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八王子キャンパス裏手のシルクロード

2015年4月 9日 (木) 投稿者: ソーシャルメディアサービスコース

東京工科大学の八王子キャンパスは多摩丘陵にそびえる近代的なキャンパスですが、皆さんはこの裏手に、いにしえのシルクロードが残されていることをご存知でしょうか? そう、絹の道です。八王子はかつて生糸産業が盛んで、桑都(そうと)と呼ばれていました。八王子で紡がれた絹は、鉄道網が発達する明治半ば頃までは、輸出拠点の横浜の港まで生糸商人が足で運んでいました。そのルートが絹の道と呼ばれていたのです。今ではその大部分がアスファルトに舗装されてしまいましたが、当時の面影を残す未舗装の1キロほどが八王子キャンパスの裏手に保存されていて、国の「歴史の道百選」にも指定されています。この絹の道を歩み進んだ峠付近からは八王子キャンパスの一部を見ることができます。

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〔図〕 木漏れ日が差し込む絹の道(上)と峠付近から眺めた八王子キャンパス(下)
(※ 絹の道の画像は八王子市教育委員会より提供)

私もこの大学に赴任して以来、何度となくこの絹の道を歩いていますが、道中には竹林が散在して風情があり、陽気の穏やかな春や秋の時期のウォーキングには最適です。一度だけですが、我が物顔で道を横切る蛇に出くわしました。そのくらい自然が残されている素晴らしい環境です。また、すぐ近くには「絹の道資料館」があります。当時の生糸商人の屋敷跡に建てられたこぢんまりとした施設ですが、希少な資料が展示されており、生糸産業が繁栄するまでに八王子が辿ってきた歴史がよくわかります。

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〔図〕絹の道資料館の外観(上)と館内の風景(下)
(※ 館内の風景の画像は八王子市教育委員会より提供)

さて、これまでの話からは一見単なる八王子の歴史紹介で、メディア学部とは関係ないように思われるかもしれませんが、実は半分「メディア社会コース」系の研究紹介を兼ねています。私が携わっている「インストラクショナル・メディア・プロジェクト」では、eラーニング(ICTを活用したインタラクティブな学習)の研究を行っています。この絹の道資料館も、かつてその研究の題材となりました。資料館は小規模ながら希少価値の高い展示物があるものの、交通の便があまりよくないなどの理由で客足はそこそこでした。そこで、資料館への関心を高めてもらうべく、八王子市教育委員会文化財課の監修のもと、女子学生3人が「絹の道を通じた八王子歴史学習のためのeラーニング教材の開発」という研究テーマでeラーニング教材の開発を行いました。この教材は、一定の期間、絹の道資料館および同じく八王子の歴史を紹介する郷土資料館でイベント展示し、来館者に楽しんでいただきました。

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〔図〕 絹の道資料館の展示に基づくeラーニング教材

八王子キャンパス周辺には、この他にも数多くの史跡や自然が残されています。大学に寄る機会がありましたら、是非ともそのような場所を散策してみてください。

以上

(文責: メディア学部 松永)

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