情報処理学会全国大会学生奨励賞受賞研究の紹介(2-1):同一セッションダブル受賞
2015年5月 7日 (木) 投稿者: メディア社会コース
この春の情報処理学会全国大会でのメディア学部・メディアサイエンス専攻の学生の活躍は以前お知らせしましたが、ここでは受賞した研究発表について順次紹介したいと思います。 第1弾は、学生セッション 学習支援システム(1)で学生奨励賞を受賞した二人の学部生の研究紹介です。同一セクションで同じ大学・学部・研究室の発表が選ばれるのは異例中の異例だと思います。受賞した本人達が、一番驚いていました(写真は、ダブル受賞直後の二人の笑顔、最高ですね)。 以下、ダブル受賞者と受賞論文名です。 ・横山誠:「Wikipediaからキーワードを援用し初出の知識の学習と学習コンテンツの発掘を支援するサービスの研究」 ・齋藤 彰人:「動画要約によるスキル獲得のための学習効果の 検証〜料理動画とそれをもとに要約を行ったレシピでの比較〜」 ます 横山誠君の研究背景は、日進月歩の技術革新が続く時代にあって、自ら新しい知識を学ぶ局面が増えて来ていること、Web上の様々な情報資源(ウェブページ、動画など)は量や質も充実して来て、身近に利用出来る環境が整って来ています。 しかし、新しい知識は、往々にして、教材や教師がいない状況に遭遇します。そのため学習者は、自ら学習目的に合致した教材になりうる情報資源を見つけ出す必要があります。そうした状況では、学習者は初学者ですので、新しい知識そのものの理解が進んでいないので、検索エンジンを使っても有効なキーワードを繰り出すことが困難となります。結果として教材になりうる情報資源を独力で発掘することが難しいことになります。これは、一種のジレンマです。学びの対象そのものの理解が進んでいない段階で、関連キーワードを想起して教材になりうる情報資源を探さないといけないというジレンマに直面し。 グーグル社では、プライマリーキーワードに付随するセカンダリーキーワードを提示するグーグルサジェストと呼ばれるガジェットサービスを提供しています。しかし、そのキーワード提示は、全世界のグーグルの利用者が実際に使った統計的に組になるキーワードが提示されるもので、学習資源を見つけるためにはほとんど役に立たないのが現状です。 この問題に対して、プライマリーキーワードに対応するWikipediaの解説文から関連のセカンダリーキーワードを抽出提示することによって、キーワードの多様な組み合わせを支援するとともに対象知識の概念理解も同時に進めることが可能なサービスを考案し,プロトタイプを実装して、その有効性を実際の授業等のフィールドで実証的に示したとてもユニークな研究で、座長もその点を高く評価したようです。
横山誠君本人の喜びと感想です。