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2015年10月

デザイナーの観点からの研究と流行について

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製品のデザイニング(特にプロダクトデザイン)は人が使うための製品の形態と機能を追求するという点では学問的行為と類似しています。形態と機能は時代に応じて流行も若干は考慮しますが、流行こそが最優先というプロダクトデザインはまずありません。1930年代のアメリカにおいて空力特性を考慮する理由はないと思われる製品にも流線型が使われたという形態の流行事例はありますが。

 

流行と言えば研究にも流行はあるのかもしれません。研究の主目的は事実・本質の追求だと思いますが、これまでに私が所属した学会の論文からも流行の事例をあげることができます。代表的事例は「ファジィ」の流行あたりでしょうか。私の論文のいくつかも日本ファジィ学会(現在の学会名は日本知能情報ファジィ学会)の掲載論文です。1990年前後にファジィという言葉は一般社会においても大流行し、たしかファジィという言葉が新語大賞にもなったと思います。

 

当時、私もデザインに関する研究対象としてファジィ理論研究のなかでファジィ推論には興味を持ちました。ファジィ理論研究とデザインとの関係に着目したからです。ファジィ(fuzzy)という単語は曖昧さを示す形容詞ですので、ファジィ理論の活用は厳密な解同定が困難な対象の研究に向いていると思いました。当時はプロダクトデザイナーとしての仕事が多忙でしたし、難解な理論を理解するような資質も足りない私でしたが、デザイニングは一種の推論とも解釈できますので、曖昧な対象を扱うファジィ推論に興味を持ったのです。

 

デザインプロセスのどの段階であれ、その現場では例えば「安全感を高くするために角をもう少し丸めようか」といった言い方での議論は普通に行われます。高いとか少ないとかという表現は曖昧です。それでも製品は最終的形状へとたどり着くわけです。このプロセスをデザイン支援システムとして構築することにしました。プロセスのモデル化の試みという言い方もできると思います。まず主成分分析(多変量解析の一手法)を用いて数多くの言葉で表現される要求を数次元の空間軸として圧縮表現し、デザイン対象をパラメトリックモデリングしたうえで、要求イメージ空間軸とモデリング対象のパラメータに関するファジィプロダクションルールを作りました。このルールを有するファジィ推論システムをCADに実装した結果、一応目標とするデザイン支援システムは完成しました。これについては本にもまとめました。

 

当時、ファジィ理論に関連する研究は曖昧さを扱うと言う点で新鮮でしたし、推論の理論も比較的理解しやすいということもあり、私のような実務に携わる人々も巻き込みました。今思えば、実務家や一般社会人もやってみたくなる研究の流行もあるのだなあ、という感じです。なお、今は言葉が表面に出てこないだけで制御などの分野でファジィ理論はフツ-に使われているそうです。

 

もしかするとメディア学部で扱うことは研究の流行を生む可能性が高いかも、なんてことを勝手に思っています。

以上、ただの個人的感想でした。

文章 萩原祐志

10/30〜11/3 スマートイルミネーション横浜に作品を出展します

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こんにちは  メディア学部 A.E.D. Labの羽田です。
本研究室では夏に配属されたばかりの3年生が主体となって、
本日より11/3まで行われるスマートイルミネーション横浜2015に参加します。
このイベントは次世代の夜景を目指すイベントで横浜の湾岸地区である大さん橋から象の鼻パークの付近で行われます。

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40パーセントの努力と60パーセントの才能

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タイトルにある言葉は、2012年に亡くなったモーリス・アンドレというトランペット奏者が、インタビューにて自身の成功の理由について述べたものです。彼は大変偉大なトランペット奏者だったのですが、こんなことを言われると「凡人はいくら努力をしてもダメなんだろうか」などと思ってしまいますね。

この対極的な名言としてよく引用されるのが、発明家エジソンの「天才は99パーセントの努力と1パーセントのひらめき」という言葉です。この言葉はよく努力の大事さを語る文脈で引用されるのですが、実際にはエジソンが言いたかった真意は真逆だったそうです。つまり、「99パーセントの努力をしても、ひらめきが1パーセントもないようでは努力は無駄」という意味です。この二人は、もう「トップレベル」などという形容を超え、歴史に名を残すレベルにある人物達ですので、一般人には参考にならない発言に思えるかもしれません。

しかし、大学で教えている立場として、ここ数年くらいでこのお二人の発言になんとなく共感する面もあります。

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サステイナブル関数??? 

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みなさん、こんにちは、

 
東京工科大学は「サステイナブル(持続可能な)」社会実現のための教育を行っています。「サステイナブル」であるためには、無駄がないことや省エネなども関係してきます。資源の有効活用や再利用も重要ですね。
さて、数学で「サステイナブル」って考えられるでしょうか?実は再利用可能な関数があるのです。数学の関数とは言っても、ここでは、コンピュータで用いられる関数のことを指します。
数学で「階乗」という演算があります。数を1ずつ減らしながら掛け合わせることです。例えば3の階乗は 3! と書き、その演算は 3×2×1 を指します。よく考えてみると、演算は1つ減らした数を掛けるという基本的な演算の繰り返しとなっていますね?この基本演算の繰り返しであるということをうまくプログラムで作れないでしょうか?
メディア学部の「音声音響メディア処理論」ではscilabという数値計算ソフトを使って授業を行っていますが、scilabでは自分で関数を定義できます。kaijoという関数を作ってみましょう。
 

  Kaijo

1行目のfunction文は、この関数は名前は kaijo で x を入れると、この関数中で計算された y の値を出力することを宣言しています。

if の文は、もし、入力が 1 だったら、その値をそのまま、y に入れて終わる、else つまり、そうでない場合は、というところまで行くと、…

おや?kaijoという関数の中に自分の名前 kaijo が出てきますね?そうでない場合は、入力 x にそれより1つ小さい値を入れた自分自身 kaijo( x - 1 )を出力せよと書いてあるのです。自分の中で自分って呼べるのでしょうか?

