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バイオリンの音を作る

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みなさん、こんにちは、

 
メディア学部の授業「音と画像のディジタル処理入門」の4回目は「フーリエ変換」でした。今回はバイオリンの音を各自のノートパソコンで作成してもらいました。さて、どうやったか?
 
まず、同じ形の波が繰り返されている音の性質を調べます。
同じ形が繰り返されている波を考えます。今、同じ形が1秒間に100回くりかえされているとするとします。波の基本的な振動成分は正弦波あるいはSIN(サイン)と呼ばれるなめらかできれいな振動です。1秒間に100回繰り返される波には、1秒間に100回繰り返される正弦波、1秒間に200回繰り返される正弦波、300回繰り返される正弦波などが含まれているのです。繰り返しの数は周波数と呼ばれ、Hz(ヘルツ)という単位で表されます。
例えば、100ヘルツの正弦波に200ヘルツの正弦波を二分の一の強さで、300ヘルツの正弦波を三分の一の強さでくわえると、図1のようにのこぎりの形に近づいていきます。100ヘルツの波を基本波、その2倍の振動の波を2倍波、3倍の振動の波を3倍波といいます。

Nokogiriha

               図1 正弦波を足し合わせると鋸のような波になる

 

この波の含まれ方で音の音色が違ってきます。

今、正弦波を足し合わせていくと鋸の波になりましたが、逆に鋸の形の波の中にいろいろな振動数の振動がどれくらい含まれているかを調べる方法があります。それが、フーリエ変換なのです。そして、図1のように波の成分の含まれ方から鋸の形の波を作ることを逆フーリエ変換といいます。

さて、図2を見てください。これがバイオリンの音の振動です。横軸は時間で縦軸は振れ幅を表しています。

Violinwave_2

                    図2 バイオリンの音の振動

 

複雑な形ですが、規則的ですね。鋸の形の波と同じようにこれも正弦波の組み合わせによって表せるのです。そして、その正弦波の含まれ方をフーリエ変換で求めたものが図3です。横軸は振動数(周波数)で、縦軸は各周波数成分の振れ幅の強さを表しています。このような周波数成分分布はスペクトルと呼ばれます。

Violinspec

                    図3 バイオリンの音の正弦波の含まれる割合

 

針のように見えるのが正弦波成分で左から基本波、2倍波、3倍波、などなどです。

授業では、図2のバイオリンの音からフーリエ変換を使って図3の成分の強さを求めます。

そして、逆フーリエ変換を用いれば、成分の強さからまた元のバイオリンの音を作ることができることを体験します。一度、バイオリンの音ではない、音の成分強度分布に変換し、それから、バイオリンの音を組み立てますから一種の「合成」です。これで、最も簡単な「楽器音シンセサイザ」を体験したことになります。

東京工科大学メディア学部では全員がノートパソコンを持参しています。だからこそ、このような体験型の授業ができるのです。

 

相川 清明

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