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2015年7月

暑さと社会

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毎年、毎年猛暑と言われています。
暑さは社会にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?

 暑さは、みなさんの受験効率も労働効率も落とすので大きな問題です。また、冷房を使用することによって熱い風が排出も、猛暑に一役買っていそうです。
 夏の暑さには、エアコンを買う、扇風機を買う、軽井沢などの避暑地に行く、水着や夏物の洋服を買う、かき氷やそうめんを食べるということは、すべてとはいわなくても夏になると私たちが暑さをしのぐために行っていることです。
 このように考えると、暑さや寒さは私の行動のきっかけになっているようです。
行楽のニュースなどは、テレビや新聞を賑わわせています。経済活動と気象や気候はこのように大きな関係があるようです。

 実は、先人たちも多くこのことを考えてきました。気候条件によって人々の考え方が変わることを指摘した人は少なくありません。

 しかし、社会学を研究する人たちはちょっと違うように考えました。みなさんも「こんな格好をしてご近所に恥ずかしいでしょ!」と言われたことはありませんか。私たちがいろいろな社会的行為をすることの一端は、暑さのような直接的な要素だけではなく、近所や親、「この格好は友達もしている」という友達、学校、会社など、社会の中での振る舞いこそが重要なのだと考えました。

 このように考えると、エアコンを買う、扇風機を買うという時に、周りの人が買っているから、前からあったから、友達に勧められてからという方は多いと思います。
 では、ネットで買うのはどう考えたらよいでしょう。社会と人の間にメディアがあり、このことはまたメディア学部で学べることだと思います。
 オープンキャンパスにいらしてください。

山崎 晶子

おもしろメディア学 第87話 プロシージャル・アニメーションって、何だ?

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メディア学部准教授 菊池 です.

今日は CG 分野のひとつのカテゴリーとして注目されている、「プロシージャル・アニメーション」について紹介したいと思います。

「プロシージャル」とは、日本語にすると「手続き上の」などといった意味になります。つまり、「手続き型でアニメーションを作る」技術のことを総称して「プロシージャル・アニメーション」と言います。

CGの基本はパラパラ漫画と同じで、1秒間に30枚の静止画を連続再生します。そうすることで人間の目に残像が残るという効果を利用し、運動しているように見せています。ですから1秒の表現に30枚の絵をつくる必要があるわけですが、それを手でつくると大変ですよね。そこでアニメーションの付け方として、キーフレームアニメーションという基本の方法があります。これはあるキーとなるフレーム、つまりある時点でのポーズを決めておいて、それに至るまでの間、例えば3秒あれば絵を90枚つくるわけですが、それらを1枚1枚つくるのは大変なのでコンピュータが勝手につくって補完してくれるという方法です。CG制作現場では、そういうことができるソフトウェアが使われています。

では、例えばビルが崩れて、窓ガラスが割れて飛び散る映画のシーンをつくろうと思ったら、どうでしょうか? ビルがどう崩れて、ガラスの破片ひとつひとつが次のフレームでどちら方向に飛んで行くのかを、いちいちキーフレームで入力していくことは、量が多すぎて無理ですよね。そこで、そういう細かい計算をすべてコンピュータに任せてシミュレーションをつくるというのが、プロシージャル・アニメーションです。

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専門演習「作曲演習」の紹介(第3弾)

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 メディア学部の伊藤です。梅雨明けから連日、厳しい暑さが続いていますね。体調管理に気をつけて猛暑を乗り切りましょう。

 さて先日、専門演習「作曲演習」の期末の「音出し」(作品発表会)が無事に終わりました。今回は「ミ−ド−ソ−ファ」という4つの音列をもとにした作曲が課題でしたが、どの学生もうまく取り入れて魅力的な作品に仕上げていました。前回のブログでは演習の内容紹介と「音出し」の実施について書きましたので、今回は「音出し」後に学生が取り組む「楽曲データ」「レポート」「楽譜」の作成に関してお話ししたいと思います。

 これら3点は「音出し」から2週間後にまとめて提出することになっています。「音出し」では、曲を聴きながら、自身のものを含めすべての作品に対して感想やアドヴァイスを講評シートに記入します。講評シートは「講評集」として冊子にまとめ、閲覧できるようにしています。

Kouhyou

 講評シートにはコメントのほか、「楽曲構成」や「楽器法」など数項目についての評価点も記入されているので、自身の作品のどのように聴かれ、どういった点がいかに評価されているのか知ることができます。これらを参考に「音出し」のあとも作り込みを行い、作品の完成度を高めた上で3点の課題の作成に取り組みます。

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数学は型にはまっているからキライだ

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数学嫌いという人から「数学は型にはまっていて自由でないから嫌い」と聞きました。同じような言葉ですが「答えがひとつしかないから嫌い」というのもあります。

実際のところ、数学の問題のように、問題と答えが直接的な組になっている場合、答えがひとつでなければ、解答する意味がなくなってしまうでしょう。知識を問うクイズも国語の漢字の問題もそうです。答えがひとつだけなのは、数学に限らないのです。だから、答えがひとつしかないから嫌いだというのは、言いがかりに近いと思えます。

型にはまっていて自由でないという点ですが、ダンスやファッションなどでも型が決まっているものはたくさんあります。型があるからこそ良い作品ができたということも聞きます。

なぜ、数学に対しては、こうした型が決まっているとか答えがひとつだといったことが嫌われる原因になるのでしょうか。日常では見慣れなかったり聞き慣れなかったりする用語が使われるのと、その用語で議論がされること、その結果である定理がすでにたくさんあることなどが自由でないと感じられて、嫌われるのかもしれません。

カントールという数学者は「数学の本質は自由にある」と述べたといわれています。これは、カントールが当時としては新しい分野(無限集合論)を始めたことに対する他の数学者からの批判に対する反応だったそうですが、その頃は、数学者の中でも、数学は型にはまったようにすべきだという考えと、自由にすべきだという考えがあったわけです。

現在、数学とは数学者が研究しているものであるという自己言及的な定義がいわれるほど、数学は多岐にわたっています。おそらく、数学は、数の概念を前提にして、公理を設定すれば、何を研究してもいいようになっています。カントールの頃より、さらに自由になっているのです。

数学も自由なのです。しかし、その自由は型を体得して初めて見えてくる性質のものといえるのではないかと思えます。先が見えないまま進むのは不安があります。いま数学の勉強をしている(せざるをえない)人たちは、自由を手にするために、型を学んでいるのだと思ってほしいものです。
(メディア学部 小林克正)

