標準的な教科書である「コンピュータグラフィックス:分担執筆、CG-ARTS協会発行)」に研究成果の画像が掲載(その1)
2015年4月14日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース
大改訂されたコンピュータグラフィックスの教科書(CG-ARTS協会発行)が送られてきました。この中に私の1980年代の研究成果の画像が掲載されました。ご紹介いただいた執筆者の皆さんに感謝です。教科書に自分の研究成果が掲載されることは、研究者の一つの夢です。一般的な手法として高い評価を得た結果です。
CG-ARTS協会から新たに改定した「コンピュータグラフィックス」の表紙
このCGの教科書の初版(平成7年、20年前です)と第2版は私は編集委員でした。この写真では、下の3冊です。最新の教科書は、第6章の一部を執筆しています。コンピュータグラフィックスを研究分野にしてきましたが、この書籍では、第6章の画像処理の解説を書きました。改訂した最新版でも以前に執筆した部分が生かされています。
図6.24のグラデーションの画像は、1980年代初期に研究していたペイントシステムの機能の一例です。1990年にPhotoshopが販売される前の研究成果(参考文献1,2)です。Eurographics1985(フランスのニース)の論文(参考文献3)にも同じような例があります。
図7.27は「ディジタル画像処理」でも紹介されたアルゴリズムで生成したイラスト風画像です。卒業研究生の成果です。もとの写真は、イタリアのミラノで行われたEurographicsに行ったときに私が撮影しました。考文献4に詳しいアルゴリズムが書いてあります。
図7.32は3次元形状を描いていますが、3次元モデルを使わず、我々が開発したペイントシステムを利用して描いた例です。面ごとに異なる光源を仮定して、形状理解を助ける表現をしています。1985年に情報処理学会25周年記念論文(参考文献2)になったものです。
参考文献:
1.近藤邦雄, 田嶋太郎, 木村文彦,レンダリングのための濃淡表現アルゴリズム,日本図学会, 図学研究,Vol.39, 1986.9
2.近藤邦雄, 田嶋太郎,木村文彦, インタラクティブレンダリングシステムによる3次元形状の表現, 情報処理学会,情報処理,Vol.26,No.11, 1985,
3.Kunio KONDO, Fumihiko KIMURA, Taro TAJIMA , An Interactive Rendering Technique for 3-D Shapes, EUROGRAPHICS’85, pp.341-352,1985
4.Yusuke HAMASAKI, Kunio KONDO, Image Generation Method using Synthesis and Control of Rendering Region, Asia Digital Art and Design Association, International Journal of ADADA, Vol.1, pp.31-36, 2004.4,
5.濱崎雄介,近藤邦雄 ,実写画像をもとにしたイラストレーションの生成手法,画像電子学会・情報処理学会,Visual Computing/グラフィクスと CAD 合同シンポジウム 2003, pp.189 -194,2003.6,
メディア学部 近藤邦雄
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