それが、できるんですね。

scilabではこんな風に関数を使います。

Use_kaijo

1行目は、これから kaijo.sci という関数を使いますという宣言です。2行目を実行すると

ans  =

    6. 

が出力されます。確かに 3 の階乗の値になってますね。

さて、どんなことが行われたのでしょうか?

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卒業生との共著

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今回、昨年度の卒業生(2015年3月卒業)の学生さんと研究していたワークプレース(ワークの現場)の会議に関する論文を書くことができました。12月には出版されます。またその時に、論文のタイトルと著者をご紹介したいと思います。
 ワークプレース研究とは、働く現場での研究のことを言います。私たち社会学者や情報科学の方にも、現在とても関心の高い研究分野です。
 小松さん(学生だった時は小松君と呼んでいましたが、今は社会人なので小松さんと書かせていただきます)は、1年生のフレッシャーゼミで私のゼミに配属になり、3年生まではその関係でおつきあいをしてきました。3年生の後期に私のゼミを希望してくれて配属してくれると、大変に熱心に研究をしてくれました。
 関係者のご協力で大企業にインターンシップにも行くことが出来て、働く人たちの観察もすることができました。後期になるとびっくりするほど詳細にデータを作り、本を読み、とてもすばらしい卒論を書いてくれました。
 12月に出版される論文は、他にも二人の共著者がいるのですが、小松さんとの共著です。学生さんと共著を書くのは、これで4回になりますが、ゼミに配属されて卒論を楽しんでくれるとこのような成果を上げることができて、私も大変嬉しく思っています。

 山崎 晶子

閑話休題:講義ビジネスシミュレーション

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これまで「面白メディア学入門:AADLによる基礎演算」シリーズでは、交換代数をプログラミング言語として実装したAADLによる足し算、掛け算、割り算、引き算の方法、そして会計に代わる実務的な話を紹介してきた。筆者は、秋学期に本学部上級生向けに、AADLでシミュレーションを行えるようにするための授業を開講している。

当授業でもその前提となる技術習得するためにこれらの内容を扱っている。AADLでプログラミングを行うためには、これまで紹介してきた、交換代数によるデータ構造の理解と、編集、計算が必要になってくる。受講生諸君はまず、こうした考え方を学ぶ洗礼を受けるわけである。

さて、今年も当授業が開講されたわけだが、実は本題に入る前に、最大の関門が待ち構えている。と言っても大したことではない。当授業は一応講義として登録されているのであるが、実態は演習形式に近いので、AADLの実行環境を整えてやらなければならない、ということである。AADLの中身は実はjavaで、AADLのソースコードはjavaにコンパイルされる。そこで、javaのプログラム開発環境である、JDK(Java Development Kit)をインストールする必要がある。

このダウンロードとインストールの作業も、特別なチューニングが必要になるわけではなく、指示通りに行えばよいので、いたって簡単なはずである。実際大多数の学生諸君は何の問題もなくインストール作業を終え、AADLの起動並びに正常な実行が確認できた。しかし、受講生が100人規模になると、何が起こるかわからない。これまで蓄積してきたトラブルシューティング事例集が(頭の中に)あるので、幸い、今年も手に負えない事態に直面することはなかった模様である。

 

 (メディア学部 榊俊吾)

新ジャンル『e-コンバット』コンペティションにて、メディア学部の学生3名が入賞!

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 メディア学部 教員の岸本です。

  『e-コンバット』とは、古武道とテクノロジーを組み合わせた新しいゲームジャンルです。このたび、学生を対象に開催されたコンペティションにおいて、本学メディア学部の学生3名が入賞し、10月15日㈱ヴァルハラゲームスタジオにて表彰式が行われました。

世界初!! 古武道×テクノロジー『e-コンバット』コンペティション
遠隔兵法:ゴーストブラストの部(電脳射撃訓練用具)


入賞:メディア学部3年 池上 友貴
入賞:メディア学部2年 長井 智弘
板垣 伴信賞(努力賞): メディア学部2年 脇坂 明日香  

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▲ヴァルハラゲームスタジオでの表彰式の様子

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紅華祭での研究室展示「学習ゲームチャレンジ」が過去最高の来場者数を記録!

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 メディア学部教員の岸本好弘です。

 10月11、12日に開催された紅華祭にて、我々「次世代ゲーミフィケーション研究室」は、4年生による卒業研究ポスター展示、3年生による「学習ゲームチャレンジ」という二つの研究発表展示を行い、さらに1、2年生の有志による模擬店「きっしーぐまパンケーキ」を出店しました。

 研究発表展示では、なんと過去最高となる375名の来場者数を記録! そのうち60名が中学生以下の子供たちでした!!
 