メディア学入門 

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みなさん、こんにちは、

 
メディア学部の1年生向けの授業に「メディア学入門」があります。今日は、その一部を紹介しましょう。メディア学は人から人にうまく情報を伝える学問です。人は多くの情報を視覚や聴覚で受け取りますから、人がちゃんと受け取れるように情報を作ってあげる必要があります。メディア情報は、あるときはアニメ、あるときは映像、あるときは文書、あるときは音楽で送られます。今日は、授業で紹介したいろいろな話題の1つとして、視覚情報の話をしましょう。
今、みなさんが縞模様のデザインを考えているとしましょう。みなさんは、どんな縞模様でも人に同じくらいはっきり見えると思いますか?それでは、次の図を見てください。

Visual_spacial_frequency_perception

                    図1 上に行くほど濃淡がうすくなる縞模様

 

この図は右に行くほど縞模様の間隔が密になっていきます。また、上に行くほど、濃淡の差がなくなっていきます。この縞模様はコンピュータで発生させたもので、厳密に同じ特性で上に行くほど濃淡が薄くなっていきます。

さて、良く見てください。濃淡はどこでも同じようにはっきり見えますか?

 

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1年生のTUT探索隊が学食を調査(カレー編)!

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 メディア学部教員の岸本好弘です。

 メディア学部とは「情報を受け取る側から、情報を発信する側になる」ことを学ぶ学部だと私は考えています。この「情報を発信する」取り組みに1年生の有志が挑んでくれました。第2回は「学食カレー編」です。

↓↓ここから

 みなさん、おいっす!!
 
 私たちは「TUT探索隊」です。高校生の皆さんに東京工科大学についてもっと知ってもらおう!ということで結成しました。

 大学生50人への「学食人気メニューアンケート」で、男子に圧倒的に人気な「カレーライス」を、男子部の、うお、Mickey、モリノ、イサオが紹介します! 

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1年生のTUT探索隊が学食を調査(スパゲッティ編)!

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 メディア学部教員の岸本好弘です。

 メディア学部とは「情報を受け取る側から、情報を発信する側になる」ことを学ぶ学部だと私は考えています。この「情報を発信する」取り組みに1年生の有志が挑んでくれました。高校生の皆さんに興味をもっていただけるレポートになっていると思います。(笑)


↓↓ここから

 みなさん、こんにちは!そして、はじめまして!!
 私たち「TUT探索隊」は、高校生の皆さんに「東京工科大学についてもっと知ってもらおう!」ということで結成した1年生のグループです!

 

 さて、東京工科大学八王子キャンパスには「厚生棟」という建物があります。厚生棟は4階建の建物で、2階から4階が食堂となっています。2階「ローズカフェ」、3階「スエヒロ」、4階「ローズキッチン」となっており、毎日多くの学生が利用しています。

「大学のキャンパスの食堂で食べたことがある」という高校生は少ないのではないでしょうか? どのメニューが美味しいのか? 値段は? 量は?

 今回はそんな食堂のメニューについて調査してきました!

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2015年度 卒業研究「プロダクトデザイン」の中間発表会

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720日午後に卒業研究「プロダクトデザイン」の中間発表会を行いました。本卒研では、前期も後期も全員が研究成果をA1サイズのポスターにまとめ、発表時にはポスターを前にして意見交換することを必須としています。

前期のポスターは、研究背景・目的、調査・結果・考察、それを踏まえたコンセプト立案、そしてコンセプトに適合するアイデアスケッチの開始、という卒研進捗状況を示すポスターです。写真は会場での意見交換の様子を示したものです。

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場には来年度の配属が決まった15名も全員が参加し、飛び入りゲストも数名が参加され、ポスターを前に予定の時間を過ぎてまで活発な意見交換が行われました。これらのポスターは89日のオープンキャンパスでも公開の予定です。15名全員が公開快諾でしたので。

なお、オープンキャンパスでは2014卒研生(16名)の後期ポスター(提案物のモデリングと使用シーンも表現したもの)も公開する予定です。16名全員4月から社会人になられていますが、これらのポスター公開も全員から快諾を頂いておりますので。


文章 萩原祐志

おもしろメディア学 第86話 コミュニティについて

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みなさんこんにちわ、メディア社会コース進藤です。
今日はコミュニティについて少しお話したいと思います。

コミュニティとは、他のメンバーとつながりあい、何らかのものを共有しあう人々によって形成される共同体のことです。21世紀に入り、インターネットによって人々が容易につながることが可能になり、コミュニティは世界的な広がりを持つようになってきました。現代のコミュニティは、20世紀的な、国家や企業といった枠組みを超えグローバルに展開しています。また、コミュニティは、単に人々をつなげるという以上の役割、すなわち、芸術、ビジネス、などのさまざまな領域における価値創造の場となっています。
みなさんも、LINEなどでいろいろなコミュニティにはいっていらっしゃるのではないでしょうか?こうしたインターネット上のコミュニティの重要性はこれからも増すばかりと考えられます。わたしたちメディア社会コースではこのコミュニティについていろいろな観点から研究をしています。ぜひご一緒に学んでいきましょう。

手作業でカタチについて考察する。

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メディア学部を希望する受験生が抱く将来へのビジョンはいろいろです。映像関係の仕事をしたいとか、ゲーム関係の仕事をしたいという希望を持って受験する方が比較的多いようですね。例えば映像制作に興味のある人にとっては専門性が高まるほど、コンピュータグラフィックス、音響、ネットなど各種の知識と技術が必要になってきます。ゲームも同様で、ハイレベルなものを作るためには、アニメ、音楽、デザイン、プログラミングなどの知識や技術が求められてきます。つまり、どんな仕事でも役割分担が必要になりますが、どの部分を分担するにしても制作物全体を俯瞰できないと役割の重要さを理解することができません。だからこそ、メディア学部には多様な演習科目が準備され、各科目は有機的につながっているのです。

ここではメディア学を学ぶために主役とは言えない演習をひとつ紹介しましょう。カタチに関する演習で、製品のカタチを考察するためのプロダクトデザイン演習です。カタチについて考察・表現する手段としてはCADCGシステムや3Dプリンタが劇的に進歩発展を続けていますが、その凄さを生かすための肝心の原点となるアイデアや実体としてのカタチの認識力が乏しいと最新の機器を生かすことができません。

4年次の卒業研究としてのプロダクトデザインではコンピュータを用いた3Dモデリングは必須で、縮尺モデルでの3Dプリンタも活用しています。しかしながら、2年次、3年次では、アイデアの原点を探り、カタチについての考察力・理解力を高めるために、一度、手作業で立体について考察・理解する機会を設けているわけです。

 

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この演習の中で、手作業で簡単に加工できる材料を用いた簡易模型とCGの画像での印象とを比較しながら考察をしている様子をこの写真で示しました。予想外にこの演習の履修希望者は多く、学生のみなさんはむしろ新鮮味を感じながら作業しています。学生にとって将来、程度の差はあれ、各種メディア関連の仕事に就いたときにこの演習の経験が役に立ってくれると嬉しいです。

文章:萩原祐志

アニメ制作に襲来するディジタル化の波(1)「アニメ業界のコンソーシアム結成」

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 メディア学部の三上です.

