« 気づくということ | トップページ | おもしろメディア学: 見る距離によって,違う画像が見える?! »

メディア学部研究教育紹介ビデオ03:清川隼矢さん「1オクターブ14音の作曲と分析」

2016年1月19日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤です。

昨年(2015年)12月18日のブログで、清川隼矢君の「初音ミクを周波数レベルで調律する研究」の動画を取り上げました。その動画で清川君は、研究に取り組む上で必要な技術や考案したシステムに関する説明をしていますが、今回ご紹介する動画は、そのような技術やシステムを自らの創作に応用し、実際に作曲した「Nursery Song in 14EDO」という音楽作品について語ったものです。

この動画で流れているピアノ曲がその作品で、一般的に1オクターブ12音で構成されるものを14音とした理由や、それによって生み出される音響の特徴・特性をわかりやすく丁寧に説明しています。

このコンテンツを見るためにはJavaScriptを有効にしてください。Please enable JavaScript to watch this content.

たぶん多くの方が、通常のピアノとは異なる響きを感じたと思います。また、説明にあるように、12音での音程や和音の響きに意図的に近づける工夫がなされているとはいえ、初めて耳にする不可思議なサウンドに、ちょっと違和感を覚えた方もいるのではないでしょうか?

ただ、清川君は何も奇をてらってこのような曲を作ったのではなく、「なぜ1オクターブが12音である必要があるのか?」という素朴な疑問を出発点に、音楽・音響に関する先人たちのさまざまな試みに興味・関心をもち、それらの思考や取り組みによって生み出される表現の可能性を純粋に追求した結果が、作曲につながったと言えます。

この動画の中で清川君が何度か口にしている「分析」という言葉がその姿勢を端的に表しています。それは何も音楽に限ったものでなく、私たちの身の回りにあるモノや技術、サービスにも当てはまるもので、どのようにしたら今よりも「より心豊かな」「より効率的な」「より便利で安全な」世の中や社会をつくっていけるかを考える重要なキーワードの一つとなるでしょう。

無目的で安易に「テクノロジー」に頼るのではなく、「分析的な思考」を通して有効的に活用することによって、私たちを取り巻く日常や環境はさらにクリエイティブなものになり、それが未来の新たな地平を切り拓いていくに違いありません。メディア学部では、そのような強い志と好奇心をもった学生が日々、勉学や研究に励んでいます。

<過去の関連記事>


(執筆:伊藤 謙一郎)

コンテンツ」カテゴリの記事

ビデオ付き」カテゴリの記事

在学生向け」カテゴリの記事

高校生向け」カテゴリの記事

« 気づくということ | トップページ | おもしろメディア学: 見る距離によって,違う画像が見える?! »