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学会ってなに?

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皆さんこんにちは。

大学の役割は教育と研究の二つです。メディア学部では、入学した新入生は、3年生までは「教育を受ける」ことになります。4年生は「研究(卒業研究)を行う」ことになります。これは他学部、他大学の多くの学部と同様です。

今日は、入学したら3年後に必ず行う「研究」の話のうち、世の中にたくさんある「学会」について紹介します。

簡単に言うと、学会は研究者が成果(論文)を発表する場です。研究成果の条件は主に2つあって、新規性(まだ誰も発見や解決をしていないこと)と有用性(役に立つこと)です。投稿された論文にそれら条件を満たしている成果が書かれている、と認める機関が学会で、認めた論文を掲載するのが学会誌や論文誌です。

認める作業はもちろん人間が行います。審査員は研究内容を理解する必要があります。だから、同じ分野のライバルでもある研究者仲間が審査(論文の査読)するしかありません。英語でpeer reviewと呼ばれ、直訳すると「仲間による審査」です。

もちろん、審査なしで発表できる機会(会議)もあります。学会主催の会議には、小は十数人から、大きなものでは数千人や1万人以上の研究者仲間が集まります。そして10~20分程度の各発表に対して質疑を行います。学生でもノーベル賞受賞者でも、学会発表の場では研究者仲間として対等に議論します。発表者はその議論を踏まえて研究を進め、その後論文投稿して審査を受けます。

このように、学会は、同じ分野の研究者仲間が所属する組織で、お互いに研究を高め合い審査し合うという役割があります。

日本学術会議の「学会名鑑」には国内1997の学会が登録されており、それだけ多くの研究分野があるということです。さらに学会の中は、より細かい分野に分かれて「研究会」が組織されるのが通例です。例えば、私が会員になっている情報処理学会(会員約2万人)には38の研究会があり、その中で私は「グラフィクスとCAD研究会」の会議(研究発表会)によく参加します。

会員になるのは簡単で、その分野に興味があるから会員になりたいと申し込み、承認を受けます。よほどのことがない限りは承認されます。年会費を数千円から1万円程度払う必要があります。

学会は組織ですから、会長は必ずいますし、中のいろんな部門の委員長や委員など、役職を受け持つ会員もたくさんいます。しかし、会社と違い、研究者である会員が引き受ける役職はすべてボランティアです。組織の長というより、取りまとめ役です。大学の教員は研究者ですから、そのような学会ボランティアをやることも多いのです。次回以降、メディア学部の先生方がどんな学会に関わっているか、さまざまな分野の学会を紹介します。

メディア学部では、4年生で優秀な卒業研究を行った学生には、積極的に学会の会議での発表をさせます。学部生のうちに審査のある国際会議に通った例もあります。その後大学院に進学すると、論文誌に投稿したり国際学会で発表したりするなど、研究成果もより高くなります。

メディア学部の学生がどんな学会で発表したか、発表に対してどんな賞をもらったかなども次回以降の記事で紹介します。入学する皆さんは、頑張れば、そしてちょっと運が良ければ、4年後にはその分野の専門家として研究発表できます。もしかしたらノーベル賞級の研究者と対等に議論できるかもしれません。

(メディア学部 柿本正憲)

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