 以前にもアニメーションのCG制作やディジタル化の話をBlogで書きました.今回はその中でも,現在変革しつつある「作画」のディジタル化についてのお話です.

 作画のディジタル化は昨年ぐらいから急速に業界に普及している制作手法です.これまで紙に作画してきたアニメーションを,液晶タブレットや従来のタブレット(業界では「板タブ」と呼びます)を用いて,コンピュータ上で作画します.

 これは「仕上げ・撮影」のディジタル化と「背景美術」のディジタル化に次ぐ第3のディジタル化の波と言えます.

 (いわゆる3DCGの利用は,原則として表現の選択肢なのでここではひとつの波とはしません・・・)

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ディジタル作画システムの例

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音の不思議な世界―「耳を開く」とは?―

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みなさんこんにちは。メディア学部助手の濱村です。

梅雨明けも近づき,段々と夏の気配がしてきましたね。八王子キャンパスは緑が豊かなので,季節毎に違った虫の音を聞くことができます。今回はそんなふとした音に「耳を開く」研究のお話です。

「サウンドスケープ」と聞いて,みなさんはなにを想像するでしょうか?英語の「ランドスケープ」に似ているなぁと気づいた方は鋭いですね。サウンドスケープ (Soundscape) はランドスケープが「ランド+スケープ」であるように,「サウンド (音)」に「スケープ (景観,風景)」をくっつけた造語で,日本語では「音風景」と表現されます。サウンドスケープの概念を提唱したカナダの音楽家,マリー・シェーファーは「鳴り響く森羅万象に耳を開け!」という言葉を使っています。これは,「周囲の音に興味を持ち,耳を傾ける」「世の中にあふれる音に気づいた上で,音によって作られる環境 (=音環境) をよりよいものにする」という考え方だと私は理解しています (サウンドスケープの理解や解釈の仕方は人それぞれなので,ぜひ調べてみてください)。サウンドスケープの中でも私は特に鳥の鳴き声なのどの自然環境音と呼ばれる音に人々の興味,関心を向ける,ということに感心を持ち,研究をしています。

私がサウンドスケープの研究を始めよう!と思ったのはちょうど音楽の圧縮技術が発達し,携帯電話 (今で言うガラケー) でMP3などの圧縮音源が聴けるようになった頃で,音楽が好きな私は毎日通学時に携帯電話で音楽を聴いていました。そしてある時,ふと「音楽を聴くようになってから,鳥の鳴き声などの自然環境音に気づきにくくなっていないか?」と気づきました。これをきっかけに,iPodやウォークマンなどの携帯型音楽プレイヤーによる音楽聴取が周りへの音への興味,関心にどのような影響を与えるか調べみよう!と考え,アンケート調査やフィールド調査を行ないました。

72名の大学生を対象に行なったアンケート調査の結果,鳥の鳴き声などの自然環境音を携帯型音楽プレイヤーを使って音楽を聴いているときに「うるさい」と感じている人が少なからず存在することが分かりました (図1)。自然環境音は「癒やし」や「リラックス」のためのCDとしても販売されるような,一般に好まれると思われる音です。このような音への興味,関心を失わせてしまうぐらいですから,音楽聴取によって人の声やアナウンスなど,必要な音までもが「うるさい,不快な音」と思われるようになってしまう可能性もあります。

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図1: 「携帯型音楽プレイヤー使用時に自然環境音をうるさいと思うか」の回答結果

実際に音楽を聴きながら外を歩いてもらうと,音楽によって聞き逃される音は「鳥の鳴き声」や「川の音」「風の音」などで,これらの音は「好きな音だ」と評価されていました。常に音楽を聴くことで,本来「好きな音」なはずである自然環境音を聞き逃し,それらの音に対する興味,関心を失うきっかけになってしまうのです。

現在ではスマホが普及したことで,私が研究したとき (5年前) よりも音楽の聴取頻度は上がっていると思います。機会があればもう一度調査をしてみたいと考えています。みなさんも,音楽ばかりではなく,自分の周りでどんな音が鳴っているか?に興味を持ってみてくださいね。

9月に開かれる日本心理学会のシンポジウムでも今回紹介した研究内容をベースに現代の音楽聴取についてお話しする予定です。会場は名古屋ですが,研究内容に興味のある方や,近くにお住まいの方は遊びに来てくださいね。

次回の研究紹介ではサウンドスケープの考え方の中でも「音環境をよりよくする」ことを目指す「音のデザイン」の研究についてお話しします。お楽しみに。

濱村

情報処理学会全国大会学生奨励賞受賞研究の紹介(4): 人狼ゲームに着目した研究

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    この春の情報処理学会全国大会でのメディア学部・メディアサイエンス専攻の学生の活躍は以前にもお知らせしましたが、ここでは受賞した研究発表内容を順次紹介したいと思います。

 今回は、第4弾として、人狼ゲームに関するユニークな研究の紹介です。研究の担い手は吉川裕貴君です。

 学生セッションの「協調学習」 4ZC-03で、『対話型ゲーム「人狼」を活用したグループディスカッションの練習方法の提案』○吉川裕貴(東京工科大),中村亮太(湘北短期大学),上林憲行(東京工科大)を発表しました。


 人狼は、ゲームとしても、推理力や駆け引きなどが交錯する知的な魅力に富んだものです。一方、この人狼に内在しているゼネリックスキル要素(ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなど)に着目して、企業の人材研修などでも活用されているユニークな存在のゲームです。吉川君の研究は、この人狼ゲームの潜在能力に着目して、学生同志がこのゲーム(改良版、吉川人狼と命名))を行う事によって、副次的に就活のグループデスカッションなどの能力向上を支援できる可能性について、実験等を通じて明らかにした研究でした。


