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学部4年生によるアート作品が国際学会で展示されました

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 みなさん、こんにちは。

 本日は、卒業研究「ミュージック・アナリシス&クリエイション」プロジェクトに所属している学生の活躍をご紹介します。

 少し前のことになりますが、2014年11月に秋葉原で開催された、アートとデザインの国際会議「ADADA International 2014」に、成田拓弘君が制作したアート作品「Tokyo Sound Communication」が展示作品のひとつとして選定され、発表が行われました。

                     <発表時の様子>

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 このアート作品は、複数の演奏者によって表現されます。一般的に音楽の演奏には楽譜が用いられますが、ここでは時間の経過とともに変化するコンピュータ・グラフィクスの表示が楽譜の代わりとなります。演奏者はこの映像を見ながら、自由に発想を広げて即興的に演奏します。

                   <作品のシステムの概略図>

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 実は、演奏者が見る映像には、ディジタルの力を使ったちょっとした「仕掛け」があります。この「仕掛け」とは演奏者の音をリアルタイムで分析し、その結果を映像の色や形・数などに当てはめるというもので、演奏が即興によるものであるため、映像は予測できない変化をします。また、複数の演奏者が参加することから、一緒に演奏している人の音の「ふるまい」も映像の変化に影響するので、次の展開を予想できないドキドキワクワクした気持ちになります。

                   <パフォーマンスの様子>

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 「音で絵を描くようなもの?」…そんなイメージですね。「変化する楽譜で即興演奏をするの?」…そのようなものともいえます。「音楽で対戦するゲーム?」…そんな風に楽しんでもらっても大丈夫です。

 この作品は、音楽に習熟した人でも、演奏相手や映像変化の思わぬ反応から、自分でも弾いたことのないようなフレーズを思わず演奏してしまうきっかけにもなります。また、いろいろと難しいことを考えなくても楽しめるようにできています。子供たちがよく使うリコーダーやカスタネットなどの音にも反応しますし、出てくる映像も音符ではありません。ですので、映像を見ながら素直に音を出すことを楽しむ方であれば、誰でもこの作品に参加できます。実際、作品を制作している段階でいろいろな人たちに試してもらったのですが、この作品を一番素直に、長時間楽しんでくれたのは子供たちでした。

            <シャボン玉の映像に触れようと手を伸ばす子供たち>

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 この作品について成田君からのコメントです。

 即興演奏において、演奏者が互いのコミュニケーションを聴覚的情報やアイコンタクトなどの直接的な視覚的情報に頼ることなく、演奏と連動して描写が行われるビジュアルに対し、それぞれ一定のルールを設定して図形楽譜のように理解することで新たなコミュニケーションの形をつくる目的で制作しました。このような手法をとることによって、より自由度の高い即興演奏を目指しています。また、ビジュアルとサウンドが一体になることによって、即興演奏を音楽作品からメディアアート作品へと昇華させる目的もあります。
 国際学会での発表では想像以上の反響があり、嬉しい限りです。今後の制作への意欲がより増しました。上の写真でも紹介されていますが、制作過程でも多くの人に作品に触れてもらいました。そのときのパフォーマンスを収録した映像がありますので、よろしければ是非ご覧ください。(成田拓弘)



 私たちの卒業研究プロジェクトでは、音楽の分析を通した研究と創作を行っていますが、この作品のようにディジタルの力を使った最先端の音楽とアートの創作から、「演奏とは何か」「アンサンブルとは何か」といった「人が音を紡ぎ出す行為」を問うような活動にも取り組んでいます。

 (執筆・伊藤謙一郎)

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