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▲「学習ゲームチャレンジ」コーナー(担当3年生)

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上を向いて歩こう(雲の形)

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皆さん、外をあるくときにはどこを見ているでしょうか?大体の方は前を見て歩いているのだと思いますが、最近ではスマホの画面を見ながら歩いている人が大勢いるようにも思います。私も昔、本を読みながら歩いていて、歩道に設置してあった一人用の低い椅子状のものにつまずくというマンガのようなことをしてしまったこともありますが、最近はちょくちょく空を見上げています。といっても、感傷的になっていたり、ドラマやマンガのシーンのように格好つけている(ことになるのか?)のではなく、雲を見ているのです。

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インドネシアからの学生の受け入れ

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こんにちは。メディア学部の寺澤です。

メディア学部では、通常の留学生のほかに海外の提携大学の学生の短期滞在を受け入れています。この夏にはタイのチュラロンコン大学の3年生3名がやって来て、私の研究室にはそのうちの一人のPond君が2か月間のインターンとして滞在していました(こちらの記事をご覧ください)。

そして、10月から新たにインドネシアのスラバヤ工科大学から博士課程の学生AiniさんとBandungさんが3か月の予定で来日しました。Ainiさんは私の研究室で、Bandungさんは菊池先生の研究室で研究活動を始めています。

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(左:寺澤、右:Ainiさん)

Ainiさんの研究テーマは Gossip-based Routing Protocol with Energy Efficient and Fault Tolerant in Maritime Mobile Ad hoc Network というものです。インドネシアには1~2人程度が乗れるだけの小さな船で魚を取って暮らしている人たちがたくさんいるそうです。彼らはスマートフォンは持っておらず、船にはGPSや魚群探知機は装備されていません。そういう彼らが漁に出て仲間の船や陸地と連絡を取るためのシステムに関する研究です。

Ainiさんは本国での研究プロジェクトのメンバーで、船同士が通信をする時にどのように相手まで情報を届けるかの仕組みを検討する部分を担当しています。私の研究室ではコンピュータネットワークに関する研究を行っていますので、受け入れて一緒に検討を進めていこうということになりました。これからアイディアを練って検証する作業が始まります。

インドネシアには日本の冬のような寒い季節がありません。これから東京もどんどん寒くなりますが、研究以外にもいろいろな経験をしてもらい、交流を深めて日本のこともよく知ってもらえればよいなと思っています。

(寺澤卓也)

数学的内容が覚えきれない

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人前でものを説明する教員という仕事をしていると、「どうやって、そんなにたくさんのことを覚えているんですか」と聞かれる経験があると思います。自分の専門分野に関しては、その内容を苦もなく、立て板に水という調子で話すことができたりします。

どのような分野かには関係なく、たいていは、ある程度、長く、その分野の研究をしていれば、少なくとも基本的なことがらは覚えてしまうものでしょう。いわゆる慣れというものですが、その正体は、そうしたことがらを否応なしに繰り返し読み書きするからだと思います。

一方、それぞれの分野には、その分野なりの覚え方というものがあると思います。ただ、何か新しいことを覚えるとき、基本は、やはり、繰り返しでしょう。例えば、国語でも外国語でも言語の習得には、手で書きながら声を出して読むことを何度も繰り返すのは、定番でしょう。

さて、数学ではどうでしょうか。同じ計算を、一生懸命、何回も書くというのは、小学校からの計算練習でしていることでしょう。同じことを、声を出して覚えるというのは、小学校のときの九九でしていると思います。しかし、当たり前のようですが、高校以降の数学で同じことを繰り返し書いたり、声に出したりして練習するということは滅多にありません。

これは、同じことの繰り返しが必ずしも数学的な内容を覚える助けにはならないと考えられているからでしょう。では、数学的内容をたくさん覚えている、理工系の分野の研究者は、どうやってそんなことができているのでしょうか。

実は、その膨大と思われる記憶内容を支えているのは、論理です。数学では、計算手順や証明の手順を丁寧にたどって、その意味、つまり、なぜ、その場所でそのような計算や推論が必要になるのかがわかると、後からそれを思い出すこともできるので、結果として、覚えているということになるのです。

数学を勉強していると、それぞれの計算はわかるのだけれど、あるいは、解説されているのを見るとわかるけれど、覚えられないということが出てくるかもしれません。そのときは、ぜひ、計算や証明の手順を丁寧にたどってみてください。おそらく、論理として、つながりがわからない場所があるはずです。そこをよく調べてみて、その理由がわかるようになると、きっと後から思い出せるようになるはずです。
(メディア学部 小林克正)

八王子市教育委員会と共催のキッズ夏休みプログラミング体験講座について

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   8月9日東京工科大学のオープンキャンパスの開催日に併設イベントとして、八王子市教育委員会との共催で「夏休み子供プログラミング体験講座」が開催されました。

3月に開催されたプログラミング体験講座が好評であったことを受け、今回は八王子市教育委員会(生涯学習センター)との共催で、八王子市の小中学校の生徒さんと保護者の方々を対象に地域社会に少しでも還元する意味で開催されました。

 お陰さまで、機材なとの関係で講座の募集定員を10名としましたが、応募者は70名以上の申し込みをいただき関係者も驚きましたし、この種のイベントに対するニーズがあることが改めて確認出来ました。当日は、直前になって都合がつかなくなった方がおられましたが、申し込み次点のかたに連絡すると、今から駆付けますとの返事で急遽参加された方もいらっしゃいました。

 3時間の講習時間でしたが、子供達は、一心不乱にプログラミングに初挑戦し、一回の休憩もなく、講座は進行しました。子供達の集中力とそれを嬉しそうに見てともに学習しているご父兄の姿が、いつもの教室風景とは様変わりで、印象に残りました。講座の様子は、下記の写真をご覧ください。楽しそう、真剣なまなざし、・・・伝わりますね、

 

 こうした取り組みには、大学や大学院の学生が教育スタッフとして準備も含めて参加・参画していますが、学んだことを、子供達に伝える学生の姿も、活き活きとしていました。その意味でも大きな収穫がありました。

 終了後、参加者にアンケートをお願いしました。感想は以下の通りです。

・最初はキーボードの文字を探して打つのがやっとでしたが、だんだんと入力が速くなり、コピー したり…とても勉強になり充実した時間を過ごす事ができました。先生方ありがとうございまし た。(お母様から)

・楽しかった。

・プログラミングの良さが学べて良かったと思います。

・自分でゲームが作れて良かったです。 もっと長い時間でも良かったみたいです。3時間があっという間でした。ありがとうございまし た。(お母様から)