   受賞本人の発表直後の感想は次の通りです。

『私の発表したセッションでは研究のユニーク性と質疑応答の対応を評価され、学生奨励賞がを受賞しました。

 私の研究は人狼ゲームを、就職活動におけるグループディスカッションの練習用にカスタマイズを行い、新しい人狼プログラムを提案し、その効果を検証するというものでした。同じセッションでの発表研究はロボットやAR技術を用いるなど技術的レベルの高いものでした。そうした発表が続く中で学生奨励賞を受賞できたこと、正直自分でも大変驚きました。もともと、プレゼンが苦手だった私ですが、学生生活の最後にこのような場で発表を行い、評価されたということは社会人になるにあたって大きな自信へと繋がりました。今後は研究を通じて身に付けた方法論やスキルを社会人になっても活用できるよう精進していきたいと思います。』


   もともとシャイな吉川君が、春先に早々と上場企業への就職を決め、卒論を精力的に取り組み、その成果を学会という大舞台で堂々と研究発表し、学生奨励賞を受賞することになりました。この間、学会発表という挑戦に挑み、逞しい成長をどげ、希望の上場企業へ意気揚々としてこの春、入社しました。

(MS 上林憲行)


数学を学ぶ意味(下)

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数学を学習するもう一つの意味として良く言われることは「論理的や抽象的な考え方を学ぶため」というものです。しかしこれが具体的に何を指しているのかはわかりにくいのではないでしょうか?
論理的というのは例えば、「何々だから何々だ」というような理屈だと言えるでしょう。そんなことはわざわざ学ぶ必要が無いと思うかもしれません。例えば「砂糖だから甘い」、「沢山食べるから太る」などと言っても当たり前でだからどうしたという感じがするでしょう。しかしながら、学問や社会のなかで起こる具体的な問題は、そんなに簡単に言い表せることばかりではなく、むしろそうでは無い場合のほうが多いのではないでしょうか。そうした時に、「〜だから何々」というような理屈をいくつも組み合わせてゴールに辿り着くような考え方が必要になるのです。そうした、より複雑な課題をすっきりとした理解の組み合わせで解決するようなことが論理的に考えることができる力だと言えるのだと思います。ところで、確かに数学ではこのような考え方が重要になるものですが、ではこれを数学で学んで、他の学問や日常の場面でそうした考え方ができるようになるかと考えると、そうは直接応用できるような気がしません。具体的な問題では、それに則して論理的に考える訓練をしないとなかなか学びによってそうした考え方を習得するのは難しい気がします。逆に、論理的に考える力を持っている人は数学も得意である、ということの方が多いかもしれません。

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数学を学ぶ意味(上)

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さて、そろそろ学期末になり、一年生にとっては初めての定期試験の季節です。大学に入学して、様々な講義を受講してきたと思いますが、本学のメディア学部では数学が一年生の必修科目としてあります。メディア学部に入学してくる学生の多くは、ゲームや映像などの制作であったり、音楽の勉強だったりをしたいという希望を持っていて、そうした人達にとっては「なんで数学なんてしなくてはいけないんだ」という感想を抱く人が少なくないようです。映像や音楽の創作に数学の知識なんて必要ないのに、というわけですね。面接などで「大学では、やりたいこと以外の内容の講義も受けなければならないが、どう思いますか?」と聞かれれば、いろいろな知識を学ぶことが大切なので、もちろんきちんと勉強する、というように答えるのでしょうが、入学した後になってはやはりやりたくないという気持ちになるのだと思います。

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タイのチュラロンコン大学と本学を結んで、遠隔教育を初めて実施(国際交流)

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「2015年度 第5回 メディアサイエンス専攻 大学院特別講義」
Chulalongkorn University-Tokyo University of Technology
2015年7月13日にタイのチュラロンコン大学と本学をインターネットを利用して、遠隔教育をしました。メディアサイエンス専攻ではチュラロンコン大学との連携を深めており、この講義は、今後の更なる連携強化のための一つの取り組みです。Skypeを利用した講義を実施煤ために鶴田助手が有線LANが利用できる教室(多くの教室が無線LANのため)で事前に準備しました。また講義前に、講義の理解を助けるために、講義資料と論文を送っていただきました。

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本講義前には、現在来日しているチュラロンコン大学からインターン学生も参加して、あいさつをしました。

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そして、講義の開催にあたって、Peerapon Vateekul先生より、今までの両校の取り組みやこのはじめての取り組み、今後の提携活動について、紹介がありました。

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講義は、
「Complete storm identification algorithms from big raw rainfall data using MapReduce framework」という題目で、KULSAWASD JITKAJORNWANICH先生により行われました。

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7月19日オープンキャンパスのご案内

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 2015年7月19日(日)にオープンキャンパスを開催します。


 メディア学部からも模擬授業と11の研究室による研究紹介のブースが出展予定です。是非、オープンキャンパスに参加し、メディア学部を肌で感じてもらいたいと思います。


 模擬授業は、岸本好弘准教授による高校生参加型『ゲームデザイン模擬授業』があります。


 模擬授業の「ゲームデザイン演習」では、たった一枚の「コンセプトシート」にまとめたゲームのアイデアを短い時間で説明し、いちばん魅力的な企画を選ぶコンテスト形式の授業を行います。今回のテーマは『ゲームで学ぼう!高校生の苦手教科』。高校生の皆さんには「審査員」として、プレゼンテーションを聞いて「たしかに、このやり方なら楽しく学べそう!」と思う企画に投票してもらいます。プレゼンテーションはゲーム開発会社でも実際に行われているものです。実践形式の演習を通して、社会人に必要な「創造力」「表現力」「プレゼンテーション力」を磨く授業を、ぜひ体験してみてください。



 研究室の研究紹介では、メディア学部の3つのコースから3つから4つの研究紹介が行われます。


 メディアコンテンツコースからは、3DCDアニメーション研究や東京ゲームショウに対する本学部の取り組みなどを紹介します。2015年度より着任した竹島准教授の竹島研究室からは、コンピュータビジュアリゼーション研究の紹介があります。詳しい内容を見てみましょう。


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竹島研究室では、数値データの視覚的解析を可能にする「可視化」の研究を行っています。
世の中にはさまざまな情報が数値データとして生成、保存されています。これらのデータは、
一般的に大規模であり、その中から意味のある情報だけを取り出すことは大変難しい問題です。そこで、数値データをコンピュータ上で画像に変換することにより、直感的なデータの解析を実現することが「可視化」の役割になります。
今回は、実例を交えて、可視化の紹介を行います。世の中でどのように可視化が使われ、役立っているのかを感じてください。
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 メディア技術コースからは、音声対話や音響信号処理などの取り組みを紹介します。大淵研究室からは音響信号処理研究の紹介があります。詳しく紹介しましょう。


