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おもしろメディア学: 見る距離によって,違う画像が見える?!

2016年1月20日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

遠くから見ていた広告の画像が,近くに来たら違った画像に見えてしまう.こんな経験はありますか?まだ実用的な活用は少ないですが,将来の画像表現技術としてとても有望な方法について紹介します.
このような見る距離によって,2つの異なる画像を見ることができるようにする技術をHybrid Imageといいます.この手法は,2つの画像を利用して,それぞれ,低周波画像と高周波画像に変換して,それを合成することによって生成します.低周波はぼかした画像,高周波成分はエッジ抽出した画像です.
次の図は低周波と高周波を表しています.

Kukan

低周波画像と高周波画像は次のようになります.

Photo

Lion

図は,アプリ(ハイブリッドイメージ [Hybrid Image])を用いて,モナリザの低周波成分画像とライオンの写真の高周波成分画像を合成している画面です.低周波と高周波の値もおおよそわかります.

Img_7599

次の図は近くから見るとライオンが,遠くから見るとモナリザを見ることができます.遠くから見た代わりに小さくした画像を示します.

Hybridimage

目を細めたり,メガネを外したりするとモナリザが見やすいかもしれません.いかがでしょうか?見る距離を変えると違う画像をみることができましたでしょうか?
見る距離の違いによって,理解できる情報が異なるというこの手法は,広告などの分野以外にも応用が期待されています.
参考文献:
A. Oliva, A. Torralba, P.G. Schyns, Hybrid Images, ACM Transactions on Graphics, vol. 25-3, pages 527-530, 2006.
P. Sripian and Y. Yamaguchi,Assessment Method for an Edge Alignment Free Hybrid Image,16th ICGG2014, 2014
近藤邦雄

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