・打つのがむずかしかったけど、うまくできて楽しかった。前にやったことのあるプログラミングと やりかたがちがったけどとても楽しかった。

・今回の講座に対する感想など Javaを齧った事が無かったので、良い経験になった。 プログラミングのおもしろさがよくわかりました。

・自分で作れるゲームというのはとても楽しくて、 またやってみたいと思いました。ありがとうございました。

・プログラミングの言語ややり方がよく分かって説明が分かりやすかった。 今回の講座では普段あまり関わらないプログラミングが体験できてとても良かったです。3時間 は長いかな~と思っていたけど、プログラミングをやっていると、あっという間でちょうど良かっ たです。

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 今回、とても好評でしたので、来年度も八王子教育委員会生涯学習センターと共催で更に多くの方々に受講いただけるように規模を拡大して開講する予定です。


(MS 上林憲行)

赤勝て,黄勝て!(キャンパス紹介)

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この季節,キャンパスの木々は,紅葉がきれいになってきます.正門前のイチョウ並木はまだこれからが本番のようですが,メディアホールに向かうところでは,少しづつきれいな赤や黄色になってきています.

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ギターは物理法則通りに鳴る 

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みなさん、こんにちは、

 
メディア学部の授業「音声音響メディア処理論」の2回目は、楽器音の発生のしくみについてです。今日は、その中の1つ「ギターの物理」を紹介しましょう。
ギターには弦が6本あります。高い方から3番目は第3弦と呼ばれます。授業では、このギター第3弦の振動数を理論的に計算してみました。
ギターの第3弦はナイロンでできています。直径は 1 mmで、長さは 65 cm ( 0.65 m )です。ナイロンの密度 1170 kg/m3 です。ギターの弦は約6 kg の力で引っ張ってあります。この条件で振動周波数を求めてみましょう。
ギターの弦の上を走る音の速さは次の式で求まります。

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弦の振動の様子を表したのが図1です。

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                    図1 弦の振動と音の波長の関係

 

弦は両側が固定されていますから、図1の青い線で描かれたように中央が大きく動く振動をします。青い振動の形を上下逆転して右側につなげると、ちょうど波1つ分になります。波の長さを波長と言います。振動周波数は音が1秒に進む距離のなかに、いくつ波長がはいっているかで決まりますから、振動周波数次の式のようになります。

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それでは、実際の数値を入れて計算してみましょう。

 

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CG界のノーベル賞と言われるクーンズ賞の受賞者James D. Foley先生による特別講義

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10月1日にJames D. Foley先生(ジョージア工科大学)による特別講義が行われました。

Foley先生はコンピュータグラフィックスに関する著名な教科書をいくつも書かれています。この業績により、CG研究分野最大の学会であるACM SIGGRAPHからクーンズ賞(Steven A. Coons Award)を受賞されています。クーンズ賞は2年に一人だけ選ばれ、CG界のノーベル賞とも言われています。

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プログラミングは怖くない

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メディア学部で学ぶうえで重要性が高く、なおかつ多くの人が苦手だと思っていることの一つが、プログラミングです。では、なんでプログラミングが苦手になってしまうのでしょう?

例題として、FizzBuzzという有名な問題を考えてみます。

FizzBuzz問題:
1から50までの数を順番に画面に表示するプログラムを書いて下さい。ただし、3の倍数のときには代わりに'Fizz'と、5の倍数のときには代わりに'Buzz'と表示して下さい。3と5の両方の倍数のときには、'FizzBuzz'と表示して下さい。

上限のところはバリエーションがあるのですが、簡単にするため50にしてみました。さて、どんなプログラムを書けばいいでしょうか。ためしにPythonで書いてみると、こんなプログラムができました。


for i in range(1, 51):
    if i % 15 == 0:
        print 'FizzBuzz'
    elif i % 3 == 0:
        print 'Fizz'
    elif i % 5 == 0:
        print 'Buzz'
    else:
        print i

このプログラムを書けるようになるためには、いろんなことを勉強する必要があります。for とか if とか range とかいう命令の使い方、範囲は0からなのか1からなのか、50までなのか51までなのか、コロンはどういうときに必要で字下げはどうすればいいのか、等々です。そしてどこか一つでも間違えるとプログラムはちゃんと動かなくて、「不合格」と言われたような、悲しい気分になってしまいます。

それでは次のプログラムはどうでしょうか。


print '1'
print '2'
print 'Fizz'
print '4'
print 'Buzz'
print 'Fizz'
print '7'
print '8'
print 'Fizz'
print 'Buzz'
print '11'
print 'Fizz'
print '13'
print '14'
print 'FizzBuzz'
print '16'
print '17'
print 'Fizz'
print '19'
print 'Buzz'
print 'Fizz'
print '22'
print '23'
print 'Fizz'
print 'Buzz'
print '26'
print 'Fizz'
print '28'
print '29'
print 'FizzBuzz'
print '31'
print '32'
print 'Fizz'
print '34'
print 'Buzz'
print 'Fizz'
print '37'
print '38'
print 'Fizz'
print 'Buzz'
print '41'
print 'Fizz'
print '43'
print '44'
print 'FizzBuzz'
print '46'
print '47'
print 'Fizz'
print '49'
print 'Buzz'

このプログラムには、print という命令しか出てきません。どういうふうに動くかは、プログラミング経験の無い人でも、たぶんわかりますよね。でもこれでも立派なプログラムです。そして、与えられた条件を完全に満たしています。

