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アニメ制作に襲来するディジタル化の波(2)「仕上げ・撮影」のディジタル化

2015年10月 1日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.
以前の記事に引き続いて,アニメーションのディジタル制作について紹介します.
今回はアニメーション制作のディジタル化の第1の波「仕上げ・撮影」のディジタル化についてです.
紙とセル,フィルムで制作されたアニメーションがどのように変革してきたのでしょうか.

Shooting

フィルムに撮影する撮影台(著者撮影)

<アナログアニメ制作手法>
従来のアナログアニメでも現在のディジタルアニメでも,まずキャラクタなどの動きを表現する画を紙に描きます.
アナログアニメでは,この紙をもとに,透明なセルロイド(通称「セル」実際はアセテートを使用)に手でなぞったり機械を使って輪郭線を移します.
そして,そのセルに裏側からインクを利用して色を塗っていき仕上げていきます.
そして,背景画にこのセル画を重ねて一枚づつフィルムに撮影していきます.

Analog1_3

<ディジタルアニメ制作手法>
ディジタルアニメーションでは,仕上げでは紙に描いた画をコンピュータにスキャナーを利用して取り込みます.
そして,それらをコンピュータ上で彩色することでセルと同じような素材を作成します.
背景画も同様に画用紙に水彩で描いたものをコンピュータにスキャンします.
そして,これらの素材を従来の「撮影」の代わりにコンピュータ上で合成します.

Digital

<変革のきっかけ>
アナログアニメからディジタルアニメへの変革のきっかけは,「セル」(アセテート)の製造終了でした.これはそれまで用いられていた,セルの製造中止が決まり,将来的に制作手法を見直さなければならないという事情により90年代終盤から一気に普及しました.
1980年代にはすでに手法として確立し,実際に作品にも使われましたが制作コストの面などから普及には至りませんでした.
しかし,セルという素材の製造終了が決まり,将来的に変更を余儀なくされたことに加え,PCの処理能力の向上と低価格化が進み,急速な変革に至りました.
当初は単に,仕上げや撮影のディジタル化だけでしたが,コンピュータ上で合成することから3DCGなどの素材との親和性が高くなり,現在のディジタルアニメへと進化を遂げました.

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