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メディア学部で扱う様々なメディアの中でも、「音」は人間の生活に最も密着し ているものの一つです。音は空気の振動ですが、電気信号に変換してコンピュー ターに取り込み、データとして扱うことができます。音のデータは数字の連なり なので、足したり引いたり掛けたり割ったり、様々な演算によって、様々な音を 作りだすことができます。そのような技術を「音響信号処理」と呼びます。今回 の展示では、コンピューター上の処理によって、音の臨場感が増したり、邪魔な 雑音がなくなったり、あるいは音が人間の感覚を惑わせたりといった様子をお見 せしたいと思います。コンピューターでこんなにいろんなことができるのなら、 プログラミングの勉強を始めてみたいと思いませんか?
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メディア社会コースからは、ユーザ体験価値デザインの研究やeラーニング体験工房などがブースを出します。進藤研究室はソーシャルキャラクター研究の紹介があります。具体的には、次のような内容です。


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進藤研究室では、ソーシャルメディア上でキャラクターを活用して、 みなさんとコミュニケーションする方法を研究しています。 最近では、ソーシャルメディア上に仮想のキャラクターであるソーシャルメディアキャラクターを登場させ、これを媒介とすることによって、企業や製品ブラン ドの親しみやすさを演出し、企業と顧客との中長期的な関係の構築をめざす例も見られるようになってきています。私たちの研究室のキャラクター をご紹介しつつ みなさんと交流をしていきたいと思っています。
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是非、7月19日に東京工科大学のオープンキャンパスに参加して、メディア学部の授業内容や研究内容に触れて見てください!

バイノーラル録音

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こんにちは。大淵です。今日も音の話をします。
音楽に興味のあるみなさんは、ステレオ録音の仕組みというのはご存じだと思います。
右と左の2ヶ所にマイクを用意しておき、それぞれで録音した音を、右と左のスピーカーから再生します。そうすると、左右への音の広がりを感じることができるわけですね。
でも、右のスピーカーの音は左耳にも入ってくるし、その逆もあるので、臨場感という点では生演奏にはかないません。
それならヘッドホンで聞けば?確かにヘッドホンなら、右の音は右耳、左の音は左耳にしか聞こえません。実際、ヘッドホンで聞くと、音の立体感はずいぶんと良くなります。しかしそれでも完璧ではありません。再生については良いのですが、そもそも録音が不完全なのです。2ヶ所のマイクに入ってくる音は、人間の両耳(鼓膜)に入ってくる音とは微妙に違っています。具体的に何が違うのかというと、最も大きいのは、耳たぶや肩での音の反射があるかどうかです。人間の耳に入ってくる音は、耳たぶや肩の微妙な形状によって、音の強弱や音色が変化しています。そしてその変化のしかたが、入ってくる音の方向によって異なるために、人間は音の立体感を感じることができるのです。
そこで考えられたのが、人間の耳とまったく同じ環境を再現して録音するという方法でした。具体的には、人間の形をしたマネキンを用意して、両耳の中にマイク素子を埋め込みます。もちろん、耳たぶや肩は人間そっくりの形にしておきます。こうして埋め込んだマイクで録音したデータは、人間の鼓膜が感じるものとそっくりになっています。そしてその音をヘッドホンで聞くと、びっくりするような臨場感の音が聞こえてきます。
このやり方を、「バイノーラル録音」と呼びます。ためしにYouTubeで「バイノーラル録音」「binaural recording」などと検索して、その音を聴いてみて下さい。もちろんヘッドホンで。
7月19日と8月22日のオープンキャンパスでは、このバイノーラル録音についての展示も行う予定です。どうぞお楽しみに。

南カリフォルニア大学(アメリカ)の学生がメディア学部を訪問(国際交流)

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南カリフォルニア大学(USC)に今年の3月、メディア学部の学生と教員が訪問しました。その時の詳しい内容は、ブログ記事に書いています。

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その時、お世話になった学生2名が八王子キャンパスに来てくれました。その2名は、USCに留学している日本人と中国人です。CGアニメーションの教育と研究の様子を知りたいということでした。
メディア学部の教員と学生がいる研究棟Cで、3月の訪問時のことを話したり、大学院生による研究紹介などをしました。メディアサイエンス専攻の研究分野は、コンテンツ制作技術やCG技術などアート面とエンジニア面の両面から行っている点に特徴があることなどを紹介しました。

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私たちの研究室には、中国、インドネシア、スウェーデン、べネゼイラ、タイなどのさまざまな国から留学生がやってきています。このときには、日本語、英語、中国語などいろいろな言語でコミュニケーションをしていました。

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卒研室(「コミュニケーション・アナリシス」プロジェクト)の紹介

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 皆さん,こんにちは.今回は,メディア学部にある卒研室(「コミュニケーション・アナリシス」プロジェクト)を紹介します.

 「コミュニケーション・アナリシス」プロジェクトでは,私たちが日常で行なっているコミュニケーションについて分析します.例えば,3人で会話する様子や2人でゲームする様子をはじめ,漫才やコント,TV番組の他にも,多人数でお祭りの準備を行う様子など,分析の対象となるコミュニケーションは日常のありとあらゆる処で様々あります.

Fig1

Fig2

 上の写真は,先日行われた卒研プロジェクトの様子です.全部で18名いる卒研生の大半は,就職活動と並行して卒業研究に取り組んでいるため,テーマ別のグループに分かれて隔週ごとに進捗を発表する形式になっています.今学期末に行われる卒業研究の中間発表に向けて,最近は進捗の発表に熱を帯びてきました.4月から順調に研究を進めてきて直ぐにでも中間発表ができるくらい卒研生もいれば,重たい腰をようやく上げた卒研生もいますが,良い雰囲気です.

 

 昨年度は,中間発表の時点で研究が進んでいた卒研生の内,2名が年度末に卒業研究の内容を学会で発表しました[1][2].果たして,今年度は何名の卒研生が4年間の学生生活を学会発表で締めくくることが発表できるのでしょうか.まずは,中間発表.楽しみです.


<参考文献>
[1]
土肥健太, 寺岡丈博, 榎本美香(2015).“仮想的演技空間の創出方略の分析~同一ネタの漫才とコントの違いを通じて~”. 人工知能学会第73回言語・音声理解と対話処理研究会資料(SIG-SLUD-B403) , pp. 41-46.