上のプログラムと比べると、確かに下のプログラムは格好よくありません。プログラミングが得意な人の中には、こういうプログラムを書く人を馬鹿にするような人もいるかもしれません。でも、現実社会で大切なのは、仕事の目標を達成できるかどうかです。そういう視点で考えると、上のプログラムを100点とするならば、下のプログラムだって90点ぐらいの価値はあります。

プログラミングが苦手な人は、たぶん「上のようなプログラムを書かなければならない」という強迫観念に捉えられているのでしょう。でも、プログラミングの正解は一つではありません。自分の知識の範囲で、あるいはネットで検索して見つかる範囲で、自分なりに作ったプログラムで目的が達成できさえすれば、それで良いのです。どんなに格好悪いプログラムでも、それが動いて目的を達成できたときは、なんだかいい気持ちになるものです。そしてそういういい気持ちの中で、「次はもう少し工夫してみようか」という気持ちが自然と生まれてくれば、プログラミング中級者への道はもうすぐです。

(大淵 康成)

情報セキュリティイベントにて、「サイバーセキュリティ学習シリアスゲーム」を展示!

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 メディア学部教員の岸本 好弘です。

 10月9日(金)、10日(土)に開催された「情報セキュリティワークショップin越後湯沢2015」にて「サイバーセキュリティ学習シリアスゲーム」の展示を行い、2日間で60名を超える方々にプレイしていただきました。情報セキュリティの現場で活躍中の方々のご意見・ご感想は非常にためになりました。

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▲展示スタッフの学生と私

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世にも恐ろしい本当にあった話― CG 研究の発表なのに映像もスライドもないって,ありえねぇ!―

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皆さん,こんにちは.

メディア学部准教授 菊池 です.

本日のブログでは,私の学生時代「最大の失敗談」について書きたいと思います(笑).

いまから20数年前.
そのころ私は,岩手大学大学院博士後期課程 1 年の学生でした...

いまでも忘れません.
その日は金曜日.東京・芝浦で開催される CG 関連の学会で,自身の研究発表を行う日でした.

学会は午後から始まるプログラムだったため,岩手・盛岡を午前 9 時台発の新幹線に乗れば充分に間に合います.
私はまず,朝早めに大学の研究室に立ち寄り,事前にすべてのデータ(成果映像とプレゼンデータ)を入れておいたノート PC をカバンに入れました.

「さぁ,出発だ!」
勢いよくカバンを持ち上げたその瞬間...

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紅華祭で卒研生が研究発表

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メディア学部の伊藤です。

10月11日(日)と12日(月・祝)に行われた紅華祭に「ミュージック・アナリシス&クリエイション」プロジェクトの卒研生(4年生)14名が研究発表を行いました。

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本プロジェクトはメディア学部における音楽関連の研究を広く一般の方々にアピールしようと昨年から紅華祭に参加し、今回が2回目となります。また、メディア学部の卒研では7月下旬に「中間発表」、2月上旬に「最終発表」を行うのですが、紅華祭は時期的にちょうどその間にあるため、中間発表後、夏休み中に取り組んだ研究の成果を発表する絶好の機会です。紅華祭での発表の経験を通して研究内容のさらなる充実を図り、最終発表に向けて準備を進めていきます。

今回発表した14名の研究テーマは次のとおりです。

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スマートホンの広告について

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みなさんは、スマートホンをお持ちでしょうか?最近、多くの方がおつかいになっているかと思います。
スマートホンを使っていると、広告が気になるときがありませんか。
読みたい記事などの上に、急に、バナー広告がかぶさってきたりすると、邪魔に感じることもあると思います。
また、広告をまちがってさわってしまって、その気もないのに、アプリのダウンロードがはじまってしまったことはありませんか。
こうした広告は、迷惑に感じますね。
最近では、広告を回避するためのアプリも出されています。
広告はないほうがいいのかもしれませんが、ビジネス上は重要な収入源です。
いちがいに、ぜんぶなくしてしまったほうがいいともいえません。
見る方に、迷惑をかけず、楽しんでいただける広告はないでしょうか。
そんなことを、私たちの研究室では研究しています。

プロジェクト演習: インタラクションデザイン

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メディア学部の特徴であるプロジェクト演習は、普通のカリキュラムでは学ばないようなメディアに関する専門的な知識を演習という形で学ぶものです。今までのブログの中でもいくつものプロジェクト演習が紹介されてきました。

プロジェクト演習インタラクションデザインでは、春学期は主に Processingという環境を用いた プログラミングを通じて、画面の上でのインタラクションデザインを主眼とした演習を行っています。コンピュータとのインタラクションの基礎を考えるということで、マウスをクリックしたり、キーボードを叩くことで、画面上の物体が変化することが目標でした。

現在行っている秋学期のインタラクションデザインでは、実世界と結びついたインタラクションについて 考えるため、Arduinoとよばれる電子工作のためのツールキットを用いた 演習を行っています。このような実際に電子回路を作りながら行う授業はメディア学部の 中では珍しいものであるといえるでしょう。
Arduinoは世界でひろく利用されているマイコン(マイクロコントローラ)を中心としたツールキットで電子回路を利用した作品を簡単に作るためのシステムです。 LEDやセンサといった道具をこれに接続し、プログラムを書くことにより PCだけでは実現できなかったインタラクションデザインを行うことが出来るようになります。
プログラミングの授業に技術家庭科の工作が組み合わさあったイメージだと思えばいいでしょう。 今学期は、実世界の情報を取り込み、コンピュータを経由して画面や音、LEDといったものに 出力するインタラクティブな作品を目指して演習を行っていく予定です。 実際の授業の様子はまた次回をお楽しみにしてください。
(メディア学部  羽田久一)

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さわやかな秋空に富士山のシルエット (キャンパス紹介:富士山ニュースその3)

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10月になると八王子では,空がとてもきれいになります.町の中とは違って,夕方になると夕焼けも素敵な色に染まります.その空を見て,「いいな」と思える生き方ができるといいですね.
facebookに投稿した富士山のシルエット写真は,60名を超える多くの友達から「いいね」をもらいました.大学キャンパスをゆっくりと探索すると,思いがけず,素敵な風景を見つけることができます.

