コミュニケーションアナリシスプロジェクト卒研生が外部研究発表~その1
2015年3月17日 (火) 投稿者: メディア技術コース
3月9日(日)に東京大学で開催された人工知能学会の下部研究会である「言語・音声理解と対話処理研究会」で本プロジェクトの学生が発表しました。
http://www.lai.kyutech.ac.jp/sig-slud/73rd_SLUD.html
一人目は土肥健太くん。タイトルは、「仮想的演技空間の創出方略の分析〜同一ネタの漫才とコントの違いを通じて」
本学で撮影したサンドイッチマンのネタで、話し方や身体の向きの違いをみています。
漫才はお客さんに話しかける二人の立ち話をみせるもので、同じ演劇場に演者も観客も存在するもの、コントは演者二人がハンバーガーショップという仮想空間をつくり、それを芝居仕立てで客席(現実空間)にいるお客さんに見せるもの、さて違いは?
分析の結果次のことが分かりました
1. 発話中の「間」がコントではほぼ0秒なのに対して、漫才ではマイナス0.1秒からプラス0.3秒とバラつきがあります。これは、コントの方がぴったり相手の言い終わった直後に話し始めていることになります。漫才の方は、それが「返答」であるのか「ツッコミ」であるのかによって、話し始めが早くなったり遅くなったりと緩急がつけられています。
2. 二人の身体の距離を調べています。漫才では二人の距離が近く、身体の向きは観客側に開いていることが大方です。コントでは二人の距離が十分にとられ、身体は逆に相方向きになっていました。これは、漫才では観客に向かって話しかけ、コントでは相方に向かって話しかけることが多いということです。でも、「ツッコミ」の瞬間だけは、伊達さんの身体の向きは観客の方へ向きます。これは「ツッコミ」は観客に見せているもの、と考えることができます。
残念ながら土肥くんは会社の研修で発表には来られませんが、助教の寺岡先生が細大漏らさず発表してくださいました。質疑応答では、「観客との兼ね合いで「間」や身体の向きが変わらないの?」という質問がありました。
実は、まったく同じネタを観客が居ない状況でしてもらっているデータもあります。実は、観客が居ないと、二人は漫才だろうがコントだろうが正面(観客席の方)を向きっぱなしなんですね。お互いに向き合うのが照れくさいみたいです

二人目の発表は、白土俊平くんで「物理的環境に埋め込まれた多人数インタラクションとしての指揮に伴う言語行為分析」というタイトルでの発表でした。こちらは、明日紹介します。 (つづく)
に
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