CG動画の評価を実施する段階で出会った画像処理技術を専門とする株式会社ダッ    クエンジニアリングとの連携で段ボールへの印刷技術を用いた シャドーボックスの作成に挑戦することになり、この度、東京ビックサイトで行われている先進印刷技術展 2015 - Convertech JAPAN 2015(開催期間1月28日~30 日)に出展し、協働で作成した制作物を披露することになりました。今後、ビジネスに展開する可能性を秘めています。


3次元化したキャラクターの元イラスト<下>


_illust_by_


シャドーボックスの技術を用いて3次元化したキャラクターと矢部君<下>

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