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ぜひ,講義時間の間や帰宅前に,のんびりとキャンパスを歩いてみてはいかがでしょうか?高校生の皆さんも一度このような時間に本学のキャンパスに来て見て下さい.いろいろな風景を楽しむことができます.

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おもしろメディア学 第100話 面白い(&不可解な)ユーザーインターフェース

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ユーザーインターフェースという言葉をご存知でしょうか?インターフェースとは「異なるものの間」とか「繋ぐ部分」という意味ですが、「ユーザーインターフェース」となると、装置を使うための装置や操作方法やそれらがどのように設計されているかということを意味する言葉になります。コンピューターのマウスやキーボードや画面の操作性やデザイン、車のハンドル、アクセル、ブレーキなどが具体的な例です。ここでは普段の生活で見つけた面白いユーザーインターフェースや、困ったユーザーインターフェースについて紹介しましょう。

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メディア学部4年生がアメリカ国務省のトニー・ブリンケン副長官に映像作品を紹介

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メディア学部4年生後藤沙央里さん、舟田優花さん(指導教員:近藤邦雄・三上浩司)は,10月5月(月)にアメリカ大使館の依頼で,東京港区赤坂のアメリカンセンターJapanにおいて,アメリカ国務省のトニー・ブリンケン副長官へプレゼンテーションを行いました.

 

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アメリカ大使館の公開記録写真より:
2015.10.05 D/S Blinken Tokyo Visit
Deputy Secretary of State Antony Blinken visits Tokyo
By: U.S. Embassy Tokyo PRO


プレゼンテーションの内容は,2015年3月に南カリフォルニア大学(USC)でWeinberg Richard先生はじめ学生のみなさんに作品紹介を行ったアニメ作品およびプロジェクションマッピングです. プレゼンテーションでは,まず,東京工科大学とメディア学部のことを紹介し、USCでの交流の様子を写真を使い紹介し、2015年3月に南カリフォルニア大学(USC)での体験で学んだことを話しました。
その後、舟田さんが今まで制作した作品の工夫した点を映像を流しながら紹介し、その後、私が遊行寺ダンスプロジェクトで制作したプロジェクションマッピング作品を簡単に紹介しました。舟田さん,後藤さんがそれぞれ、3分~5分ほどのプレゼンテーションを行い, ブリンケン副長官からの質問にも答えていました.

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卒研を通じて学生同士のコミュニケーションについて感じること

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卒業研究は4年生になってから行いますが、その準備のために研究室への配属は3年生後期からとなっています。卒研「プロダクトデザイン」にも3年生が配属となりました(写真)。

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毎年この時期になると私は何も言わないのですが、配属の決まった3年生のために4年生が歓迎会を企画しています。私も仕事の都合がつけば歓迎会に参加させてもらうことがあります。ネットでのコミュニケーションがどんどん便利になる一方、顔を合わせてのコミュニケーションが減っているという指摘もよく聞きますが、本研究室ではあまりそうした傾向は感じません。今年の歓迎会に参加してもらった時にもそう感じました。4年生になると毎週のゼミでは全員が順番に進行役を行い、学生同士が互いに助言しあい、活発に意見交換を行っています。元気な学生は当然ながら仲間に数多くの助言をしてくれています。どちらかと言えば無口な学生も数は少なくても適切な発言をしてくれます。

今年配属の3年生も順調に進級し、4年次の卒研では素敵なデザイン提案をして全員無事に卒業して欲しいと思います。

文章 萩原祐志

Jim Foley先生(America, Georgia Institute of Technology)に大学院生が研究紹介(国際交流) 

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CG界のノーベル賞といわれるSteven A Coons賞の受賞者James D. Foley先生(America, Georgia Institute of Technology)の講演会を10月1日に行いました.

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その講義前の時間に,私が大学の紹介,メディア学部の紹介,メディア学部の国際交流の紹介をしました.メディア学部の教育内容の分類に興味を持っていただいたようで,そのスライドをカメラに収めていただきました.

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また,メディア学部の国際交流の中から,南カリフォルニア大学(USC)との交流,スウェーデン,タイ,インドネシア,マレーシアなどの交流を紹介しました.USCとは長年の交流があり,Weinberg Richard先生と片柳理事長が一緒の写真やメディア学部の学生への講義,さらにはメディア学部の学生のUSC訪問などの写真を紹介しました.Foley先生はWeinberg先生とも交流があり,この交流に大変興味を持っていただきました.

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さらに,大学院生の2名(Henry Fernandez,Muhammad Arief)が研究紹介をしました.

