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聞き取れるメロディと聞き取れないメロディ

2015年9月15日 (火) 投稿者: メディア技術コース

みなさん、こんにちは、

 
みなさんは、小学校で習った歌から今のポピュラーな歌まで、いろいろ歌えると思います。歌えるということは、メロディを聞き取れて、覚えられるということですね。
最近の音楽制作にはコンピュータが多く使われるようになりました。普通の楽器は人が演奏するので、演奏の速さには限界がありますが、コンピュータはいくらでも速く演奏できます。最近の音楽ってずいぶん小刻みに音が出たり、複雑なメロディが速く演奏されたりしていると思いませんか?
人はどのくらい速いメロディを聞くことができるのでしょう?どんなメロディでも聞き取れるのでしょうか?
次の音を聞いてみてください。

音A

音B

音C

音Aは低い音と高い音が交互に聞こえてきます。音Cはピアノなどを演奏する人には聞きなれた音の並びだと思います。トリルと呼ばれる演奏ですね。それでは、音Bはどうなっているのでしょう?なにか、高い音と低い音がずっと鳴っているように聞こえますが、高い音と低い音の時間的な順序関係が良くわかりませんね。

たねあかしをします。今聞いてもらったメロディは次のずのような音の並びでできています。縦軸は音の高さを表しています。また、横軸は時間を表しています。

Shorttonesequence

                    図1 3種類のメロディの音の並び

 音Aは長い高い音と長い低い音が交互に鳴っています。音の高さはかなり違います。音Cは短い高い音と短い低い音が交互に鳴っていますが、音の高さの違いは小さいです。さて、問題の音Bは高い短い音と低い短い音が交互に鳴っているのですが、その音の高さの違いが大きいのです。こうなってしまうと、音の順序関係が分からなくなってしまい、一続きのメロディとしてはとらえられなくなってしまうのです。音Bと音Cは音符にあたる個々の音の時間長は同じです。同じ時間的タイミングの音符の並びでも、音の高さが近いと順序関係が分かりますが、音の高さがかなり違うと順序関係が分からなくなってしまうのです。不思議ですね。ですから、あまり高低差のある短い音符が並んだ音楽を創ると、メロディが聞き取れなくなってしまうのです。

 

相川 清明

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