[2] 白土峻平, 寺岡丈博, 榎本美香(2015).物理的環境に埋め込まれた多人数インタラクションとしての指揮に伴う言語行為分析”. 人工知能学会第73回言語・音声理解と対話処理研究会資料(SIG-SLUD-B403) , pp. 47-51.


文責:寺岡

 

 

「演習ラボ」の紹介

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みなさんこんにちは。
今回は、2年次後期と3年次前期に学ぶ「メディア専門演習」で利用する演習室を紹介します。
メディア専門演習は約20程度の専門的な内容を学ぶ演習で、卒業研究を除けばメディア学部でも最も重要とされている科目になります。これらの演習を行うにあたり、「講義実験棟」と呼ばれる建物の4階から8階までを、メディア専門演習のために専用に設置した教室としています。(一部の教室は他の科目でも利用されています。)我々はこのエリアを通称「演習ラボ」と呼んでいます。今回は、そんな演習ラボの一部を写真を交えて紹介してみます。

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Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム2015 報告

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こんにちは。

今日は、CG関係の学会についてご紹介します。

去る6月28日(日)、29日(月)に、姫路市民会館にて画像電子学会年次大会およびVisual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム(VC/GCADシンポジウム)が開催されました。
VC/GCADシンポジウムは、年1回開催され、国内の最先端のCG研究の発表が行われます。
発表される論文は、論文の審査(査読といいます)を受け、研究としての価値を認められたものばかりです。
今年は、キャラクタアニメーションの肉揺れや楽曲の印象にあわせた表情の作成、似顔絵作成や経年変化を再現するような画像合成技術、流体シミュレーションを用いた流れ場のリアルな画像作成などが発表されました。
(詳しくは、http://ipsj-gcad.sakura.ne.jp/vc2015/program.html に画像が載ってます。)
このシンポジウムの目玉の1つとして、その年にSIGGRAPHというCG界における最高峰の国際会議に採択された論文の招待講演があります。著者が日本人の方にご講演をお願いしているので、日本語で最新の技術の講演をいち早く聴くことができます。
講演者の中には、海外に滞在している方もいらっしゃいますが、皆さん、現地時間は深夜にもかかわらずSkypeで質疑応答に対応してくれました。
CGの研究に携わっている方、興味のある方は、どのような研究が今なされているのか、チェックしてみてはどうでしょう?
(コンテンツ:竹島)

第4回大学院メディアサイエンス専攻 特別講義「計算機による新しい折り紙の形の発見支援」

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2015年年7月3日(金)に、Art&Scienceの融合をめざして、筑波大学大学院の三谷純教授に「計算機による新しい折り紙の形の発見支援」という題目で特別講義が行われました。

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講演概要はつぎのとおりです。
「折り紙の数理に関する研究が進んだ現代においては、意図した形を1枚の紙から作り出すための折り方を、計算機によって導き出すことができる。さらには、折りのプロセスをシミュレートすることも可能である。
しかしながら、見る人を惹きつけるような、新しく興味深い形の創出には、他のアートと同じように、試行錯誤と偶発的な発見のプロセスが必要不可欠である。そこで、折り紙の設計を対話的に、またはランダムかつ自動的に行うことができるソフトウェアの研究開発を行ってきた。
このようなソフトウェアを用いることで、試行錯誤のプロセスさえも、実際の紙を用いずに高速に行うことができ、様々な形を生み出すことが可能となった。
本講義では、これらの事例紹介とともに、ソフトウェアによって生み出された、時には曲線での折りを持つ折紙作品の数々を紹介する。そして、計算機による折り紙の創作活動の支援について考察する。」

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手紙を書こう!Love Snail Mail Projectに参加しました!

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7月に入りましたね。7月は陰暦では文月(ふみつき)と呼ばれています。手紙も立派なメディアですが。。最近、あまり手紙を書いていない、という人も多いのではないでしょうか?ハグルマ封筒 ウィングドウィール社ではCSRのイベントとして”Love Snail Mail Project"を企画されています。今回は、ウィングドウィール社の企画部の永田留美氏が講師として訪問されました。瞬時にデジタル化した文章を送るe-Mailに対し、従来の手紙は、ユーモアをこめてSnail Mail"カタツムリ メール”と呼ばれたりします。今回、ウィングド ウィールではそのような、ゆっくりしたペースで手書きのメッセージを相手に送ることが出来る手紙の良さを、多くの人に知ってほしい!という、目的で始めたイベントだとのことです。詳細はこちらで紹介されています。

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そんな、Love Snail Mail Projectに大学生達が参加しました。永田留美さんによると、”デジタルツールだけでなく、お礼状などスマートに手紙が使える社会人は素敵ですね。特に、男性でビジネスシーンで手紙を使いこなせる人は少ない分、できると評価が高くなると思います。”とのこと。工科大は男子が多いです。手紙はあまり普段書いてない人が多いですね~。社会人になって、お礼状の一つや二つさらっと手紙で書けると良いですね。
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国際教育開発プロジェクトとソーシャルコンテンツデザインの2つの卒業研究プロジェクトの学生達です。
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最後はこんなにカラフルな手紙がたくさん書けました。
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ウィングドウィールさんには、国際教育開発プロジェクトからインターン生を雇っていただいたりといつもお世話になっています。今回は楽しいワークショップとなりました。
文責:飯沼瑞穂 千代倉弘明 松橋崇史

お金をだして情報を読む

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普段は、広告とジェンダーについて書いているのですが、今回はお休みにして本を読むことについてお話ししたいと思います。

本屋さんが無くなり、出版の取り次ぎも倒産し、インターネット通販の最大手すらも本の販売が階段になっているそうです。インターネットの普及により音楽や本は、無料で手に入れることが出来る情報にとって変わられたのでしょうか。

インターネットをサーフィンする楽しさを否定することは出来ません。私も多くのニュースサイトを探索しています。しかし、ニュースをまとまった形で手に入れることが出来る新聞や雑誌の良さを最近再確認するようになりました。

多くのメディア論では、ニュースを書いたパンフレットがメディアの始まりと言っています。コーヒーハウスではパンフレットが並べられ、人々はそれを読み喧々がくがくとしていたそうです。魅力的なE-bookなどが、私たちがお金を出して情報を手に入れるきっかけとなると良いなと日々思っています。社会が20133


どのようになるかを知るためには、有料の情報、私の場合は新聞や本が必ず必要だと思うのです。

  山崎 晶子

美術館定理

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“美術館”という馴染み深い単語と“定理”という少々堅苦しい単語の組合せは,いささか奇異に感じられるかもしれません。しかし、これは数学の一分野である離散幾何学の立派な定理で、英語でも“Art Gallery Theorem”として知られています。以下に、その概要を記します。