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第20回VR学会大会にて学会発表

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みなさんこんにちは
メディア学部AED-LABの羽田です。
本研究室では 9月9日から11日に開催された第20回VR学会大会(東京電機大学)で研究発表を行いました。
触覚フィードバックによるインターネットを介した乾杯のテレプレゼンスの強化
羽田 久一(東京工科大学), 中野 亜希人(慶應義塾大学), ○石原 大資, 大崎 翔悟, 渡辺 喜彦(東京工科大学)
というタイトルで、離れた場所にいる人と一緒に乾杯をしている気分を味わおうという研究です。登壇発表とともに、開発中のシステムのデモ展示を行い、多くの人に実際に作ったシステムを体感してもらうことが出来ました。
学会でのデモ展示は準備や当日の展示作業が非常に大変だったりするのですが、さまざまな人に実際のシステムを見てもらい、登壇発表とは違ったフィードバックを貰えることがあるので本研究室では積極的に参加するようにしています。

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経済的取引と会計の話

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前回のブログ「データから社会経済の動きを探る技術」シリーズ「1−1=?(その2)」では、AADLの引き算を会計の考え方を通じて紹介した。いきなり経済的取引や会計の話がでてきたので少し分かりにくかったかもしれない。そこで今回は、前回の復習もかねて会計の話を補足することにしよう。興味のある読者は、拙著「ICTビジネス」(コロナ社)の第5章を参照していただきたい。

まず、経済的取引とは、であるが、ここでは物の売り買い、としておこう。お店で¥1000の商品を買えば、買った人は、その商品を所有し、自由に使用(処分)できるようになる代わりに、その対価としてお金を¥1000支払わなければならない。一方¥1000の商品を売ったお店の人は、商品を手放した代わりに、お客の支払ったお金¥1000を手に入れることができる。商品とお金、いずれか片方の移動だけでは通常経済的取引は成立しない。

この商品の売買という経済的取引の発生に応じて、お客とお店の双方でこの取引を会計データとして記録することができる。そして、この取引の両当事者に、それぞれ商品とお金の入()と出()が発生していることに気づかれるであろう。この増減の両面で取引を記録する方法が前回紹介した簿記である。それぞれ、対応する勘定科目で仕訳した結果は、例えば、

お客側

(借方)                    (貸方)

商品 ¥1000 (増加)    現金 ¥1000 (減少)

お店側

(借方)                    (貸方)

現金 ¥1000 (増加)    商品 ¥1000 (減少)

である。簿記では、商品とか、現金といった項目の量の増減(プラス、マイナス)が、左右いずれかの位置に記載されることで識別される。左右いずれが正負を表すかは勘定科目により異なるところが簿記の少しややこしいところである。記帳の全体像は次回に触れるとして、商品と現金はともに資産の部門に属する勘定科目で、増加したとき、すなわちプラス(+)の量の場合は左側の借方、減少したとき、すなわちマイナス(-)の量の場合は右側の貸方に記録される。交換代数表記すると、

お客の仕訳データ

= 1000<商品, , 4/1, > + 1000^<現金, , 4/1, >

お店の仕訳データ

= 1000<現金, , 4/1, > + 1000^<商品, , 4/1, >

と表せることは前回紹介した通りである。上の式からわかるように、交換代数では簿記のデータ構成に対応しているが、左右の位置で正負を識別することはない。基底のハットオペレーション「^」が減少、ないし負の量を表している。余談であるが、上の例で、お客とお店が同一人物、あるいは同じ家族の間であれば(subject基底が同一になることに注意しよう)、上記二つの会計データをまとめることができ、その結果、商品も現金も増減が相殺されて、この取引は消滅する。経済的取引とは、あくまで所有権が移転する当事者の間で発生するのである。

個人同士の間のやり取りであればこの仕訳で良いのであるが、お店の場合、通常、売上高が計上されたことに関して「売上」という収益部門の勘定科目で仕訳が行われる。売上の増加は貸方に記帳する。

販売の仕訳

(借方)                    (貸方)

現金 ¥1000 (増加)    売上 ¥1000 (増加)

そしてこのお店が商品の販売を行うためには、いくつかの取引がある。まず、販売すべき商品を仕入れなければならない。

仕入の仕訳

(借方)                    (貸方)

商品 ¥800 (増加)     買掛金 ¥800 (増加)

ここで、買掛金というのは、営業上発生した未払金で、後で支払うという約束のことである。買掛金は負債部門の勘定で、増加した場合には貸方に、減少した場合には借方に記帳し、資産部門の勘定と増減の記帳が逆になっている。次に商品の販売代金で買掛金を返済すれば、

返済の仕訳

(借方)                    (貸方)

買掛金 ¥800 (減少)     現金 ¥800 (減少)

のように仕訳される。そして仕入れた商品が販売されたので、これを当期の売上原価に計上し、

費用計上の仕訳

(借方)                         (貸方)

売上原価 ¥800 (増加 商品 ¥800 (減少)

と仕訳する。ここで、売上原価というのは、当該商品の売上が計上されたとき、その仕入・販売等にかかった費用のことをいい、増加した場合には借方に、減少した場合には貸方に記帳する。この事例では、仕入れた商品が販売されたことで、その仕入額が売上原価になったことを表している。

お店に関わる一連の取引の仕訳を交換代数表記してみよう。

仕入の仕訳

= 800<商品, , 4/1, > + 800<買掛金, , 4/1, >

販売の仕訳

= 1000<現金, , 4/1, > + 1000<売上, , 4/1, >

返済の仕訳

= 800<買掛金, , 4/1, > + 800^<現金, , 4/1, >

費用計上の仕訳

= 800<売上原価, , 4/1, > + 800^<商品, , 4/1, >

このお店に関して以上に発生したすべての取引を各勘定科目ごとに集計してみると、前回紹介した残高のオペレーション「~」によって商品の増減が相殺されて(引き算が行われて)

~(仕入の仕訳+販売の仕訳+返済の仕訳+費用計上の仕訳)

= 200<現金, , 4/1, > +1000<売上, , 4/1, >

+800<売上原価, , 4/1, >

とまとめることができる。

上の結果を再度仕訳表記してみよう。

(借方)                     (貸方)

現金       ¥200     売上       ¥1000

売上原価 ¥800

(借方合計) ¥1000   (貸方合計) ¥1000

これまで見てきたように、個々の取引データは必ず「発生データ単位ごと」に「入」と「出」がバランスした状態にある。したがって、ある特定の期間(この事例では4/11日間)に発生したすべての取引を集計し増減を相殺した残高を計算しても、この借方と貸方との間のバランスは保存されることになる。次回は、この集計された残高の意味について考えながら、会計の一般的な話に進むことにしよう。

