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創作カレーを題材にした新入生交流とPBL体験

2015年6月21日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

 いつもはゲームやアニメ,映画などの話題ばかりですが今回は一味違った取り組みを紹介します.
 メディア学部では,2013年から新入学生の交流を目的に「新入生交流会」というイベントがあります.イベントの目的は新入生同士の交流を深めることと,事前調査などを通じてPBL(プロジェクトベーストラーニング)を理解するということにあります.実施は教員単位ですので,今年度は12から13名を一つのグループとして実施します.普通にやればどこかの展示会に参加するとかイベントに参加するということになるのですが,プロジェクト演習を通じて幾多のPBLを設計した身ですからちょっとひねりたくなったわけです.そこで2年前の「新入生交流会」導入時から,周りの先生も巻き込んで始めたのです.
 事前にインターネットやフィールドワークで調査して計画書を作成し,当日制限時間内に調理して,そして様々な賞を与えて「評価」する創作イベントとは?

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会場の様子

なんで料理?
 料理には材料,プロセス,時間の要素が入ってきます.適切な食材を調べその単価と人数分の必要な分量を理解する必要があります.これには自分たちが目標とするものに対して,必要な情報を自ら収集分析して計画を立て,実践するというPBLの内容が凝縮されています.
 食材についてはインターネットである程度のことを調べられます.そして今回は実際に作るので調達についても考える必要があります.大学の最寄り駅の八王子みなみ野には大型スーパーがありますので,フィールドワークもみんなでそろって放課後に容易にできます.
 各チームには予算の上限が割り当てられていますが,先に必要な材料の予算表を作成します.予算表は事前にチェックし承認します.そして,当日(必要な場合は事前に)その金額に準じた予算として手渡します.(生鮮食品の値段は日々変わるので多少の誤差は許容します)
 その上で,手順をきちんと理解し,限られた時間内に調理するというワークフローづくりとスケジュール管理も大事になります.これも計画書を作成してもらい事前にチェックします.そしてグループワークですからチームメンバーの分担も重要になってきます.

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作成した予算表の例

なんでカレー?
 一言でいえば一番「事故」が少ないからです.食べられない料理になる確率が他の料理に比べて低く,食材を工夫するとオリジナリティが出やすいからです.
 創作のために各チームごとに「あみだくじ」で食材とテイストが指定されます.食材は「ビーフ」,「チキン」,「ポーク」,「その他」,テイストは「欧風」,「インド風」,「アジアン」です.
 そのほかサラダやデザートの創作も自由としました.料理が苦手でも分担しやすいようにしてあります.
(注)決して食べられないカレーが出来上がらないということではありません・・・ 

そしていざ当日
 当日9:30に八王子みなみ野駅に集合して,予算が手渡されます.その予算で食材を調達し,調理会場である市民センターへ行きます.今年は子安市民センターを利用しました.
 我々教員とお手伝いの先輩学生は先に調理会場に行って.食材を調達して会場に来る学生たちを待っています.事前の段取りが良いチームや食材が少ないチームは早く会場に到達し,どんどん進みます.その分だけ調理には余裕が生まれます.遅れてきたチームはそのあと大変ですが,事前に作業量がわかって分担ができていればあとから挽回は十分可能です.

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買ってきた食材

完成したカレー
 今年は渡辺大地先生のFSと合同で4つのチームを結成しました.4つのすべてのカレーそれぞれが個性的で,我々教員のおなかを十分に満たしてくれました.
 完成したカレーを紹介します.
(1)アジアンなその他食材で作ったカレーうどん「ベストプランニング賞」
 いろいろと計画がよいのでこのチームには余裕が感じられました.うどんはご飯のように炊飯の時間がかからず,また具材もそれほど多くありません.買い物を終えて会場につくのも非常に早く,完成も早かったので,うどんをゆでるタイミングを他のチームの進捗に合わせる余裕もありました.
 途中でルーを追加したり水溶き片栗粉を入れるあたりで不穏な空気が漂いましたが,きちんとしたカレーうどんでした.デザートのプリンアラモードも添えてました.

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(2)インド風スパイスとごろごろ肉のビーフカレー「ベストテイスト賞」
 今回,最もバランスの取れた味だったこのカレー.しっかりした食感のあるビーフの塊と強めのスパイスが実にマッチしていました.野菜の種類も多く,玉ねぎをじっくりいためるなど手間のかかる料理で,到着時間もそんなに早くなかったので心配しましたが,実に手際よく完成していました.

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(3)トマト風味のポークカレー「ぎりぎりテイスト賞」
 なにやら省の名前を聞くと不安になるかもしれませんが,実に巧妙なテイストのカレーでした.トマト風味で少し酸味が聞いたカレーはややハヤシライスに近い風味があります.カレーの風味とこの酸味がなんとも複雑な味わいを醸し出しています.「ぎりぎり」というのはこのカレーが大好きという人が「ぎりぎり」存在するという意味です.また,このチームが会場への到着が最も遅く,デザートに白玉を作るなど暴挙に出ていたのですが,なんと一番早く準備が終わっていました.ぎりぎりに登場し颯爽と仕上げるというところも「ぎりぎりテイスト賞」に値する理由です.

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(4)オムライスとカレーのハーモニー?「ミラクルテイスト賞」
 オムライスにポークカレーをかけたこの料理,ケチャップライスと卵とカレーの絶妙なハーモニーが・・・と思いきや,まったく口の中で3つのテイストが交わらない(笑).一緒に食べているにもかかわらず,ケチャップライスはケチャップライスとしておいしいし卵焼きは卵焼きでおいしいし,カレーはカレーとしておいしい.3つバラバラに同時に楽しめる.なんでこうなったかは不明ですが,それぞれがちゃんと成立して独立している奇跡の味なので「ミラクルテイスト賞」にしました.(おいしくなかったらミステリーテイストでした・・・)

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最後に
 会場の市民センターは原状復帰して返却が鉄則なので,実食のあとは片付けです.調理で貢献できなかった学生はここで活躍します.
 このカレー会,FaceBookなどで実況すると,参加したいという人が結構出てきます.今年は4作品すべておいしかったですが,いつもこうとは限りません.
 ゲスト参加をご希望されるかたには「丈夫な胃袋」と「鈍感な味覚」をぜひご持参ください.
メディア学部 三上

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