1973年にクリ―(V. Klee)は、「n個の壁で仕切られ、内部に障害物がない美術館を、何人の警備員で監視できるか?」という問題を提起しました。これは美術館問題と呼ばれています(まだ問題の段階です)。なお、前提として、各警備員には定位置があり、そこから動くことがないものの360°見渡せるということにします。固定式の防犯カメラと思えばいいでしょう。さて、下の図を見てみましょう。上から美術館を眺めているものとして考えてください。(a)(b)ともに9個の壁で囲まれています。図形として捉えれば、凹凸ありの単純9角形です。美術館が (a)のような形状であれば、★のあたりに警備員を一人配置することで美術館全体を監視でき、窃盗やいたずらを防ぐことができます。一方、(b)のような形状であれば、図の★のあたりに一人ずつ警備員を配置することで美術館全体が監視できます。警備員の配置は他にも考えられますが、それでも(b)の場合には最低3人の警備員が必要であることはわかると思います。

Ag1 〔図〕 9個の壁で囲まれた美術館に必要な警備員の人数

この(b)の例は、山が3つあるような形状ですが、同様に山が4つになれば(つまり12角形のときには)警備員が4人、山が5つになれば(つまり15角形のときには)警備員が5人必要であることが想像つきますね。特殊な形状ではありますが、この素朴な観察が示唆することは、3k角形(k:自然数)の美術館にはk人の警備員が必要であることもありうるということです。1975年にクバタル(V.Chvatal)は、「任意のn角形(n:自然数)の美術館は、高々n/3人の警備員で監視が可能である」と主張し、その証明を与えました。これが“美術館定理”です。n3の倍数に限定していないことに注意しましょう。n/3は、n/3を超えない最大の整数を意味します。 

さて、美術館の形状によってはn/3人の警備員が必要であるということが先の観察で明らかになりました。しかし、美術館定理はそれよりも踏み込んだ内容となっており、n/3⏌人で十分であるということも主張しています。ここでは、1978年にフィスク(S.Fisk)が与えた証明の概観からそのことを理解してみましょう。キーワードは、三角形分割と頂点彩色です。下の図を見てください。左上の26角形が美術館の形状だとしましょう。これを右上にあるように、頂点を内部でも結んで全体を三角形に分割します。あとから加えた点線を含めると、この26角形が24個の三角形に分割されたことがわかります。一般に、n角形はn-2個の三角形に分割することができます(分割の仕方は一意ではありません)。そして、この三角形の各頂点を赤・緑・青の3色で彩色します。ただし、三角形を構成する頂点同士は別の色になるように塗ります。その一例が下側の図です。どの三角形においても3色が使われますので、各色の頂点の数は高々1個しか違いません。実際、この例の場合も、赤の頂点が8個,緑と青の頂点がそれぞれ9個となっています。

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〔図〕 多角形の三角形分割と3色による頂点の彩色

ところで、三角形は凹形状にはならない唯一の多角形です。したがって、例えば赤の箇所に警備員を配置すれば、美術館全体の監視ができることになります。赤い頂点は8個でしたが、26/3= 8ですね。この美術館は実際にはその半数の警備員で全体を監視できますが、任意の26角形の美術館ということで考えれば、最悪の場合であっても8人の警備員で監視計画が立てられるということです。この美術館問題は、その後に様々なバリエーションのものが登場しました。また関連して、要塞問題や刑務所問題などもあります。関心のある方はいろいろと調べてみてください。

以上

(文責: メディア学部 松永)

お勧め書籍でプレゼン競演「ゲーム関連本ビブリオバトル!」

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メディア学部教員の岸本好弘です。

 「ビブリオバトル」って知っていますか? 自分が読んで「おもしろかった!みんなに読んでもらいたい」と思う本を持ち寄って、その魅力をプレゼンし、「いちばん読みたくなった本」に投票して《チャンプ本》を選ぶイベントです。

 私の受け持つ2年生向け「ゲーム制作技法の基礎」の授業では、「ゲーム関連本」をテーマに「ビブリオバトル」を行います。今期の学生たちが選んだ本とプレゼンの様子を紹介しましょう。

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一般的過ぎて何にもあてはまらない

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講義の中で、数学のような公式が出てくると、「むずかしくて意味がわかりません」という反応に出会うことがあります。

公式は便利に使えるようにつくられているはずなので、意味がわからなくて使えないのは残念です。

公式がむずかしく見えるのはなぜなのでしょうか。見た目の複雑さもあるでしょうが、一般的で、したがって抽象的なので、ある特定の問題に具体的に使えるとは思えないからかもしれません。

数学では、なるべく多くの場合に使えるように、できるだけ例外がないように、公式や定理がつくられています。ひとつの定理から多くの結論が導き出されることも珍しくありません。これは、たいへん便利だといえます。

ところが、公式や定理が一般的なせいで、使えることに気がつかない場合が出てくるのではないかと思います。そんなとき次のように感じるかもしれません。

すばらしい定理がありますが、完全に一般的なので、どのような個別のケースにもあてはまりません。

これは有名な冗談ですが、実際には、こんなことはないはずです。一般的な定理ならば、さまざまな個別のケースを含んでいて、そのうちのどの場合にも当てはまり、使えるのです。

数学自体が全般にむずかしいと思われてしまう理由のひとつは、このように結果となる公式や定理が一般的であるということでしょう。

勉強している最中に出てきた公式や定理が抽象的に感じて、その意味がわからなかったとしましょう。こんなとき、どうすればいいでしょうか。

実はうまい手があります。公式や定理が一般的で抽象的に思えて意味がとれないときには、個別化、具体化してみるといいのです。たとえば公式の文字(変数)に具体的な数を入れてみて、いくつかの場合を見てみたり、定理のあてはまる具体的な場合をみつけようとしたりすると、意味がとれるようになるものです。数学などの専門家でも自分の分野でないことを理解しようとするときには、やっている方法です。

(メディア学部 小林克正)

専門演習「作曲演習」の紹介(第2弾)

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 みなさん、こんにちは。メディア学部の伊藤です。本日は、私が担当している専門演習「作曲演習」についてご紹介したいと思います。実は、ほぼ1年前にもこのブログに演習内容を書いています。ですので概要はこちらをご覧いただくとして、今回は具体的にどのようなことを行っているのか、詳しくお話ししたいと思います。