(メディア学部 榊俊吾)

 

おもしろメディア学 第99話 音楽でのピタゴラス

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みなさん、こんにちは、

 
みなさんは「ピタゴラスの定理」をご存じのことと思います。図1のような辺の長さが3cm、4cm、5cmの直角三角形で
3×3+4×4=25
5×5=25
で等しくなるという定理ですね。

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                         図1 直角三角形

 

さて、今日は、この大数学者のピタゴラス先生が考案したと伝えられる「ピタゴラス音律」についてお話しましょう。
メディア学部の後期の授業が始まりました。その中に「音声音響メディア処理論」という授業があります。音声音響ディジタル信号処理や楽器音の合成法、人が音をどう聴くかなどの内容を含みますが、第1回目はそもそも音ってなんだという話です。音の3要素は音の高さ、大きさ、音色です。その中の音の高さについていろいろな話をしました。
音の高さの違いは音程と呼ばれます。ピアノでドとソを同時に弾くときれいに響きます。ドとソの音の高さの違いは完全5度と呼ばれています。図2を見てください。

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                    図2 完全5度の音程

 

ドとソは半音にして7つ分の違いがあります。音の高さは1秒間の振動数である「周波数」で決まります。ピアノの鍵盤の音の高さは非常に規則的に作られた「平均律」と呼ばれるもので、ドからドまでの1オクターブの中に12個半音があり、約1.06倍という一定の比率で周波数が高くなっていきます。ドとソでは周波数が2対3の比率になっていて、これがきれいに響く理由です。

さて、

この2対3の周波数の比率だけで、ドレミファソラシがすべて作れるって信じられますか?

 

それでは、調べてみましょう。

 

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月の大きさはどれでしょう

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次節は秋です、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今回は〝月〟の話を一つ。

月は古くは初のSF映画と言われるジョルジュ・メリエスの映像作品「月世界旅行(1902)」で人の顔を模して画面に出てきたのを皮切りに(月の顔は実は監督のメリエス自身だそうです)、身近な題材なので、いろいろなアクセントとして用いられます。近年ではスピルバーグ率いる映画製作会社のロゴマークで、〝E.T.〟が自転車に乗せられて月を横切るものもありましたね。 先日は〝スーパームーン〟と称して月が地球に接近して大きくなっているときの満月が観測できました。  


さて、月は我々に身近な衛星で何回も目にしていると思いますが、ここで皆さんに質問です。月の大きさはどのくらいでしょう?。

 

Wikiで調べてみると月の直径3,474.3 kmで、地球からの距離は、近いときは、363,304 km、遠いときは405,495 kmとなっています。そんな『理科年表的』な話には興味がないかもしれません。では、もうちょっと身近な質問をしてみましょう。すなわち、

 

 〝月の『見かけの』大きさは、あなたの目で見て、どのくらいでしたか?〟

 

たとえば、40cm離れた場所にあるパソコンのディスプレイ上に月を表示するとして、実際に眼で見た月と同じ大きさを描くとすると、どの大きさになるでしょう?わかりにくいので下に画像を示してみます。ディスプレイから40cmほど離れた距離で見て、普段、夜空に浮かんでいる月と同じ大きさだと思うものを選んでみてください。

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図1 月の大きさはどのくらいだった?

ちなみに、各月の下の数値はディスプレイ上での直径の大きさ(mm)を示しています(表示される大きさの数値が合わない場合は表示倍率を変えてみてください)。

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共同体〈心体知〉の集団学習:伐採場面の収録

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下の写真は何をしている場面か分かりますか?
Bassai

答え:山の中で木を伐っているシーンです。

場所は長野県にある野沢温泉村の裏手の山の中です。中央で白いヘルメットをかぶっている方が木樵りさんで、木を伐っています。先週の日曜日(9月28日)に撮影してきました。

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10/11-12紅華祭にて 「学習ゲーム」研究室展示を行います!

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 メディア学部教員の岸本 好弘です。

 10月11日(日)、12日(月・祝)東京 工科大学八王子キャンパスにて紅華祭(学園祭)を開催します 。楽しい催しものや模擬店 に加え、日頃 の研究成果を発表する選りすぐりの研究室展示も行います。
 我々「次世代ゲーミフィケーション研究室」では、今年は三つのコーナーを用意して皆さんをお待ちしています。

Posters

        ▲研究室展示のポスター

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アルフォンゾ先生と私

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アルフォンゾ先生は、インドネシアのバンドン工科大学で美術やデザインを教えています。JICAの招きでこのたび来日されました。日本の大学の教育現場を見学ということで、メディア学部の近藤先生の案内で、私の研究室にも来てくださいました。私も美術デザイン担当なので、いろいろ楽しくお話させていただきました。
 
特に盛り上がったのが、いまどきの学生の作品についての話です。デジタルツールの発達のおかげで、学生が「楽なやりかた」をするようになってしまったのではないか。ちょっと困った事だですね。と、そういう話です。オリンピックの騒動じゃないけれども、なにかをそのままコピーしたり、既存のテンプレートを使って簡単に済まそうとしたり。

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アニメ制作に襲来するディジタル化の波(2)「仕上げ・撮影」のディジタル化

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メディア学部の三上です.
以前の記事に引き続いて,アニメーションのディジタル制作について紹介します.
今回はアニメーション制作のディジタル化の第1の波「仕上げ・撮影」のディジタル化についてです.
紙とセル,フィルムで制作されたアニメーションがどのように変革してきたのでしょうか.

Shooting

フィルムに撮影する撮影台(著者撮影)

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