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世にも恐ろしい本当にあった話― CG 研究の発表なのに映像もスライドもないって,ありえねぇ!―

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皆さん,こんにちは.

メディア学部准教授 菊池 です.

本日のブログでは,私の学生時代「最大の失敗談」について書きたいと思います(笑).

いまから20数年前.
そのころ私は,岩手大学大学院博士後期課程 1 年の学生でした...

いまでも忘れません.
その日は金曜日.東京・芝浦で開催される CG 関連の学会で,自身の研究発表を行う日でした.

学会は午後から始まるプログラムだったため,岩手・盛岡を午前 9 時台発の新幹線に乗れば充分に間に合います.
私はまず,朝早めに大学の研究室に立ち寄り,事前にすべてのデータ(成果映像とプレゼンデータ)を入れておいたノート PC をカバンに入れました.

「さぁ,出発だ!」
勢いよくカバンを持ち上げたその瞬間...
重っ!!!

そうです,重いんです(笑)
いまから20数年前のノート PC って,重かったんです!(笑)

ノート PC が重い上,私は学会終了後に東京ですでに社会人として働いていた友人宅に遊びに立ち寄る予定にしていたため,着替えなどの荷物もカバンに入っていて,とにかくカバンが重かったんです.

そこで私は考えました.

この電源(AC アダプタ)が重いんだよ...大丈夫でしょ,電池もつでしょ...
そして私は,AC アダプタを研究室に置いて行くことにしました.

これが後々,大事件を引き起こすことになるとも知らずに...

無事に新幹線にも間に合い,私はまだまだ慣れない学会でのプレゼンのため,新幹線車内でノート PC を立ち上げ,プレゼンの練習(イメトレ)を何度か繰り返しました.
そして東京に到着.
無事に学会会場にも,時間に余裕をもって到着しました.

私の発表までは,まだまだ時間があります.
そのため,また学会会場で「練習しておくか...」と(普段では考えられないほど真面目に w)ノート PC を起動し,プレゼンの練習を繰り返しました.


そうこうしているうちに学会も始まり,「さぁ,次のセッションで発表だ!」という頃,悲劇は起こりました...
皆さん,もうすでに予想がついていることと思います(笑)

そうです.私の身に起きた悲劇というのは,「ノート PC のバッテリーが切れました!起動しません!」という,とんでもない大事件です!(笑)

当時のノート PC のバッテリーというのは,本当にすぐに切れたんです.
しかも,よりによって AC アダプタもないんです(これは完全に自己責任ですが w).
しかも,他の人が持っているものとの互換性もなければ,いまのように「USB メモリ」など存在すらしていませんし,「CD-Rに焼く」ということも一般的ではありませんでしたし,ましてや「クラウド」のようなものもありませんでした.

そうです,バックアップすらないのです!

もう最悪です.
私は,「CG 研究の成果を発表に来ているのに,成果映像も,ましてや発表スライドすら使えない」という,世にも恐ろしい状況になったのです!

もう,それはそれは...ガクブルガクブルです...

私の発表が組まれているセッション前の休憩時間に,私は心の底から焦り,座長をされる先生のところに事情を説明に行きました.
その座長の先生は,私のような学生でもお顔とお名前を存じ上げているほどの著名な先生でした.

事情を説明し,どうしたらいいか相談させていただいたところ,その座長の先生は優しくとても柔和なお顔で「大丈夫ですよ.原稿は皆さん持っているから,原稿を読んでいただきながら話を聞いてもらえるように,持ち時間いっぱいを使ってゆっくり説明してください」と,焦りまくっている私を落ち着かせるように仰ってくださいました.

私はそのご指示通り,CG 研究の発表なのに「映像資料は何もなしの,完全にフリートークで 20 分発表する」という”偉業”を成し遂げました(笑).

私はこの失敗から,「大事なデータはバックアップをとる(当時は OHP を準備しておくというのが一番安全なバックアップでした)」,「ノート PC のバッテリーは信用しない(笑)」ということを学びました.

そしてなにより!
「どんな環境でのプレゼンでも,びびらなくなりました」(笑)

「あのときの学会発表に比べたら...」と思うと,たいていの環境では物怖じしなくなりました.
「あのときに比べたら,なんとかなるさ!別に取って喰われるわけじゃない!」と.
もちろん,緊張はします.
でも,必要以上に緊張しすぎることはなくなりました.


どんな人間でも,必ず過去に失敗経験はあります.
その失敗から何を学ぶか,それを経てどう成長できるか...
これが大事なのではないでしょうか?

学生の皆さんも,失敗を恐れずにどんどんいろいろなことにチャレンジしてほしいですね.
(AC アダプタを置いていくというチャレンジはやめておきましょう w)

あ...
学会終了後数日経って,私は研究室の先生(私の恩師)から呼び出され,こっぴどく叱られたのは言うまでもありません...(笑)


さて...
ちなみに,あの学会で私が発表したセッションの座長をされていた,優しく私を落ち着かせてくれた先生ですが...
実はなにを隠そう,「近藤邦雄 教授」なんです!!!

そうです,いま私の研究室のお隣の研究室にいらっしゃる近藤先生です!

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写真:2015年10月15日,東京工科大学 CTC にて.右:近藤先生,左:菊池


あれから20数年を経て,まさかあのときの座長の先生と同じ職場にいさせていただけるとは...
ものすごいご縁を感じます.
感無量とは,このことです.

人生とは,本当に面白いものですね.


(文責:菊池 司)

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