 実は昨年度後期から、この演習での課題がちょっと変わりました。それまではメロディやリズムなど、音楽上のさまざまな要素におけるコントラスト(対比)を意識した楽曲を自由に作曲するものだったのですが、指定された数個の音をもとにしてメロディをつくり、そこから楽曲全体を構成することを課題としたのです。それは2年次の「音楽制作の基礎」という授業で、1つの音を出発点に、「モティーフ」と呼ばれるメロディの核となる短いフレーズから楽曲全体に至る音楽の構成について講義しているので、そこで学んだことを創作に結びつける場にしようと考えたからです。

 また、学生全員が同じ素材(音の並び)を使いながらも、アイデア次第で多種多様な音楽を生み出すことができることを学生諸君に体験してもらいたいという願いもあります。これは、一つの食材から、アイデアと工夫によっていろいろな料理ができるのに似ていますね。美味しい料理をつくるには確かにスキルもテクニックも大切ですが、必ずそこには食材や調味料の吟味から料理の完成に至るまでのしかるべき「プロセス」や、そのための「思考」(こうしたらこういう味になるだろう…)があるはずです。単に既存の理論やハウツーに沿って「それらしいもの」をつくるのではなく、あるアイデアをいかにして形あるものにするか、その実現に向けた手順や方策を試行錯誤しながら考えていく過程を、より重視する方針としたのです。

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1−1=?

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これまで「面白メディア学入門」の筆者のブログ「データから社会経済の動きを探る技術」シリーズでは、AADL(代数的会計記述言語:Algebraic Accounting Description Language)に実装されている演算を、足し算、掛け算、割り算の順に紹介してきた。今回このAADL演算シリーズの最後のオペレーションとして引き算を紹介する。

なぜ、最後が引き算なのか?怪訝に思われる読者もおられるであろう。実は、AADLの引き算は会計のオペレーションをもとに設計されており、通常の数学的な引き算とは一見だいぶ趣を異にしている。しかし、実装表現上は異質でも、その考え方には共通の普遍性がある。次の例を考えてみよう。

5−3=

答えは言うまでもなく2であるが、上の引き算は

−3+5

と答えが等しい。数直線上の原点0を挟んで、−3は左側に3、+5は右側に5で、この計算は、両者を「相殺」して、+2と計算される。つまりプラス方向に5、マイナス方向に3で、プラス方向の絶対値の方が大きいので、差し引きプラス側に5となる訳である。AADLの引き算はこの「相殺」というオペレーションで実装されており、これが会計の考え方である。

Aさんはリンゴを5個買い、そのうち3個を食べました。残りのリンゴは何個ですか。

いま、Aさんからすれば、購入したリンゴは「増え」、食べたリンゴは手元から「減って」いく。このリンゴの「増・減」を「相殺」した結果が、上の問の答えになる。上の数学表記の引き算で考えれば、購入して増えたリンゴは、数直線上のプラス方向の5で、食べて減少したリンゴは、数直線上のマイナス方向の3で表され、差し引きプラスの2、すなわち2個残った、というわけである。

では、このプロセスを交換代数表記してみよう。時間基底は特定せず、この場合のAADLの表記は、#である。

5<リンゴ, , #, A> + 3^<リンゴ, , #, A >

リンゴが(食べた結果)3個減少した、という事実を交換代数で表した結果が、上記の第2項である。この第2項の交換代数の数量と基底の間に「^」という記号が表記されているところに注目されたい。これは「ハット基底」で、交換代数元の減少を表すオペレーションである。

AADLで引き算をプログラミングする際に注意すべき点がある。上記の交換代数

5<リンゴ, , #, A> + 3^<リンゴ, , #, A >・・・(1)

をプログラミングしただけでは、残り2個を計算してくれないのである。では、どうすれば良いかというと、上の交換代数をxとおくと、

~ x2<リンゴ, , #, A>・・・(2)

というオペレーションが必要になる。この「~」を「バー」オペレーションといい、同一基底を持つ交換代数の間で「相殺」を行うオペレーションである。

なぜ、同じ交換代数で(1)(2)の区別を行うのか?実は、(1)の交換代数は、問のうち、「Aさんはリンゴを5個買い、そのうち3個を食べました」というAさんの行動履歴を表しており、(2)の交換代数は、問のうち、「残ったリンゴという結果」を表している。

このような区別が必要になる理由を明らかにするためには、少し「会計」の考え方を学ぶ必要がある。次回は、会計とAADLの実装法との間の考え方を紹介しよう。

(メディア学部 榊俊吾)

見えているのに見えない話

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その昔、京極夏彦の推理小説のトリックで『目の前にあったのに意識が邪魔をして実は見えなかったのだ』という展開があって、読んだ当時はなにこれ!?と思ったことがあります。
 
眼前にあっても見えない、という話はおとぎ話的にも幽霊譚的にも沢山ありますが、科学的風な説明を施した『見えない』代表格の小説は1897年に発表されたH・G・ウェルズの『透明人間』でしょうか。これは体の屈折率を変えて透明になるというもの。その後、『透明化する』という題材は映画などで何度も取り上げられており、近年では現実にも研究されている光学迷彩という形で「攻殻機動隊」の諸作など、様々な作品で扱われたりしています。
 
いずれにせよ、これらは『観察対象からの反射光が人の眼に届かないようにする』という考え方なのですが…(と、ここまでが前振りです)。

 
さて、ちょっと視点を変えて、『光が眼に届いているのに見えない』という話をしたいと思います。
 
眼前のモノを消す方法の一つとしては〝盲点〟を用いる方法があります。
網膜上には情報を集めて脳の方に伝達するための視神経の束が通る〝視神経乳頭〟という部位があって、この神経束の部分は光に反応しないので、視界の中には『ある狭い範囲』に入ると見えなくなる箇所が存在します(実は視界の中に見えない箇所がぽっかり穴をあけている状態なのですが、このあたりの解説はまた別の稿で)。
 
 
これとは別に『眼に光が届いているのに見えなくする方法』はもう一つあります。それは簡単で、〝対象をじっと凝視すること〟です。
 
下のイラストを見てください。このウサギの絵の赤い眼の部分を、〝自分の眼球を全く動かさないようにして〟しばらくじっと注視してみましょう。集中の度合いによっても変わりますが、段々と周囲の輪郭線がぼやけてくるはずです。うまくいけば眼の赤い点を残してすべての周囲の絵が消えるのではないでしょうか。(この現象は視界の周辺部の方が起こりやすいので、絵を拡大すると良いかもしれません。)

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図1.ウサギ (イラスト協力 :おぎん)

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