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2015年8月14日 (金)

世界最大のCG技術発表会・展示会SIGGRAPH2015

2015年8月14日 (金) 投稿者: メディア技術コース

今週、ロサンゼルスでSIGGRAPH(シーグラフ)2015が開催されています。コンピュータグラフィックス技術に関する世界最大の学会・展示会で、今年で42年目です。会場となるコンベンションセンターをすべて使い、日本でいうと幕張メッセを全部使って行うぐらいの感じで盛り上がっています。

日曜から木曜までの5日間で各種イベントが行われ、世界中から約2万人が集まりました。技術論文セッション・コース(セミナー)・トーク(技術発表)・パネル討論など、登壇発表形式のセッション数だけでも100ぐらいあります。

1つのセッションで4~5人程度の人が発表しますから、檀上で発表する人の数だけでも400~500人です。セッションによって違いますが、小さいものでも聴衆は100人は集まりますし、大きな部屋のセッションだと1000人近く集まります。

その中でも一番エキサイティングなのは、技術論文(Technical Paper)セッションです。1月の論文応募締切から2か月で審査が行われ、採択されるのは5件に1件という高い競争率です。CGの研究者としてSIGGRAPHで研究発表するのは、たとえて言えば、サッカー選手としてワールドカップに出場するぐらいの価値があります。

そのように選ばれた研究発表だけに、どれも素晴らしいものです。何が素晴らしいかというと、今までできなかったことを初めて実現したという要素が必ず入っているからです。新規性は研究の必要条件ですから当然です。

研究発表を聴いていると、違う分野の内容なのに、自分の普段行っている研究のアイディアも触発されてきます。不思議なことですが、本当に刺激になります。自分もあそこに立って発表できるようにならないと、というあせりも感じます。

個別の発表を紹介するときりがないので、以下の3分ほどの動画を覗いてみてください。

https://youtu.be/XrYkEhs2FdA

この動画では、一部の研究発表の結果のほんのさわりだけを紹介しています。何だかわからないのものが多いかもしれませんが、CG研究の世界最先端であることは間違いありません。最後の方では紹介された映像の発表者名が流れます。日本人の発表も結構あります。彼らがサッカーでいうとワールドカップ出場選手ということです。

発表者は大学教員や研究所の研究員が多いですが、大学院生もかなりいます。日本からももっと学生の発表者が出てもいいはずです。アイディアと努力しだいで、卒論のテーマからSIGGRAPH論文につながる可能性だってあります。私の研究室からもいつかはSIGGRAPHで研究発表する学生を出したいものです。

メディア学部 柿本正憲

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