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地域活性化のためのコンテンツデザイン(その1)

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こんにちは、メディア学部助教の松橋です。
その時々のヒット商品を番付を決めるものに日経MJヒット商品番付というものがあります。2014年上期の横綱は、東が「格安スマホ」、西が「ア ナと雪の女王」。2014年下期の横綱は、東が「インバウンド消費」、西が「妖怪ウォッチ」。
この横綱の中で、もしかしたら、なじみの薄い「インバウンド消費」について、今回は取り上げたいと思います。皆さん、インバウンド消費をご存じでしょうか。
インバウンド消費とは、訪日外国人旅行者が国内でモノを買ったり、宿泊したりすることで生じる消費のことです。妖怪ウォッチもグッズの売り切れ続出、映画の大ヒット、海外進出で多くの経済効果を生んでいますが、インバウンド消費はそれ以上の経済効果を国内にもたらすものです。

(写真)

アベノミクス開始以降、日本では円安が進み、海外の人からすると日本への旅行が「格安」となっています。1ドル=80円だった時から比べ、1ド ル=120円は、ドル所有者の立場で考えると、1ドルで日本国内で買えるものが1.5倍となります。ホテルの価格は、3分の2になるということです。 こうした影響もあり、今年の海外からの旅行者は最終的に1300万人を突破し、昨年比で300万人程度も増加する見込みとなっています。
当然ですが、逆に、日本人が海外へ渡航し、現地で過ごす際に必要な費用は、1.5倍になっています。
けれど、最近公表されたデータによると、増加した300万人は、東京や京都に集中しているそうです。地方は旅行者増加の恩恵をあまり受けていない ようなんです。日本人の感覚で考えれば、海外での現地滞在費が安くなったから、(例えば、アメリカの場合であれば)ニューヨークやサンフランシスコ など有名都市での滞在を長くしよう、と考えることと同じことが起きている、ということです。
こうした訪日外国人旅行者を地方に引き込むために、政府も目玉政策「地方創生」の中で、観光事業の活性化を促そうとしています。そこでは、受け入れ態勢(宿泊施設の整備や外国語による案内の拡充、HPの充実)と共に、既存の魅力を、国内外にいかに発信していくのか、ということが求められる ことになります。
地域ごとの既存の魅力をいかに高め、いかに発信していくのか、ということはメディア学部にも関わる重要な課題です。インバウンド消費の増加や2020年の東京五輪開催も 相俟って、今後の重要な課題の1つになります。
魅力を発信してインバウンド消費を牽引した事例には、例えば、次のようなものがあります。秋田が舞台になり、韓国でヒットした韓国ドラマ「アイリス」の影響で秋田県に多くの韓国人が訪れました。国内のスキー場の上質な雪を求め て、南半球からのスキー旅行者が増えているということもあります。これは、海外向けに雪質をアピールし、受け入れ態勢を整備した結果でもありま す。こうした現場では、情報発信のために、CGや音響などのメディア関連の基礎技術、Webでの効果的なPR方法などの応用技術をもった人材が求められることになります。
今回の記事に続く、地方創成のためにメディア学部ができること(その2)では、地域の既存の魅力を発信するという学生の卒業研究を紹介したいと思います。

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