高校数学をはじめから丁寧に(方程式 編)
2015年5月30日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース
こんにちは。
メディア学部助教の石川です。
数学の授業を一部担当していますが,大学でも使える高校数学の肝の部分を何回かに分けて紹介したいと思います。今回は方程式をテーマにします。早速次の問題を解いてみてください。
問題
一応,高校生向けです。
自分なりに答えを出してから,ページを進めてみてください。
自分なりに答えを出してから,ページを進めてみてください。
↓↓↓ もうすこし下から出題意図・解説と続きます ↓↓↓
出題意図
上の問題は別にどこの高校・大学で出題された問題というわけではありません。
解答に次のような二次方程式の解の公式を書くだけの人が続出します。
当然これだけでは不正解です。
算数と中学数学の差異がどこにあるかと言われれば,文字式を扱うかどうかだと答えるでしょう。
算数では(受験算数は別として)方程式のような文字を利用した解法は避けて教えるというのが文科省の学習指導要領です。正比例や反比例などの関数では◯と△を使って教えるので,結局一緒だろうと思うのですが,一応そういうことになっています。
算数では(受験算数は別として)方程式のような文字を利用した解法は避けて教えるというのが文科省の学習指導要領です。正比例や反比例などの関数では◯と△を使って教えるので,結局一緒だろうと思うのですが,一応そういうことになっています。
では,中学数学と高校数学の違いはどこにあるのでしょうか。
「高校数学は計算過程まで見られるため,すべてが中学数学の図形の証明のように文章で解答を書かなければならない」
という意見もよく耳にします。実際,記述形式の高校数学はそういう感じですね。これで好き嫌いが別れるところでもあるのでしょう。
私は,中学数学と高校数学の差は次の2つだと考えています。
- 文字式をより慎重に扱う必要がある
- 「場合分け」という考え方を身に付ける
これらを扱う高校数学の問題は枚挙にいとまがないので,これらのポイントを習得できているかを同時に確認し,かつシンプルな問題として,上の問題を出題してみました。
考え方
<第一手>
まず,x についての方程式とは言っていますが,問題中で二次方程式とは言及していません。この手の問題は高校数学の参考書でも基本例題として扱われていますが,これは注意力が問われています。
一旦,二次方程式の解の公式を書いても構わないと思います。しかし,このとき「文字式をより慎重に扱う必要がある」ことを思い出して欲しいのです。分母にa が入っていますが,a =0の場合に解が定まらないことに注意が必要です。「0で割る」という操作はしてはいけないんですよね。
ではどうするか。。。
ここで,場合分けの登場です。
a =0 の場合は別で取り扱う必要があるわけですから,ケースを2つ(a=0の場合と,a≠0の場合)にわけます。これが解答の第一手です。
一旦,二次方程式の解の公式を書いても構わないと思います。しかし,このとき「文字式をより慎重に扱う必要がある」ことを思い出して欲しいのです。分母にa が入っていますが,a =0の場合に解が定まらないことに注意が必要です。「0で割る」という操作はしてはいけないんですよね。
ではどうするか。。。
ここで,場合分けの登場です。
a =0 の場合は別で取り扱う必要があるわけですから,ケースを2つ(a=0の場合と,a≠0の場合)にわけます。これが解答の第一手です。
<同じように慎重に>
上の内容ができて1段階クリアですが,実はもう1つ関門があります。
a = 0 の場合は一次方程式になるわけですが,同じく文字で割る場合に注意が必要になります。
以下の問題も類題的に考えられます。
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