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月の大きさはどれでしょう

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次節は秋です、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今回は〝月〟の話を一つ。

月は古くは初のSF映画と言われるジョルジュ・メリエスの映像作品「月世界旅行(1902)」で人の顔を模して画面に出てきたのを皮切りに(月の顔は実は監督のメリエス自身だそうです)、身近な題材なので、いろいろなアクセントとして用いられます。近年ではスピルバーグ率いる映画製作会社のロゴマークで、〝E.T.〟が自転車に乗せられて月を横切るものもありましたね。 先日は〝スーパームーン〟と称して月が地球に接近して大きくなっているときの満月が観測できました。  


さて、月は我々に身近な衛星で何回も目にしていると思いますが、ここで皆さんに質問です。月の大きさはどのくらいでしょう?。

 

Wikiで調べてみると月の直径3,474.3 kmで、地球からの距離は、近いときは、363,304 km、遠いときは405,495 kmとなっています。そんな『理科年表的』な話には興味がないかもしれません。では、もうちょっと身近な質問をしてみましょう。すなわち、

 

 〝月の『見かけの』大きさは、あなたの目で見て、どのくらいでしたか?〟

 

たとえば、40cm離れた場所にあるパソコンのディスプレイ上に月を表示するとして、実際に眼で見た月と同じ大きさを描くとすると、どの大きさになるでしょう?わかりにくいので下に画像を示してみます。ディスプレイから40cmほど離れた距離で見て、普段、夜空に浮かんでいる月と同じ大きさだと思うものを選んでみてください。

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図1 月の大きさはどのくらいだった?

ちなみに、各月の下の数値はディスプレイ上での直径の大きさ(mm)を示しています(表示される大きさの数値が合わない場合は表示倍率を変えてみてください)。

同じ問いに講義中に学生に答えてもらい、その結果を集計すると、下のようなグラフになりました。

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図2 月の大きさは、40cm先のディスプレイでみたとき、どれと同じ?

皆さんの回答だと普段の月の大きさは(ディスプレイから40cm離れている仮定では)1cm~1.5cmくらいの大きさに見えているということです。

 

さて、ちょっとここで実際に、どのくらいの大きさに見えているか、計算をしてみましょう。先ほど示した「地球からの距離」と「直径」から、月を見たときの視野に占める角度(視角)をθとすると、(数値が大きいので近似計算になりますが、)離れた距離に対する物体の直径の割合=sinθは、  sinθ=(3474.3/363,304 ~ 3,474.3/405,495)=(0.009563 ~  0.008568) の間になります。この比率を用いて、40㎝先に円を描くとすると、その直径は3.427mm ~ 3.825mmの間の大きさになります。つまり、先ほどの図では一番小さい右端の円である、直径3.8mmの円が実際に夜空に見ている月の大きさと同等ということになるわけです。 そんな感じは全然しない!という人は50円玉か5円玉を目から40cmの位置に持ってきて、そこから月を覗いてみましょう。5円玉の穴の大きさは約5mm、50円玉の穴の大きさは約4mmなのでちょうど穴の中から月が覗けることになります。

  月の写真をデジカメで撮ろうとしたら、思いのほか小さく写ってしまった、という経験はあるでしょうか?このように、わたしたちが見ているものの『大きさのイメージ』は実際に見えている通りではないことが多々あります。

(以上文責 永田明徳(「視聴覚情報処理の基礎」担当))

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