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計算報道学って何? メディアサイエンス専攻特別講義

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こんにちは。メディアコンテンツコースの竹島です。

今回は、2015年7月17日の「メディアサイエンス特別講義I」において、慶應義塾大学の藤代一成教授に「計算報道学とその周辺-CG/可視化の新たな可能性-」についてご講演いただいた内容を紹介します。藤代先生は私の大学時代からの恩師で、学生時代から今までたくさんの共同研究をさせていただいています。

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「計算報道学(Computational Journalism)」という言葉は、聞きなれないかもしれませんが、新たな事実伝達の方法論や枠組みの確立を目指す、新しいメディア情報学の領域です。
報道学、すなわち、ジャーナリズムの本質としては、事実を伝達すること、そして、その内容から他人の恣意が入った一義的な見方だけではなくいろいろな解釈ができること、そして、得られた情報の内容をきちんと説明する責任があるということが挙げられます。

これを「計算報道学」に置き換えて考えてみます。
まず、事実を伝達するということは、計算によって得られた結果を人に伝えるということになります。計算結果を人に伝える有効な方法の1つとして可視化があります。たとえば、地震の予測シミュレーションや風洞内の風の流れのシミュレーションなどの、数値データを画像に変換することで、より直感的に計算結果を理解することができます。
次に、内容が多様に解釈できるということは、ユーザ自身が独自で計算結果を解釈できる必要があるということになります。しかし、可視化の場合は、ユーザが1から可視化結果を作り上げるのは容易ではないため、良質な初期状態を提示するという研究がなされています。たとえば、物体の遮蔽が一番少なくなる位置に、最適な視点位置を設定するなどです。一般的に、最初に見たものの印象が強く残ってしまうので、最初から、ある程度、良質な可視化結果を提示してあげることで、その後のユーザ独自の解析を効率的に行えるようにします。
最後に、説明責任ですが、これは計算の場合は、その計算の出自を管理するということに置き換えられます。すなわち、どのようなパラメタを用いて、どういう計算がなされ、その結果として得られた可視化画像ではどのような手法が用いられ、どのような可視化パラメタ値が利用されているのか、などといった情報をすべて保存しておきます。

CGや可視化は、視覚を用いて物事を伝達することができます。その表現方法や利用法について改めて考えさせられる講義でした。
最後に藤代先生はこう述べています。
『「報道学」を情「報」に通じる「道」を極める「学」問と考え、「計算」は、それを加速する現代の「利器」である。』

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